第40話 巨乳ボクっ娘メンヘラ……?


 なるほど。人助けをしたらこの子がついてきたと。でも、この子のステータスを見た感じ勇者っぽいんだよね。ステータスのところに【勇者(奴隷)】ってあるし。

 とりあえず、勇者さん達に返すのが一番かな?でもどうやって返そう。今の子供の状態じゃ絶対に怪しまれるはず。それも、子供と高校生はもしかしたら勘違いされる可能性があるにはあるだろうし。何よりレイちゃんの奴隷になってるのが不味い。怪しすぎる。


「おいっ。触るのをやめるのじゃ!羽をむやみにさわるんじゃないっ!」


 まあ、仲良しそうでよかったけど。それより、レイちゃんって部分部分で羽を出せたりしたんだ。ふぅーん。なるほどね。なるほどなるほど。じゃあ、つまり幼女状態でモフれると。いいね。


「私にも、モフらせろぉ〜」


 ヒトリジメ、ヨクナイ。


「レーナ!?お前もかっ!?クルハっ、助けるのじゃ〜」


「すいません。生憎手が空いていないので〜」


「ちょっ、本を読むのを少し止めるだけじゃないかっ!」


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「はぁ、はぁ、はぁ疲れたのじゃ〜」


 ふぅ、大分モフりがいがあったね。大分疲れた。


「貴女子供なのにやるじゃん。なんて名前なの?」


「レナ。貴女は?」


「ボクは、桜木流華。元勇者よ。訳あってレイちゃんの奴隷という立場になってるよ」


 おお。勇者ってこと言っちゃうんだ。しかも奴隷ってことまで。


「こ、この展開、週刊少年誌の展開なのではないでしょうか?これ、現実世界にもあったんですね」


 あ、クルハが週刊少年誌の影響受けちゃってる。確かに、乱闘した後和解して、名前聞き合って、仲間になって、いいライバルになる熱い展開だけどさ。でも、勇者の前でそれ言っちゃうか。ん?これ私の正体、バレちゃうんじゃ?


「あれ?やっぱ気になってたけど、それって週間少年誌のhigh&highだよね?略してハイハイ。もしかして、勇者だったり転生者だったりする?」


「ご主人様は……ンンッ!?」


「ちょっとこっちきて」


 とりあえず洗面所でいっか。聞こえなければいいし。


「そこ言っちゃたら私の正体がバレちゃうじゃん。私の正体はあんまり言いふらさないでくれると嬉しいんだけどさ。まあ、とりあえずお仕置きとしてモフられてね」


 これは私がモフりたいだけなんだけど。


「すいません。次からは気をつけます」


 あ、お仕置きって言って怒ってると思わせちゃったかな。耳が垂れちゃってる。しょんぼりしてるクルハもちょっと可愛い。いや、超可愛い。


「いいのいいの。言ってなかったこっちも悪かったしさ」


「はい……」


「とりあえず戻ろっか」


「おかえり〜話は終わった?」


「まあ一応。因みにここに勇者いるけどどうする?」


 一応聞いとこうかな。もしかしたら勇者達のところに行きたいかもしれないし。


「勇者ってボクのことかい?」


「違う違う。ここに勇者が泊まってるんだよ」


「本当かい!?それじゃあちょっと会ってきてもいいかな?レイちゃんと一緒に着いてくって決めたしさ」


 ゑ?


「レイちゃん。レイちゃんはどう思う?」


「妾は正直言って此奴には着いてきてほしくないぞ」


 レイちゃんもこう言ってるし、やっぱ本人の意見を尊重するべきなのかな。とりあえずこの事言っておこうかな。


「本人は嫌って言ってるんだけど……」


「そっか。じゃあ、好きになってくれるまで諦めないよ」


 あ、この人ヤンデレだ。多分ヤンデレ。

 ヤンデレの彼女を持ってた友達がいるんだけど、その子普通にヤンデレは絶対にやめろって言ってた。なんか、危ないことをしでかす危険性があるって。


「クルハ、これどうする?」


「とりあえず、勇者さん達に押し付ければいいと思います」


 確かに。元々この人勇者だし、勇者達に任せればいいのか。勇者さん達は疲れちゃうだろうけど、そんなのはどうでもいいかな。最悪夜逃げすればおっけー。よし、完璧だね。この計画。


「まぁ、とりあえず勇者の所に行ってきたら?とりあえず話はそれからじゃない?」


「分かった。じゃあ、行ってくるよ」


「ふう、やっと行ったのじゃ。いい加減疲れたのじゃー。なんかあいつとおるとすごく疲れるのじゃ。何でかは分からんが」


 まぁ、感じ方は人それぞれだしね。何より、流華さん、巨乳のボクっ娘メンヘラって。属性多すぎでしょ。ボクっ娘ってひん……小さい胸のイメージがあるんだけど。ま、巨乳のボクっ娘もいるもんか。とりあえず、クルハモフってよ。


「そういや、クルハモフってて思ったんだけど、クルハってどこで生まれたの?」


「私ですか?獣人の里で生まれましたよ?」


 獣人の里なんてあるんだ。まぁでもあってもおかしくないか。人間の街があるんだし、獣人の里があってもおかしくはないし。


「ちなみに、獣人の里ってどこにあるの?」


 機会があったら、クルハの両親に会ってみたいかも。


「コンドラー大森林の中央ですね。アクセスが悪いので行く事はあまりおすすめできませんけど」


 どこ?コンドラー大森林って。初めて聞いた名前かも。あとで地図で調べよっと。

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