第27話 囲い込み
帰り道、いつもは一人なので下道を行くのだけれど、今日は早く帰って藤城さんの買い物をしないといけないので最初から有料道路に入った。
昼食は最初のサービスエリアで。
「何処にする?少し早いからフードコートでもいいよ?」
「ん〜、落ち着いて食べたいからレストランがいいな!」
「オッケー、行こうか?」
はっきりと意見を言ってくれるのは嬉しい。
「何にする?」
表のメニューを見ながら、美味しそうなショーケースを眺める。
「ガッツリとお肉がいいな?」
「ステーキ丼があるね。」
「うん、それで!」
「僕も同じね。デザートは?」
「外売店の方が美味しそうだったから後でね。」
即決に近い決断力かな?
リズム良く進むから、僕は嬉しい。
入口で食券を買って、空いているテーブルへ。
帰ってからの打ち合わせもあるので、人気のない隅の席へ。
「これからの事なんだけど、全て僕に任せてくれるかな?」
「具体的には?」
「卒業まで全部、あらゆる事を。同棲して学費と生活費の全てを面倒見る形で。」
「その対価は?」
「何も要らないよ?勿論、恋人として過ごさせてもらうけどね。」
「身体だけで良いってこと?」
「言葉は悪いけどその通りだね。僕としては、違う意味だけどね。」
席が埋まってきたので、
「誰にも聞かれたくない話になるから、後にしようか。ちょうど来たみたいだし。」
先のことはわからないけど、今の『楽しさ』を大事にしたいから藤城さんを囲い込むだけだからね。
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