第34話 自転車
「で、何で自転車なのかな?」
「………………………………………乗れるよね?」
「勿論!で、何でかな?」
「そりゃぁ、一緒にサイクリングコース走るから!」
「だから、何で?」
僕のマウンテンバイクを買った、個人経営の専門店。
思いつきで、帰る前に寄ってみた。
「一人で走るのが寂しいから。」
「ふ〜ん、まあ、良いわよ。」
思わずガッツポーズしたら、店長に笑われてしまった。
「綾本君は、私の店の『ツーリングクラブ』には入りたくないらしいから。」
「店長?時間が合わなくて一緒に走れないからだからね!土曜の早朝しか走りに行けないから。」
「わかってるわよ〜。それで、どんなタイプがいいのかな?」
「最初は、試乗車レンタルでお願いできますか?土曜日朝、走りに行ってそのままアルバイトに山奥まで行くので返しは日曜のこれぐらいの時間になります。
気に入ったら、同じタイプを買わせていただきます。」
「いいわよ〜。じゃ、一緒に走るなら綾本君のと同じタイプがいいわよね。調整するから、こちらへどうぞ。」
「ありがとうございます。宜しくお願いします。自転車専門店で女性店長って、珍しいですよね?しかも、お若いし。」
「あら〜、ありがとう。後で綾本君とはどうゆう関係なのか教えてもらえるかな?」
「今でも良いですよ。今日から一緒に暮らします。昨日、訳有りで拾ってもらったみたいな?」
「綾本君も、やるわね〜。若いって、いいわよね〜。」
僕のと同じタイプの試乗用マウンテンバイクを藤城さんに合わせて調整してもらい、僕のバイクの整備もお願いする。
「小物は今買っていきます。グローブやヘルメットとかゴーグルお勧めで一式お願いしますね。」
「毎度あり〜。サイクリングスーツやプロテクターは?」
「一緒にお願いします。」
楽しそうに店長と話しながら、次々と籠に選んだ品を入れていく。
「ん〜、こんなもんかな?じゃ、マウンテンバイクの引き渡しは金曜日で良いのかな?
お二人共、お楽しみにね!」
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