第33話 お買い物の後で

「彼のデザインした下着って、どれかな?」


「右奥の棚一列全部だよ。」


…………………………シンプルなデザインだね?

彼好み?なのかな?


「売れ筋はどれかな?」


「メイン商品の半値以下だから、満遍なく売れてるわね。うちのブランドは私が言うのもなんだけど、高いからね。」


………………………………………確かに高いし。


「このオリジナルブランド商品を一つずつ貰うわね。今日の支払いは彼持ちだしね。」


「あ〜、社長は自分のデザインした下着を誰かに着せてから脱がせるのを妄想してたから、喜ぶわよ。」


「………………………………………そんな事を公言してたのかな?」


「うん!」




※※※※※※※※※※※※※※※




「お待たせ〜!」


待ちくたびれたのか、呆けていた綾本君。


「………………………………………長かったね?」


「女の子のお買い物は長いのよ?」


下着が入った紙袋を見せながら。


「そうだね。あと、小物買ったら帰ろうか。」


「明日でもいいわよ?一昨日色々買ってもらってあるし?」


「わかった。じゃぁ、行こうか。」


洋服の紙袋を持ってもらい、手を繋ぎながら駐車場へ向かいます。


「もう5時か。晩御飯は帰ってからお任せでいいかな?」


「いいけど、どういう意味かな?」


「住み込みの家政婦さんがいるんだ。」


「…………………………住み込み?」


「そう。マンションの部屋は隣だけどね。」


車の中で、帰るコールを。


「あっもしもし、僕だけど、今日から朝夜とも二人分御飯用意してくれるかな?藤城さんと一緒に住むことになったから…………………………」


「………………………………………私の名前を出すってことは、もしかして私も知ってる人かな?」


「そう、当たり!」


…………………………誰だろうか?

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