第30話 調査結果 ③
自宅最寄りのインターを降りてしばらく走らせ、巨大ショッピングモールのパーキングに車を入れる。
「今週いっぱい不自由しないくらい買い物するからね。」
女性向けフロアーを歩きながら伝えると、
「ありがとう!でも、本当にいいの?」
「遠慮は要らないから、素早く選んでね。足りないものが一杯あると思うから、時間優先で。」
今日は僕の選択ではなく、藤城さんが選んでカゴにどんどん入れていく。
下着も同じカゴに入れようとしたので、
「待って、下着は専門店で買おうよ!」
「……………それを私が叫ぶんならわかるけど?」
「良いじゃぁない?それぐらい僕の好みでも。」
「……………まあ、嫌なわけじゃぁ無いから選ばせてあげるわ。」
コッソリとガッツポーズしていたら、呆れられてしまった。
「そうと決まったら、早く行こう!一人じゃランジェリーショップになんか入れないからさ!」
会計を済ませ、大きな紙袋を二つ手に下げて専門店街へ向けてルンルン気分で歩いていると、
「はぁ…………………」
「ん?どうしたの?」
「……………何でもないわ。」
「言いたいことがあったら、遠慮しないでね?」
「遠慮じゃなくて、呆れてるの!」
※※※※※※※※※※※※※※※
ホントに、シッカリしてると思ったら変なところでおかしな行動をするのね?
よく今まで変態として捕まらなかったわね。
でも、下着にこだわったり好みの姿の女性を見つめるくらいだからまだ良いか。
さあ、これからどうなるのかまだわからないけど、このまま甘えてみよう。
私の事を調査すると言っていたけど、家出同然で出て来た事も知られてしまうだろうからそれを見てどう思うかだね。
だって、五十路のオジサンに嫁がされそうになったら逃げ出して当然だよね!
母と兄には悪かったとは思わない事もないけど、庇ってくれなかったから同罪だよね。
今夜にでも、正直に全部話そうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます