第48話 やめてって、言ったよね

「坊っちゃん、先に食事にしましょう。」


「………………………………………『坊っちゃん』は、やめてって、言ったよね!」


やっと、出られた、取調室。

粕谷さんが、能天気に、提案してくる。


「私達にとっては、いくつになっても坊っちゃんは坊っちゃんですから。」


ん〜、理由になって、無いんだけどな。


「坊っちゃん、焼肉屋に個室を予約取れましたから、それでいいですよね?」


「………………………………………咲良まで!酷いっ!!」


「ほらほらっ、友子が首を長くして待ってるんだからね。いじけてないで早く行きましょう。」


「そうですよ、報告したいこともありますので、早く行きましょう。」


「粕谷さん、何の報告ですか?」


「ここでは話せません。車の中でお話します。」


………………………………………なんか、いろいろ、怖いんだけど。


その車の中での、お話なんだけど、やっぱり怖いお話だった。


「まず、当主様からの依頼で調べた結果からですが。」


粕谷さんの運転で、走り始めてから話し出して。


「………………………………………なんで、そこで、父さんが出てくるのかなぁ?」


「もう少し、立場を考えて自重しろと言付かってます。」


その立場を考えるのが面倒くさいから、粕谷さんや咲良に丸投げしてるんだけどなぁ。


「そのお話、私も聞いていい話ですか?」


友子から、聞かれたけど、この先の話の内容がわからないから、まあ返事のしようが無いし。


「問題ないと、判断します。むしろ、藤城さんも情報共有する必要があるかと。」


粕谷さんから問題無いと断言されたけど、すぐに予約した焼肉屋に着いてしまったので、


「ん〜、みんな、食べてから話を聞こうよ、それでいいよね?」


「ん、そうよね。お昼ご飯食べ損ねてるしね。」


「承知しました。食後にお話しますので。」

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道の駅に同級生が堕ちてたので拾ってみた じん いちろう @shinn9930

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