第38話 ごちそうさま〜っ

夕食も終わり、食器を二人で台所に片付ける。


「洗い物ジャンケンしよっか?」


「ん〜、咲良の仕事が無くなるから軽く濯いでシンクに置いといてくれるかな。

お茶淹れるけど、日本茶で良いよね?」


一緒に台所に入り、急須に茶葉を入れ湯を注ぎ、軽く蒸らしてから湯呑みに注ぎお盆に乗せてテーブルに戻る。


「わかった。盛本さんのお仕事ってどこまでなのかな?あっお茶が美味しい!」


お茶を啜りながら、


「炊事掃除洗濯から『身の回りの世話』まで全部だね。学業に支障が無いように配慮はしてるけどね。

高校時代は常に僕に付き添って『女避け』の役割をしてもらってたから、それは明日から藤城さんにしてもらおうかな?」


「盛本さんが言っていた『夜のお勤め』は?」


「明日、朝食終わってから『3人で』話し合おうかと思ってる。」


「私もいれて3人?」


「勿論、藤城さんも『当事者』だからね?」


「…………盛本さんは、それで良いのかな?」


「…………そういう『契約』だからね。」


「彼女、明らかに貴方に『好意』を持ってるわよね?」


「うん、知ってる。勿論、好意を持ってるのは僕もだけどね。幼馴染だし。

お互いそうじゃないと彼女も『あてがい女』なんかやってられないだろうしね。」


「具体的に、どういう『契約』なのかな?」


「さっきも話したけど、本妻が決まるまでの身代わりをしてもらうのと、跡継ぎが産まれた後に僕の子を産んでもらう事だね。

子供が欲しいという条件は彼女からの要望だからね?」


「…………本気で貴方の事が好きなんだね。」


急須を手に取り湯呑みにお茶を注ぎながら、


「そうだね。他にも契約条件は有るけど、守秘義務も有るから全部は話せないんだよね。」


「それだけ聞ければ、当面は良いかな?」


「それじゃぁ、今日からよろしくお願いします。」


「こちらこそ、末永くよろしくお願いしますね?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る