第6話「校長先生の話」

…わいわいがやがや…


今日も一日始まる。私はゆっくりと学校へ向かっていた。朝には強いタイプなので決して寝ぼけもせずに行く


そういえばこの白坂街ってずいぶんと大きい街だったなあとは思っている。私を刺激してくれるオカルトはあるかしら?


門をくぐって、玄関で下駄箱で靴を履き替える。まだ高校生になったばかりなのにオカルト部に入れたことはとても良い気持ちね


…先輩の姿がないな。だがここはまあまあクラスの多い高校なので友達と先輩以外は全然知らない人たちだらけだ


雅先輩と桃子先輩はどこにいるのだろう?そう思って玄関を抜けようとする


階段を上り2階へ。私が所属する教室へと足を運ぶと私の教室前に人物がいた。それは間違いなく先輩だった


「先輩たち!」


そう言うと先輩2人と先生っぽい人がいた。雅先輩から先に言った


「おはよう愛子ちゃん」


「おはようございます。愛子ちゃん」


真面目な顔つきで言う。何かあったのだろうか?


「やあ、君が愛子だね?僕はオカルト部顧問の佐々木だ。社会科の先生をしている」


「はじめまして佐々木先生」


はじめましてなんて言うが、この高校、それぞれの科目に先生が2~3人いる場合がある


佐々木先生とは初めて会う。なにせうちら1年の担当では無いからだ。別の人が学年の担当になっている


「ところでどうしましたか?」


「…とりあえず、校長先生の部屋まで行こうか」


え?校長先生に会う?私たち早速何かやらかした?雅先輩も桃子先輩もやらかすことはしないとは思うが


私たちと先生は校長先生の部屋まで行くことになった



…ここは校長先生の部屋。大きい部屋で机もでかいわ色々な資料が棚に置かれている


私たちと先生は校長先生の机の前にいた。何か言われるのだろうか?


校長先生は女性だ。入学したとき女性だったことは大いに驚いたことがあった


しかし今の時代は校長先生が女性でも全然変わったことではない。白髪があり、メガネをかけていた


私たちを現れると校長先生はじっくりと私たちを見ていた。何かしただろうか?


校長先生から口が開いた


「…あなたたち。どうやら幽霊を成仏させたり、銅像にいた幽霊の犬を成仏させたのですね」


口調は丁寧だがどこか威圧感のある言い方だった。もしかしてそれを嫌味に思ったのか?


誰が言えばいいだろうか?私が率先して言った


「はい。私は霊感が強くて幽霊が見れます。トイレにいた幽霊も、犬も、決して危険な目に合わすことはありませんでした」


私は言った。すると真面目な顔をした校長先生は、にこやかな顔をする


「ありがとう。あなたたちはとても優秀です。噂はあったのですが、しっかりと成仏させた。それは嬉しい限りです」


そう言うと続け様にまた言う


「…ですが、ここの生徒を全員守るというのがこの高校の掟。あなたたちを危険な目になるのは私たち教員はよくありません」


校長先生は真面目な口調で言う。でも刺戟的な人生を送りたいから多少危険でも行きたいのよね


「愛子ちゃん、雅ちゃん、桃子ちゃん。これは私たちのお願いです。オカルト部はいいですが、今後危険な場所に行かないように」


もう私たちの名前が知られている。確認したのだろうか?それとも全生徒の名前を知ってるのだろうか?


「わかりました。校長先生」


雅先輩が代表して言った。雅先輩がお辞儀すると私と桃子先輩もお辞儀した。先生もお辞儀していた


「ふふふ。それだけです。では、今日も授業頑張ってください」


「はい。校長先生」


私たちは校長先生の部屋を後にした。ばたん…。ドアの音をしながら出ていった


視線を感じながら、私たちは外に出た



…放課後になった


なんだかあっという間に授業が流れていった。刺激の無い授業はあまり感じないのよねえ


さて、雅先輩が待ってるだろう。私は向かおうとした


「ねえねえ愛子ちゃん!」


おや、私のお友達が近寄った。彼女の名前は百瀬美香。私の友達だ


「愛子ちゃん!これからオカルト部に行くの?」


「うん。そうだよ」


笑顔で言う。美香ちゃんはそういえばバスケ部だった。身長が高く、運動神経バツグンで、何より優しい


でも勉強はあまりできてないのが悩みだーとは言ってる。まあ仕方ないわね


「面白そうだね!愛子ちゃん、霊感が強いっていうからきっとオカルト部もぴったりなんだよ!」


元気が一番だろうね。こういう子がオカルト部に入ったらどうなるのだろうか?


「ありがとう。嬉しいわ。美香ちゃんもバスケ部、頑張ってね」


「わかった!じゃあね!」


そう言うと美香ちゃんは教室を出ていった


うーん。私ももうちょっと美香ちゃんみたく明るく元気に振る舞おうと思うなあ。刺激あっていいでしょ


既に人が少なくなった教室を後にして私はオカルト部へと向かった


3階を上がり、部屋へ。この階も3年生以外はあまり使われない。当然部屋に鍵がかけてある


これも変なことで使われないように鍵をしているのだ。当たり前のこと


オカルト部の部屋に着いた。早速開ける。がらっ


そこには既に雅先輩と桃子先輩がいた。入ってきた私を見かけると笑顔で対応する2人


「愛子ちゃん!」


「雅先輩、桃子先輩、お疲れ様です」


「さあ、座ってください」


桃子先輩に言われたとおり私は用意されてある椅子に座る。やっぱり学校の椅子ってどこか落ち着くのよね…


「先輩。今日は一体何を?」


雅先輩に向けて言う。すると雅先輩は紙を持って大きく広げた。ばさあ…


「ここ、白坂街の地図よ」


この白坂街というのは大きい街だ。ところどころで赤い丸がある。これは?


「…これは、オカルトのある場所を記した地図なのよ」



オカルトのある場所?


私は大いに目を輝かしていた



続く





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