第18話「Vチューバーの子」

…ワイワイ。ガヤガヤ


今、私は昼食を食べていた。私、美香ちゃん、花乃ちゃん、そして美憂ちゃん。美憂ちゃんは途中で来てくれたのだ


美香ちゃんは割と小さいが美憂ちゃんはマジででかい人である。こんな人がバレーをやってるのも当たり前だろう


美憂ちゃんに会ったときに前に血塗れの部屋を話した。そしたら美憂ちゃんはびっくりして褒めてくれた


「いや~。愛子すげえや。あんたやっぱり除霊師になったほうがいいんじゃねーの?」


「いやいや、先輩にもらった御札があったから大丈夫だったのよ」


美憂ちゃんの大きさと弁当のでかさはすごい。だから身長が大きいのだろう。多分ね


「うふふ…。でも何か霊的なものがあったら愛子さんに言うのは間違いないでしょう」


花乃ちゃんは食後のお茶をゆっくりと飲みつつ私を褒めていた


「いや~。先輩とは違うから除霊師にはなれないよ」


「でもそれがもしかしたら性に合うことになってその道を歩くかもしれないよ?」


…性に合う。その道を歩む…。可能性はあるのだろうか?


「また今度アタシから情報入ったら知らせるよ。ネットとか。霊とか」


美憂ちゃんは言うとお茶をぐいっと飲んだ。その飲みっぷり、なんか酒飲んでるみたいだ


「ねえねえ貴女愛子ちゃん?」


ん?誰でもない誰かが私を呼んでいる。私含め4人はその方向に向く


水色の髪色をして、優しそうな顔をして、私と同じ身長であろう女の子がこちらに来た


「おや?あんた立花渚じゃん」


「そうだよ。貴女は美憂ちゃんだよね?」


そう言って彼女は私に向く


「渚ちゃん、私に何かようなの?」


そう言うと答える


「実はね、私Vチューバーやってて…色々と登録者多くなってようやくサブスクが貰えるような登録者数になったの」


渚ちゃんはニコニコしながら私達に言う


「あ、あの…サブスクって…」


花乃ちゃんが言うと美香ちゃんが言う


「ようするにお金が貰えるってやつだよ。いいねえ私もそうしてみたいよ」


ああサブスクか。そこまでの登録者数なんてすごいなあ。きっと人気のあるVチューバーになってるのだろう


「…もしかしてチャンネル登録よろしくお願いしますって言うためにこちらに来たのかい?」


「ち、違うよ。もうここまでの登録者数だからそんな乞食にはならないよ。ただね…」


「ただ?」


私が言うと彼女は私に向けて言う


「ちょっとね。最近変なことがあって…コメント欄を見ると変な漢字を使ったコメントがあって…気味悪いなのよ」


変な漢字?なんだろ中国語だろうか


「ふうん。で、オカルト部である私に訪ねてきたってことね?」


「そうなんだよ」


「それは…どうするるつもりですの?」


花乃ちゃんが言うと私は仕方ないと思い、言う


「うんわかった。この件は一応上の先輩、妙子先輩に伝えておくね」


「ありがとう!でもいつ来るかわからないから、今日はその話をするだけにするね」


「おうよ。Vチューバー、頑張れよ」


「うん!じゃあね」


そう言うと渚ちゃんは去っていった


「…なんだろ?変な漢字って」


「私は今のところイマイチわからないわね」


そんな彼女の言葉に考えることとなった



翌日


授業が終わり、オカルト部へ。もちろんみんないる。雅先輩、桃子先輩、そして妙子先輩と


この4人で色々な経験をした。前に会ったネットのことも伝えた。そしたら妙子先輩が褒めてくれた


私はこの妙子先輩に褒めてくれるのがとても嬉しい気持ちになっていた。むしろ、部長に褒めてくれるのだから


…でも、不思議だ。雅先輩でも桃子先輩でもなく、妙子先輩に言われるほうが、私は本当に安らかで幸せな気分になるのだから


この気持ちはなんだろう?私に何か動いているのか?妙子先輩のこと…私のこと…どう思っているんだろ…?


「…愛子ちゃん」


おっと!すっかり思考してしまった。私は改めて先輩達の顔を見て言う


「はい!」


「実はさ、前に言った家に殺人事件があったって話、あったじゃない?」


ああ。前に妙子先輩がいないときにほぼ最初に話されたやつか


「ここ…どうも柵があって入れないことになったのよ。入れないなら仕方ないわ。ここはボツということでバッテンしたの」


そうだったのか。せっかく行く候補だったのに、残念だ


「でもここにはまだあります。道のこと、森のこと、ありますから。後、隣街の場所にもオカルトがあるって話ですよ」


隣街にもあるかあ。それは楽しみだな


「…愛子。大丈夫よ。ウチが付いている。貴女のことはウチが守る。そして霊感を強めておけばいいわ」


頼れる先輩からの嬉しい言葉。この言葉を聞くだけで私は無条件で笑顔になる


…コンコン


おや?扉にノックオンがした。誰だろう?ガララっと開けて人が来た


その人は昨日会ったばかりの人だった。渚ちゃんだった。私の顔を見ると泣きそうな顔をして来た


「渚ちゃん?」


「…助けて!愛子ちゃん!」


助けて?ですって?何かあったのだろうか?


私達は渚ちゃんの話を聞くことになった。渚ちゃんは余った椅子に座り、言う


「…私ね。Vチューバーの配信してたの。たまには雑談配信も悪くないなって思って凸待ちしようとしたの」


渚ちゃんが言うと妙子先輩は言う


「…何よ凸待ちって」


「ようするに電話会話ってことでしょ」


先に雅先輩が答えてくれた


「そうです。そして雑談をしようとかかって来たアドレスから会話しようとしたんです。そしたら最初全く声が聞こえなくて…。

故障したのかな?って思ったら…まるで呪術のような言葉が聞こえてきて…ずっと聞いてたら頭がおかしくなったんです」


…なんだそれは?呪術のような言葉…もしかしたら昨日言ってた漢字のみのコメントと関係あるのか?


「…なるほどね。呪術の言葉。それは霊的なものも関係するかもしれないわ」


そう言うと妙子先輩は渚ちゃんの顔を見る


「…質問があるわ。その呪術、アカウント名は見た?」


「はい。なんか適当な名前でした。文字がごちゃごちゃで…」


「男?女?」


「男の声でした…」


「その声を聞いて何かあった?」


「はい、それを聞いたらおかしくなって、一日頭が痛くなってそのままベッドに寝込んで…今日も行けそうかわかりませんでした…」


ここまで言うと渚ちゃんはため息を吐く。相当つらい経験だったのね


一方妙子先輩はうーんと考えていた。次の言葉を待って、私達は黙っていた


そしてちょっと経つと妙子先輩は口を開いた


「…呪術で対抗できるのは呪術しかないわ。ウチも一応そういうのはできる。…これはママから教わったけどね」


呪術に対抗するの呪術…まるで相対するかのような言葉だ。そんな妙子先輩が頼りになる


「じゃあ、どうします?」


桃子先輩が言うとすぐに妙子先輩は答える


「とりあえず…いつ来るかわからないけど、渚ちゃんのところに行って呪術を唱えてきたタイミングでウチに変わる。

…そしてこちらも呪術を言う。そうすれば二度とかかってこないわ。…ウチの呪術のほうが強いからね」


「…わかりました。では、よろしくお願いします」


渚ちゃんは軽い笑顔だったが、やはりどうなるか心配なのだろう


「大丈夫よ…。この呪術は人にはやってはいけないってママに言われたけど、使うなら今しかないと思うの」


そう言うと妙子先輩は立ち上がる


「今日はウチと愛子で渚ちゃんの場所に行くわ…。すまないけど今日は終わりにしましょう…」


「ええ。いいわよ」


「頑張ってくださいね。妙子さん」


私も同伴か。でも同学年の人がいれば恐らく安心すると思うわ



呪術を唱える者…


きっと危ない者だと思うわね…



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