第17話「血塗れの部屋」

…キーンコーンカーンコーン


ふう。今日も授業頑張ったな。私はそんな思いをしながらカバンに教科書を入れる


さあ今日もバリバリ部活動をしよう。そう思って立ち上がり、行こうとした。そして、気付いた


「…あ。今日はないんだった…」


そう。部活動の定休日。さすがに毎日やってるわけではない。それだと毎日になって変な感じになる


だから今日はない。なーんだ。さっさと帰ってホラーでも見ようっと。そう思ったら誰か一人、こちらに来たのが確認できた


女の子でありながら、背が高く、褐色で、ギャルのような姿と髪色をした、可愛らしい女の子が


「やっほ!愛子!」


「白崎美憂(しらさきみゆう)ちゃん」


彼女はギャル。と言っていい。ギャルだからと言ってそんな悪くなく、むしろ陽キャラでとても良い女の子だ


背が高いため部活動はバレーをやっている。これからバレー部に行くのだろう。しかし私に近寄ってきた


「愛子。今日もオカルト部?」


「ううん。今日はないからこれから帰ろうとしたんだよ」


そんな彼女は明るいキャラで笑顔を絶やさない


「愛子のオカルト部っていうの、とてもおもしろいと思うなあ!だって霊感あるんでしょ?」


「ええそうよ」


バレーをするための荷物を上げて更に言う


「そうだ!愛子に聞きたいことあってさ」


「何かあるの?」


私が言うとちょっと真面目な顔で言い始める


「実はさ…友人が体験したんだけど、パソコンかスマホでね、『血塗れの部屋』って検索すると変なサイトに飛ばされてね。

そのサイトを見るとモニターから黒い手が出てきて襲ってくるんだよ。友人は電源を落としたから助かったけど、なんか現実味ないなあって」


血塗れの…部屋?黒い手?襲ってくる?


なんかそんなFLASH動画があったような気がするが、それに近い感じなのだろうか?


「何かわかるかな?愛子?」


「うーん…それは検索してみないとわからないよ」


「今やってみたら?」


うーん。でも美憂ちゃんの言ってることだし試しに検索してみるか


「えーと。『血塗れの部屋』…と。うん?何も出てこないよ」


「あれ?じゃあパソコンでやったほうが良かったんだね」


なんだろ?後でパソコンで調べてみるか


「とりあえずその話は家に帰ってからやってみるよ」


「わかった!じゃあアタシはこれから部活行くね~じゃあね~」


私より背の高い美憂ちゃんは去って行く。教室にも人がいないときだった


「…私も帰ろうっと」


血塗れの部屋。一体どういうものだろうか?



下駄箱で上履きを履き替えて下校する。そういえば今日の昼休み、妙子先輩から色々と渡されたんだ


本当に私のことを気に入ってくれてる、大切な先輩から…


「これは?」


昼休みの教室で、妙子先輩に会って札を渡された


「…これはね。何かあったときの札。大きいでしょ?」


確かに大きい…まるで人間の頭を覆いかぶさるような大きさね


「嬉しいです。大切に使いますね。でも、大きいですね?」


「…ええ。小さい札は気休め程度しか効果ないけど、大きいほうが一番効きやすいの。だから貴女にあげるのよ」


妙子先輩は笑顔で言う。この人の笑顔はとても可愛いし美しい。私は嬉しそうに言う


「ありがとうございます先輩!先輩がいてくれて、オカルト部も楽しいです!」


「…ふふふ。貴女はウチのお気に入り。いざとなったら使ってね。じゃあ…」


そう言って彼女は後ろを向き去っていく


渡された御札は3枚。これだけあれば十分に何かあってもいいだろう。しかし大きいわね


そういえば妙子先輩…私から離れるときに何か小言で言ってたような…気のせいかな?


…昼休みのことがあって私は札を大切にカバンにしまう


まだ日があるうちに帰ろうとした。雅先輩、桃子先輩、妙子先輩、それぞれいなかった



「ただいまー」


私は家の玄関の扉を開けて入る。すると来てくれたのは私の頼れるお兄ちゃん、聡であった


「おう愛子、おかえり」


「ただいまお兄ちゃん。あのね、最近オカルト部でお兄ちゃんが言ってた妙子先輩と仲良くなれているのよ」


私が言うと聡お兄ちゃんは笑顔で言う


「おうそうか。前に言ったとおりとても霊感があり除霊ができるのはかなり貴重だ。じっくりと仲良くなれ」


「うん!」


私は自室へと向かった


(除霊師の子と仲良くなれた…か。愛子、なかなか良い人材に気に入ってくれたんだな…)



私はのんびりとゲームしてたり親の帰りを待っていた


親も共働き。私が小さいころはそうでは無かったが、最近始めたそうだ。私はもう高校生だからね


…おっと。美憂ちゃんの言ってたことを確認しないと。スマホでは検索候補に無かったがパソコンならできるかも


早速パソコンの前まで来て確認をする…が、ここで感なのか知らないがカバンから大きい札を用意した


これで万が一なことがあっても除霊?できるはずだ。私は右手でマウスを持ち、左手で札を握りしめる


まず検索だ。『血塗れの部屋』と…


するとすぐに検索の上にあった。ホームページだろうか?そこをクリックする


すると本当に血まみれだろう。血の表現ばかりあったページがわかる。そこには特別びっくり系でも無さそうだ


びっくり系でなかったのは安心できたが、これで何かが出てくるのだろうか?


時刻は夕方。これは夜にやるべきかとは思った。なんだ。全然大したことないじゃない


しかし、変な挙動はあった。しばらく見てると文字とともに突然ポップアップ広告が出てきたことを


何その古典的なもの!?ポップアップ広告なんてもうすでに存在してないネットの古いものなのに!?


それにびっくりしたのか私はその広告を消した。しかし、消してもすぐに広告が出てくる


「ちょ…何これ」


広告のバツ印を押してないのに広告が次々と流れてくる。これは一体なんだ!?


広告が埋まると突然画面が暗転。そして次に警告音とともにこんな文字が流れた


『今すぐ呪われろ』


その文字で画面が埋まった。私はそれにびっくりした


そして、画面内から突如手が伸び出てきた。これは…!私は画面から一歩遠ぜけていた。そして左手で持っていた御札を投げつけた!


「ぎ…ぎぎぎぎ…!!」


その手は苦しみながら画面に戻り、やがて文字と手が消えた。そしていつの間にかブラウザが消えてデスクトップ画面へと戻った


勝ったのか?私はもう一度ブラウザを開いてもう一度『血塗れの部屋』を検索してみた。もちろん貼った御札は回収する


すると検索しても全く現れてこなかった。全然違うサイトしか出てこない様子だった


「…いったい…なんだったのかしら…」


あまりにも一瞬の出来事すぎて私もイマイチよくわかってなかった。しかし、もう怪異が無くなったことはいいこと…なのかもしれない


「これは…妙子先輩に言ったらいいのかな…」


妙子先輩からもらった御札。こんなときに活躍するなんて。改めて妙子先輩に感謝しないといけない


私は前に電話番号を教えてもらった妙子先輩のスマホに連絡しようとした。ワンプッシュですぐに出てきてくれた


「あ、もしもし妙子先輩!私です。実は…さっきこんなことがあって…」



ネットの怪異


ほんとにあるのね…


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