第13話「呪いの切り株」
…私達4人は放課後の帰り道、仲良く歩いていた
ここは白坂町の駅前。私はここを使い通学している。とは言ってもみんなそうなんだけどね
駅前にあるクレープ屋。ここはとても美味しいと評判のクレープ屋でありそこに行く
甘いものが苦手な妙子先輩はちょっと浮かない顔してるけど、雅先輩に引っ張ってもらってここまで来ている
「何頼みます?」
「私は苺ショートクレープ!」
雅先輩は大きな声で言う。そんなに好きなのか
「わたくしはチョコホイップクリームですわ」
桃子先輩も結構嬉しそうな顔しながら言う
「…妙子先輩は?」
「…ウチ?ウチは甘くないもの頼むわ」
本当に苦手っぽいなこれ
というわけで駅前にあるクレープ屋に着いた。学園からそう遠くない
クレープ屋の店員さんがこちらがわかったら笑顔で接待してくれた
「いらっしゃいませ」
早速雅先輩は言う
「すいません苺ショートクレープください!」
「わたくしはチョコホイップクリームで」
「あ、私も言わないと。バナナチョコクレープを!」
「…ウチはクレープ生地のみのクレープを」
…本当に苦手なのだろう。なんだろうそのクレープ生地のみって。生八ツ橋だろうか
そんな早速4人で頼んだらその店員さんは手慣れた手つきで次々とクレープを作る
「はい。できました」
店員さんは一人ひとりに出来上がったクレープを渡した
お金を払い、そして私達はゆっくり別の場所を歩いていた。雅先輩は早速クレープを食べた
「んん~!クレープってやっぱり美味しい!」
「わたくしもこういうのを食べると生きてる感じします」
雅先輩も桃子先輩もこういうクレープはきっと大好きなのだろう
「…ウチはこんなもんでいいのよ」
「そうですか?もっと美味しいもの食べたらいいんじゃないですか?」
「…いいのよ。甘いのは嫌いだから」
うーん。女の子なのに女の子っぽくない。そこもまた除霊師の娘。だからだろうか
私達はのんびりと歩道を歩いていた。駅前の歩道は長く、石畳で作られていた
一本、まっすぐにある歩道であり、ここなら迷子になんてならない場所だ
ふと、目線をまっすぐにするとなにかあった。切り株だった
その切り株はすでに伐採されていたのか根本のみ残されていて枯れているのは当然であった
不思議だった。その切り株はまるで避けるかのように道が反っていた。歩道も、車道も
私が発見したら3人ともその切り株で止まった。なにかあるのだろうか?
「…変な、切り株、ありますね」
私が一言言う
「なんなのかしらねこれ」
雅先輩は早速切り株へと向かう
「…待って!その切り株は触れないほうがいいわ!」
雅先輩はその言葉で止まる。妙子先輩がそんな大声出して言うなら一体なんだろうか?
「え?どうしたの妙子?」
雅先輩が言うと妙子先輩は数歩歩いて切り株の前まで来た
妙子先輩はあたりを見渡して私に向いた
「…これ、呪いの切り株ね」
「呪いの切り株?」
「…よく見なさい愛子。変とは思わない?道が切り株を避けてあることを。そしてこの切り株はやけに変色してることを」
確かにそうだ。この切り株はどこか変だ
「でも…何かあるのでしょうか?不思議な切り株ですね?」
桃子先輩はのんびりとした口調で言う
「何かあるに違いないわ」
妙子先輩はいつも以上に真面目な顔で切り株に睨みつけることをした
「…おや?君達ここで何をしてるんだい?」
別の声がした。4人はその声に振り向く。自転車に乗り、警察官の格好をした男性だった。背が高く、顔も若い人だった
「おまわりさん?」
「そうだよ。その切り株、触ってないよね?」
警察官…おまわりさんに言われると私含め4人は首を振る
「良かった。それは触らないほうがいい。後日この切り株は柵をして触れないようにするからね」
「…何か、あったのですか?」
妙子先輩が言うとおまわりさんは言う
「…実は、その切り株は当然樹木だったんだけど本当なら伐採して切り株も残さないようにして、道を作る予定だったんだ」
そう言うとおまわりさんは上を見上げた
「ある日ね。その樹木を伐採した造園業者がいたんだけど…その会社、突然倒産してしまったんだ。その樹木の呪いかもしれない」
「倒産…!」
私が言うとおまわりさんは再び私達のほうに向く
「僕もそんなの嘘だろと思って切り株をペタペタと触ったさ。こんなもので呪いなんて!って調子に乗ってね」
おまわりさんは次に真面目な顔をした
「そしたら翌日。高熱を出してしまった。季節風邪とは言われたけど、もしかしてあの切り株が原因なんじゃ…!と思った」
この切り株…!相当な切り株なんだな…!とは私は聞いてみて思った
「切り株を触って悪いことが多かったから、もう柵をして触らないようにしようって決めたのさ」
おまわりさんはちらっと切り株のほうに向いて、私達のほうに向く
「だから道を反っていたんですね」
「そうさ」
おまわりさんの言ってることは全部本当だろう。私達はそれを聞いて再び切り株を見た
「気を付けてくれよ。呪いのものなんて触るだけで呪われてしまうんだ。触らないでね。僕からのお願いだ」
「わかりました。気をつけます」
私が言うと、おまわりさんは笑顔になった
「よし。それでいい。じゃあね」
おまわりさんは私達を過ぎ去って自転車で走っていった
おまわりさんの話を聞いて私達はもう一度切り株を見た。それはとても大きくて、禍々しいものを
「…そんなものが、こんなところにあるんですね」
「…ねえ雅。ここも心霊スポットとして愛子に教えなかったの?」
妙子先輩は言うと雅先輩は言う
「いや、ここは心霊スポットかなあとは思わなかったのよ。別に幽霊出てこないし」
「…だめよ。れっきとした呪物よ。紹介するときはちゃんと言って」
部長である妙子先輩に注意された雅先輩
「わかった。なら心霊スポットをもう一度見直すことにしましょう」
いつの間にかクレープを食べ終えていた私含め4人
今日はこの町の不思議なスポットが紹介されただけでも十分に満足だろう。呪物とは言ってたけど
明日はどのようなことになるんだろ
ワクワクが止まらないわね
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