第11話「板垣妙子」

…ふー。今日も一日終わったなあ


私は家でのんびりしていた。夕飯も終わり、この時間からフリータイムだ


風呂にも入り、ようやく自由な時間ができた。高校生って夜ぐらいしか自由時間がないと思うしな~


うちの高校はあまり勉学についてきついところではないため、根詰まりしながら勉強する必要はない


そんなわけでゲームをしている。このゲームは幽霊を除霊するゲームで真正面じゃなきゃ除霊できないため結構怖い


最近のホラーゲームというのはリアルである。幽霊がなかなかリアルであり、これは嫌いな人ならすぐに投げ出しそうなゲームだ


私は怖くなく、容赦ないまま幽霊を除霊させていく。だってそうでもしないと先進めないもん


コンコン…


誰かのノックオンがした。誰だろ?親かな?


「俺だ。愛子」


お兄ちゃんだった。私の頼れる兄貴だった。私は一時中断をして扉を開ける。普段着を着た、兄であった


「お兄ちゃん!」


「よお愛子。今日はなにかしたか?」


なにかしたか?という意味はきっと部活のことだろう


「うん。散歩道に幽霊がいたよ」


「ほおそうか。何かしたか?」


そう言うと私はすぐに答える


「何も無かったわ。しかもうちの部活、部長が入院してて副部長が今の部長になっているのよ」


「ほー…。その部長は体が弱いのかな。それとも精神のほうかな」


…そういえばどっちかは言ってなかったな。わからないからいいや


「うーん。わからないわ。その人ね、板垣妙子って言ってその人が部長らしいの」


私が言うと兄、聡は目を細めた


「板垣…?あの板垣のことか?」


「? お兄ちゃんなにか知ってるの?」


私が言ったら兄は説明した


「板垣と言ったら除霊師で有名な板垣家だ。先祖代々除霊師として存在して、板垣辰子という女性除霊師はとても強い霊感の持ち主だ。

おまけにあまりリアルな話をしない除霊のみの除霊師だからな。まさか結婚してたとは。名前からして女の子だろう。娘がいたとはな…」


そう説明してお兄ちゃんは腕を組む。そんな有名な人だったとは


「そうなんだ。いつ会えるかわからないけど、ちょっと言ってみるよ」


「ああ。多分間違いなく板垣家だ。除霊師の娘なのだからきっと何かあるだろう」


私はお兄ちゃんの言ってることを信じていた。オカルト系ならなんでも知ってるお兄ちゃんなのだから


「とにかく…何かあったらその除霊師の娘に聞いてみるといいだろう」


「わかった。そうするよ」


腕を組むポーズを止めて、普通の格好にしたお兄ちゃん


「そろそろ寝るな。おやすみ」


「うん。おやすみ」


そう言ってドアを閉めた


板垣家…妙子…先輩になるのか?そんなことを聞かれて内心驚きを隠せない


私はすっかり考えていてやってたゲームをすっぽかしにしてしまった



キーンコーンカーンコーン


チャイムがなった。今日も勉強したなあ。さあオカルト部に行かないと


荷物をかばんに入れてワクワクした気持ちで私は行こうとした。今日は誰も来ないな?


美香ちゃんや花乃ちゃんはすでにいない。それならすぐに行くのがいいだろう


教室を出てオカルト部のある場所へ。飛び立つようにかけていった。…おっと、廊下は走ってはいけないね


早歩きしながら私はオカルト部の部室へと向かった。そして着く。がら!っと開けた


そこにはすでに雅先輩と桃子先輩がいた…おや?この人は誰だろう?


肌が白く、制服を着ていて、ロングの黒髪がなんとも美しい。きれいな髪してるな~とは思った


「やあ愛子ちゃん」


「愛子さんお疲れ様です」


「先輩お疲れ様です。その人は?」


そう言うとその人は自らの口で話した


「…貴女、新しい人ね?…ウチは板垣妙子…。このオカルト部の部長よ…」


…!まさか部長が来るなんて!入院してたとは言うが、もしかして退院したのか!


「板垣先輩!?退院したのですか!?」


「ええ…つい今日ね…ようやく病院から退院できて嬉しい限りよ…ウチ…ちょっと病弱だからね…」


板垣先輩は笑顔で答える。病弱なのか…てっきり精神かと思ったが違うのか


「さあさあ座って愛子ちゃん」


雅先輩の言う通りに私は座る。対面に雅先輩と桃子先輩。その横に板垣先輩がいた


「これでようやく揃ったって感じね。妙子、大変だったでしょ?」


「ううん…。病院はとても良かったけど…やっぱりこうやって学校へ行けることは嬉しい限りなの…」


そうだろう。学校へ行けるのが一番だろう


「板垣先輩、確かあの除霊師の家系だって聞きますけど…」


私は早速板垣先輩に質問をする


「ええそうよ…ウチも一応…除霊師の血筋を持つから…除霊ができるの…。そのことに関しては母に英才教育されたけど…」


「妙子さんの除霊はすごいと言います。即、除霊できるって話ですよ」


私は板垣先輩を見て、桃子先輩を見た


「どういう除霊なんですか?」


「簡単よ…手をかざして念力を送って除霊したり…御札をばしっと貼り付けて除霊したり…お祈りしたり…色々よ」


うーん。除霊とは言うが色々なんだなあ


「…でもね。そんな病弱なウチは病院で除霊をしたことあるの…しかも深夜のときに」


…おっと?なんだか面白そうな話が聞けそうだ


「もし、良かったら教えてくれませんか?」


「ええ。いいわよ…。あれは退院する数日前…」



板垣先輩に教えてもらう


どんな経験なのでしょう?



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