第30話「新垣家と神隠しの神社」
「あの新垣家…今どうしているんだ?」
ウチのパパはそう言った。新垣家。そこはウチの家系と同じ除霊師の一族としている家系
実際板垣家のほぼ同じような昔からある家系で、その除霊というのもなかなか強力であるその新垣家
ウチのママと同じくその除霊師は女性。当然すでに結婚はしている。新垣やよという名前だ。ママと同じ年齢でもある
ママのライバルでおあり、大の親友。決していがみ合う同士でもないし仲良くやっている。ライバルではあるけどね
「ああ、やよ?やよは今でもあちこちの心霊スポットだったり様々な除霊をしているわ。私と一緒」
このやよさんという人は子供が5人いる大家族なんだけど、それでも除霊師を続けているというパワーのある人なの
ウチらの一人っ子でもなく、たまにウチとその家系が遊びにやってくるときもある。楽しいけどね
「やよさん、あの人はとてもパワフルなやり方をするからママとはまた違うんだよなあ」
「彼女は強引さもあるし霊に対して凄い目の数にするような行動するから。私と違うやり方で撮影しても映えるのよ」
ママも用意していたビールを飲んでいた
そうなのよ。やよさん力のあるお母さん除霊師だから霊がいてもお祓い棒で一刀両断する人なのよ
もちろんちゃんとした除霊。御札を貼るとか清めの塩を撒くとかそういうのはするけど…基本的には霊の除霊かしらね
そういう除霊師はなかなかいないからママよりもほんのりと人気のある除霊師なの
「でもね。やよも私の師匠の弟子でもあったからね」
「そうか。じゃあほぼ同期ってことなんだな」
ふうん。それは知らなかったわ
「私の師匠は結構してないし子供いなかったら。それで除霊師っていう血筋は消えてしまった気がするの」
「うーん。そうだったのか」
ママとやよさん。この2人が来なかったらきっと除霊師としての継続はなかったのだろう
「で、やよさん今どこにいるんだ?」
「家にいると思うわ。昨日アプリで話したばかりよ。またちょっと経ったら行くと思うし」
家庭的なやよさん。ウチもその雰囲気はとても優しいお母さんだと思った
「いつか家族一緒でまたパーティーでもしたいな!…ちなみに一番上の子供は今いくつだろう?」
「確かもう中学生3年。受験のシーズンと思うわ」
一番上が受験だったとは。前に会ったときはまだ中学生1年ぐらいだったのに
…ごめん。そろそろウチ、凄い眠たくなってきた。ママとパパの会話を聞いてたいけどちょっと限界きた
「パパ。ママ。ウチそろそろ寝るね」
「ええ。おやすみ」
「しっかり寝ろよ」
そう言われてウチは自室に行き寝ることにする。あの2人話すとずっと話し込んでいるからね…
~
…キーンコーンカーンコーン
ふう、ようやく終わった。授業が終わり、晴れて私はオカルト部へ行けるのだ
そして妙子ちゃんがいる。その時点で嬉しいものなのだ。私のかのぴは凄い可愛いんだから
もちろん雅先輩や桃子先輩もいる。頼れる先輩が3人いるのだから。私はとても順風満帆にこの学校にいる
さあ、早速出発して…
「愛子ちゃん」
話しかけられたのは花乃ちゃんだった。今からきっと部活動に行く格好になっている
「どうしたの花乃ちゃん?」
しかし花乃ちゃんの表情はどこか困った顔をしていた
「あのさ…この学校の近辺に神社があるの、知ってる?」
神社?あの廃神社だろうか?そこはもう行ったし解決してるけど…
「最近潰れた神社じゃないの。もうひとつ神社があって、そこは神隠しにあうっていう神社なの」
神隠し…?名前は聞いたことあるしそんな映画もあったわね。そんなのがあるのか?
「…時間ある?もし良かったら私の部活に来てほしいわ」
「うん。行くよ」
~
私と花乃ちゃんはオカルト部の部室に行き、先輩たちと妙子ちゃんと合流する
席は変わらない。誰かが来た用に机をひとつ用意してその横に雅先輩、桃子先輩。また横に妙子ちゃん。私といる
雅先輩は毎度おなじみ地図を広げた。廃神社ではなく別の神社のことだった
「神隠し。それは一体どういう感じなの?」
そう言われると花乃ちゃんは困ったような顔をして言う
「はい…その神社は一見ただの神社なんですが、本堂が小さいし森でうっそうとしているし、どこかタイムスリップしたような場所なんです」
花乃ちゃんは言う。しかし、情報屋の雅先輩はうーんという顔をした
「おかしいわね…その神社。そんなことがあるなんて知らないわ。えーと…神の上神社?ってとこなのね?」
「はい。そうです。私がそこに行ってお参りをしたら持っていた小銭入れが消えたんです」
消えた…?その謎に4人は驚くことになったわ
「どこ探してもなくて、諦めて翌日再び行ったらあったんです。でも。小銭が少し減っていました」
物の神隠し?初めて聞くその現象。隣の妙子ちゃんは何かを考えていた
「…人がいなくなったというのはないのね?」
「わからないです。たまたま標的が小銭入れなのか、私自身だったのか」
「そういえば神隠しって人が標的にされるケース、多いですよね」
桃子先輩が全体を見渡して言った
「…神なんだかどうだか知らないけど、霊的な可能性も無きにしろあらず。大人数で行ってやれるものならやってしまいましょう」
神か霊に勝負を挑む妙子ちゃん。その姿勢がかっこいいし好きになるのよ
「お願いします先輩たち、愛子ちゃん。気味悪くてどうしようもありません」
…その神隠しをする神社の目的とは?
~
花乃ちゃんと別れ、早速向かう私たち
そこは本当に近い場所にあった。徒歩で歩けてなおかつ場所もわかりやすい。住宅地にポツンとある場所だった
雅先輩がスマホでルート案内してそのとおりに進む。ただそれだけのことであった
私と妙子ちゃんは隣同士なのは当たり前だけど妙子ちゃん、もうすでに水晶玉を用意していた。警戒してるのかしら
「なんで花乃ちゃんは小銭入れのみ神隠しにあったのかしら」
「まさかとは思いますが、霊感のある人でないと神隠しにあわない。とかでしょうか?」
桃子先輩が言う。うーん、そのとおりなのかなあ
「…いや。神隠しにあう人は神隠しにあうわ。大人数で来たらどうでしょう」
そう言って私のほうを見る
「…念の為よ。愛子、御札を持って」
「うん」
~
そして到着
森がうっそうとしていて鳥居もあるし石像の狛犬がいた。ごく普通の神社だ。参道が少し短いか
私含め4人は少し緊張感を持った。もし、私たちが神隠しにあって別の世界に行ってしまったら…という緊張
それは神の仕業なのか?悪霊の仕業なのか?この時点では全くわからなかった
神隠しの神社
一体どういうことが…
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