第36話「人間相手の襲撃」

…タッタッタッ…


とにかく駆け足で。渚ちゃんのことが危ない。もし何かあったらこの学園が脅かす大事件になってしまう


確か渚ちゃんはこの街の出身だった。そして…あれ?美優ちゃんも一緒にいた


「美優ちゃんって一緒だね?」


「何いってんのさ!アタシ部活は行けるかどうかわからないっつってそのままにしてあるから!」


…そういえば、美優ちゃんと渚ちゃんはお友達とは聞いたなあ


「…でも、時間との勝負よ。もし変質者がいたらそのままウチが聖水を投げるから」


「聖水ってなんすか?」


…まあそれは説明しないとだめだろう


「聖水ってね。聖なる水ってやつで基本的には霊に投げるけど何か悪い心を持った人間にも効くのよ!」


私が一応説明した。話も駆け足だが美優ちゃんは納得してくれた


「なるほど!じゃあアタシがそいつをとっ捕まえて聖水ってやつを投げるんすね!」


「そうしてもらえると助かるわ」


雅先輩は美優ちゃんに向けて言う


待ってて渚ちゃん!すぐに行くからね!



しばらく行くとようやく前にストーカーの霊が現れた道路に出た


ここも渚ちゃんの通学路だ。ここらへんにいるはず。そして私たちは見てしまった


渚ちゃんの前に変質者。いわば男がいてそいつの前に渚ちゃんがいたことを


「な、なんですか!やめてください!」


「へへへ…お前調子に乗ってるから俺が来たんだよ。もう何もできなくしてやる」


そんな会話が聞こえた。まずい。非常にまずい


「渚ああああ!!」


美優ちゃんは大声を出して渚ちゃんの前に出る。もちろん私も来た


「な、なんだ!?」


「おめえ!渚に指一本触れてみろ…!ただじゃあおかねえからな!!」


こんな怒っている美優ちゃん見たことない。美優ちゃんが男に威圧をしてるときに渚ちゃんを先輩たちの後ろに誘導させた


「けっ!ふざけやがって!女が俺に勝てるとおもってんのかよ!」


その男はナイフを取り出した。まずい本当に殺害しようとしてるやつだ


「ナイフ程度にビビるアタシじゃねえ!!」


そう言うと先に行動したのは美優ちゃんだった。そのあまりの早さに男は反応できなかったのか、先制攻撃を食らう


美優ちゃんはまず右手に持つナイフをげんこつで腕をたたき、ナイフを落とす


「なっ!」


そして次に美優ちゃんは相手の後ろに行き、男を羽交い締めした。これで腕が使えなくなる


「はっ、離せ!」


「うるせえ!おめーに何もやらせねえからな!先輩今っす!」


美優ちゃんの号令で横にいた妙子ちゃんは聖水を用意した


「…忌まわしい男よ!」


妙子ちゃんは聖水を男に投げつける!すぐとヒットして男はその聖水で苦しみもだえる


「があああ!ぐあああああ!!」


やっぱりこの聖水って効果が凄まじい。男はその場で暴れてやがてナイフを落としたまま去っていった


「…終わったか?」


美優ちゃんは何も怪我はしてなさそうだ。そして一安心。といったとこ


「美優ちゃん…」


後ろにいた渚ちゃんはゆっくりと美優ちゃんまで近寄る


2人が近寄ると2人は抱きしめあった。渚ちゃんは泣いて美優ちゃんの抱擁を感じている


「美優ちゃん…!私…!美優ちゃんが来てくれなかったら…!」


「ああ。安心しな。アタシが助けたから。もう大丈夫だ」


この2人カップルなのか?だがそんなことは言わなくていいだろう


抱擁が終わると渚ちゃんは私たちに向いて、お礼をした


「ありがとうございます…!またまた助けられたなんて…!もう、嬉しい気持ちでいっぱいです…!」


渚ちゃんはその言葉を言うと何度も頭を下げた


「大丈夫よ。ギリギリだったわ」


「わたくしも渚さんを救えてよかったです」


もう夜になるであろう夕日を浴びながら私たちはこのことをしっかりと警察に通報したほうがいいと思った



ふぅ…


私は自室でゆっくりとしていたが、今日のことはとても怖かっただろう。私だってあんな経験されたら怖いに決まっている


誰かが言ってた。やはり悪魔というのはファンタジーだが、本当の悪魔は人間なんだって


ああやってどういう原理なのか知らないが特定をして襲ってくるのはもう悪魔そのものだ


ちょっと怖い経験したから甘いジュースを買って飲み、私はパソコンを見ていた。なんだかゲームもやる気起きないなあ


私は一応登録してあるもののそこまで使っていないつぶやきマンを見ていた。たまに見る程度なのにそこまでFFはいない


そしてあの名前が「あ」でID名めちゃくちゃなやつ…ちょっと調べてみるか…


…早速調べてみたらまだあった。通報されずによく生きてるもんだ。関心どころか呆れる話であった


「まだこいつ投稿してるわ…。『いいね爆はキチガイ』とか『政治経済つぶやきはアホ』とか色々言っててなんだか…」


もしかしたらこいつ中身は未成年ではないだろうか?こんな大人がやるものではないと思うし


…ピピピ


ん?スマホから着信音が鳴った。誰だろう妙子ちゃんかな。私はそれを見たら見知った名前で意外な人物だった


「…桃子先輩!」


私はすぐに着信ボタンを押す


「もしもし桃子先輩?」


「愛子さんお疲れ様です桃子です」


桃子先輩特有のやんわりした声が聞こえた


「どうしました桃子先輩?」


「はい。さっきのこと…その悪意あるアカウントと悪意ある人のことでお話があるんです」


…この「あ」とかいうのと渚ちゃんを襲ったやつか


「実はですね。わたくしの父がIT企業の代表取締役なんですよ」


代表取締役かあ。ずいぶん上の位なんだ


「ですね、その父はこういうネットの関係にも詳しくて…さっきあったこととそのアカウントのことを父に報告したんです」


「そうなんですか。そしたら?」


次の言葉は少々トーンを落として言う桃子先輩


「はい。これはもしかしたら未成年…最初こそあまり注目をされていないのでしょうけど、言いつけるとだんだん仲間が増えて…。

仲間というか信者に近いようなやつでしょうか。その考えを共存できる人が出てきて、渚さんのようなことが起きたんだと思います」


なるほど…これが信者を増やすって意味なのね


「確かにそいつのページ見るといいね拡散が言うごとに増えて行ってますね」


桃子先輩はまたトーンを落として言う


「そうです。渚さんのことがあるから緊急集会はあるでしょう。少しの間は集団下校って形にはなると思います」


確かに。あんな経験されたら渚ちゃん本当に怖がってしまうだろうし


「わかりました。このことは妙子ちゃんや雅先輩にも伝えてます?」


「はい。すでに伝えてます」


さすが優等生。そこは抜かりないってやつね


いままでそういうことは無かったしこれは初めてのことだから…


「しかし…こいつの手がかりがあれば速攻で凍結できると思うんですけどね」


「これは凍結に向けた動きもきっとあるでしょう。やってることは過激です」


桃子先輩はぴしっと言う。その通りだ


「わかりました。ありがとうございます」


「いいえ。お互い気をつけていきましょうね。では」


ぷつん…


桃子先輩さすがだなあ。あと父がIT企業勤めなのかネットにも詳しいだなんてさすがである


刺激的…でもできれば刺激は霊か『者』であってほしい。人間相手はほんと困るばかりだ



渚ちゃん大丈夫だろうか


私はそう思ってまたインターネットを見ていた





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