第38話「廃病院」
…キーンコーンカーンコーン
さあオカルト部!でも最近あの事件から少し怖い気がしてきたなあ
ネットでああいう誹謗中傷して、やがて何者かによって殺された。そんな事件を見てから
あの時私たちは凄い冷静だったのが今となってはよくできていると思った。霊や者をよく見てるせいか?
まあいいや今日も何かあるでしょう。もしかしたら隣の街に行くこともそろそろあるかもしれない
この街には下町があるからそこも行くことでしょう。どういうのがあるのか今から楽しみだわ
「…愛子」
その声で振り向いた。妙子ちゃんだった
「妙子ちゃん!」
「行きましょう愛子」
もう何か言わなくても私と妙子ちゃんは親愛しきっている。だって恋人同士だもん
私と妙子ちゃんと一緒に歩いた。恋人同士で幸せな気分。ずっと続きたいわ
~
「おっす愛子と先輩」
「お疲れ様です2人さん」
「やっほ」
オカルト部の部室に入ると雅先輩、桃子先輩、そして美優ちゃんがいた
私たちは隣同士座ると早速美優ちゃんのほうがから何かを言った
「皆さん。この近所に廃病院って知ってますか?」
「廃病院?崩れていて今にでも出てきそうなやつ?」
雅先輩がいうと美優ちゃんは首を横に振る
「実はですね。そこいつも開いていて鍵も施錠してなくていつでも入れる場所なんすよ」
施錠してなくて入れる廃病院かあ
「大丈夫ですかそこ?誰かいるんじゃないですか?」
「ううん。入れるからアタシが言ってるんす!行ってみましょうよ!」
美優ちゃんはどこかワクワクした様子だった
「妙子ちゃん?」
隣にいる妙子ちゃんはいう
「ふむ…そこで霊が出てきたら面白そうだけど、行ってみる価値はあると思うわ」
妙子ちゃんは行くことに賛成はしてるようだがちょっと不安気な気持ちにはなっているのだろう
「アタシがその廃病院の地図、チェックしてますから行きましょう!」
美優ちゃんはノリノリでワクワクであった。私たちはすぐに支度をしてそこに行く
~
「…着いた!ここっす!ずいぶんと雰囲気出てるっす!」
学校から30分あたりにその廃病院と呼ばれる建物があった
廃病院。と言っても全然朽ちている状態ではなく、建物が全体的に白くて病院らしい作りだった
病院の正門に着いたらわかるとおり門は開いたまま。建物まで行く道も全然荒れてる様子はない
はて…ここで霊などはいるのだろうか?美優ちゃんを信じてないわけではないが
でもここまで来たら入ってみるしかなかった。私たちは入ることになる
門を抜けて道を通り玄関へ。重々しい扉ではあったが簡単に開いた
「…簡単に開くのね」
ぎぃぃぃ…私たちは入るとまず出迎えたのは病院という雰囲気と薬剤のような香り
受付の場所となっておりそこは不自然なほどきれいに整った場所でもあった
「ずいぶんと…きれいな受付ですね?」
「もっと奥にいけば荒れてると思いますよ!」
美優ちゃんは廃病院なのに全く動じず進んでいく
「あ!待って美優!」
雅先輩と桃子先輩は追いかけていく
「これだから霊感のない人は…妙子ちゃん?」
「一応水晶玉を用意するわ…」
なるほど。念の為ってことね
私たちはずんずんと進む美優ちゃんを追って奥へと進んでいく
しかしどこの扉も施錠しており、中には入れないところがほとんどだった
様々な場所もあったが霊安室みたいな場所もあった。もちろん施錠はされている
「え~。霊安室鍵閉まってんのかよ~」
「そりゃ当然でしょ貴女…」
「うーん仕方ない2階に行こうっす」
そう言ってまた美優ちゃんは相変わらずずんずんと進んでいった
妙子ちゃんは霊安室の前に止まり、水晶玉を確認した
「…何もないことがわかったわ」
「そっか」
~
2階、3階。そして一番上の4階に行っても全然それらしいものがなかった
医務室や事務室、患者用のベッドなどを行ったが何もなかった。しかもきれいなままだったわ
そろそろ夕方近くになっているが、夏に近いのかまだ暗いという時間でもなかった
私たちは4階の患者用の室内で5人、集まっていた
「おっかしいなあ。ここで霊が出るって噂は違ったのかよ」
「そうなんですか?でもいないと思いますよ?ねえ妙子さん?」
「…うん。水晶玉は全く光っていない。だからここにはいないと思うわ」
何もかもきれいなまま。ここは本当に廃病院なのか?そう思った矢先…
「そこで何をしている!」
誰かの声がした。その声に向くと大きい男性が警察の服…いや、警備員の服だろう。ライトを向けて言った
「君たち!ここは遊び場ではないんだ!」
おそらく怒っているのだろうが、どうしてここに人が?
「す、すいません。実はここは出るって話を聞いて来たんです」
私がいうとその男性は言う
「出る?ここは俺たちが警備してるから全くでないぞ!早く帰らないと不法侵入罪で警察に連絡するぞ!」
不法侵入?まずいなこれ。この人の言う通りにしたほうがいい
「わかりました。今すぐ出ます!」
こういうときは美優ちゃん、素直なんだなあ…
やがて私たちは警備員に連れられて玄関まで来て、帰ることになった
私たちは外に出て、門に来た。ここまで来たら警備員の人も戻っていった
「あの警備員の人、一体何してるんだろう」
「わからないわ…とりあえず、今日のところはもう帰りましょう」
「すまんなみんな。今度はきちんとしたオカルト探すわ」
「…そうしてちょうだい」
私たち5人はその廃病院なのかわからない建物から離れていく
全然オカルトじゃなかった
こんなことあるのね
~
「…ふー!また肝試しだかわからない集団を追い返してきたよ」
「おつかれ。監視カメラがあるから一発でわかるがな」
ここは病院の警備室。2人の警備員がいた
「こういうことあるから俺たちの仕事が無くなることないし、早く委託先決めろって気分になるよ」
「元々不祥事がなきゃこの病院はずっとあったんだがな」
追い返してきた警備員は机にあるペットボトルの水を飲んだ
「でも最近私は聞いたんだがどこかの病院グループがここを使いたいって話があるらしいぞ」
「本当か。それならもうきれいにしたり警備したりすることはなくなるな!」
そう言うと1人の警備員は監視カメラを再び見た
「だが…まだまだここの警備はやる必要あるかも」
「はぁ…給料あるのはいいのは嬉しいだけだしな。早くスポーツ場の警備の仕事に戻りたいよ」
2人の警備員はぼやきながら監視カメラを見たりスマホを見たりしながら夜を過ごしていった
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