第9話「神社と散歩道」

朝起きてすぐに私は外に出た。家族にはすぐに出ると言っておいた


あの神社…もしかしたら無くなるのかもしれない。なにせあの夢を見たからだ


私は駆け足でその神社へ行った。登校距離はそこまでではないため、焦っているのだろう。私自身


ようやく着くところに来た。私は確認した。するとどうだろう。工事中と書かれていた標識を見た


…やっぱりそうか。少し背伸びしてみる。神社のあった場所はすでに取り壊しが決定してのたろう


私は残念な気持ちになる。もう少し、早めにわかっておけばまだこの神社は大丈夫だっただろうに…


重機の音が聞こえた。やはり取り壊しなのだろう。はあ、あの少女に何も言えずに終わったしまった


空を見上げる。すると上に気の所為なのか、少女の姿がいたような気がした


目の無い姿で、手を振って、私を見ていた。…多分


私はもうここへ来ることはないだろうと決めて、学校へ向かうことにした。さようなら、可哀想な少女…



キーンコーンカーンコーン


放課後のチャイムだ。私は当然オカルト部に行こうとした。この時間帯は部活の時間だ


うふふ…刺激的なこと、まだまだありそうだし、これからが何よりも楽しみ…


しかしここの学校の不思議だったり神社のこと言い、少々自殺が多いような気がしなくもない。わんこは別だけど


「さあ、行こうっと」


「愛子さん」


おや?誰かに声をかけられた。振り向くと私の友達美香ちゃんでは無い人がいた


「桜井花乃(さくらいかの)ちゃん」


そこには金髪ショート。もちろん制服を着て青い瞳が私を見ていた


「うふふ…これからオカルト部、ですか?」


「ええそうよ。貴女は茶道部らしいけど、面白い?」


丁寧な口調でお嬢様な言葉を言う彼女。頭は良いし運動もできてこんな学園にいていいの?って思ってしまう


「面白いですわ。けど、オカルト部のような刺激のありそうな部活動はとてもいいですね」


なんなら私の部活に入ってみればいいのかもしれない


「入る?」


一言伝えてみる


「ううん。私はいつもどおりでいいのです。刺激を求めているわけではありませんし」


…まあそうだろう。刺激を求めてオカルト部に入るなんて私ぐらいでしょう


「わかった。部活、頑張ってね」


「そっくり返しますわ。貴女も頑張ってください。無理をせず」


無理をせず。か。刺激を求めるならきっと無理難題をこなしてみせる!とは思うけどね


花乃はそう言って教室を外を出た。とても人間としてできている花乃。私はもうちょっと彼女に敬意を払う必要があるのかもしれないわ


…おっと。ここでぼーっとしてる暇はない。私はオカルト部に行くことにする



オカルト部の部室まで来る。まだあまり時間は経ってなにのにもう憩いの場になってる


私としてはこの学校にオカルト部があること自体、感謝しないといけない。何よりも霊感が強いから…


私は元気にドアを開く


「お疲れ様です!先輩!」


先輩の姿は当然あったが、2人とも何か変だ。見つめ合う形でそこにいた。私の姿を見たら2人ははっとした


見つめ合うのを止めて、私の方向に見た。あら、ドアをノックしたほうが良かったかしら


「あっ!愛子ちゃん!おつかれ!」


「愛子さんでしたか」


何をしていたのだろう?私は質問している


「どうしたんですか?」


私が言うと雅先輩はすぐに答える


「あ。いやー…実はね、目ヤニの確認してたのよ。最近目ヤニが酷くてね。相棒の桃子に確認してもらったの」


雅先輩は頭をかきながら言う。桃子先輩も言った


「そうなんですよ。雅、目がちょっと悪くて、かわりにわたくしが確認してたのです」


ふーん。そうなんだ。目ヤニなら仕方ない。私だって寝起きでよくあるし


「さ、おいで愛子ちゃん。今日の会議をするよ」


そう言われると私は対面で椅子に座った。すでにこの街の地図が机に広げられていた


「…今日はね、ここに行こうと思ってるの」


雅先輩は前に話してくれたところを指さした。ここは…


「…前に言った、幽霊が突然現れるっていう散歩道ですね?」


私が言うと2人はこくりとうなずく


「そうです。ここは…幽霊に会えるかわからないけど、ここから近いです」



次は散歩道かあ


私はそこに行きたいと思った



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