第22話「曰く付きの森林」

…私は今日もオカルト部にいた


妙子ちゃん、雅先輩、桃子先輩。そして私。この4人で活動をしている


最近私達の行動が良い?のか色々なところでオカルトな話が来ている。むしろ大歓迎だ


4人から伝わったり個人で伝わったり様々な話が来る。それは嬉しいことだ


私達は雅先輩中心で様々な話をまとめていた。一応メモしたり聞いたりして地図にマークを付けて今後行く予定だ


雅先輩は地図にマークを付けていた


「色々な噂があるわねえ。前に行った街の中にまだ曰く付きの場所があったり、廃墟があったり旧校舎があったり…」


どれも厄介そうな場所だ。しかし、妙子ちゃんは全然余裕を持った表情で言う


「…安心なさい。どこもウチの除霊でなんとかするから。問題は入れるかどうかって話よ…」


確かにそういうところは入ってOKなのだろうか?


「妙子さんがそういうなら安心ですよ。わたくし達はそれでいいと思いますから」


桃子先輩が言う。確かにその通りだろう


「一応、次は森に行ってみましょう。ここは色々あるみたいだし…」


コンコン


ドアの音が鳴った


「はーい?」


先生だろうか?そう思ってドアが開いた。するとそこにいたのは美憂ちゃんだった


「美憂ちゃん!」


「おっす。愛子。そして先輩方はじめまして」


そう言うと美優ちゃんは中に入る


「はじめまして。美憂ちゃんっていうのね?私、雅っていうの」


「わたくしは桃子って言います」


2人は自己紹介をした


「お!もしかして最近付き合ってるって話の2人ですか!こんにちは」


「…ウチは妙子。愛子の先輩よ」


「妙子先輩こんにちは」


美憂ちゃんは恐らく後でバレー部があるのだろうか。学生服を着てカバンを背負い、手にスマホを持っていた


「どうしたの美憂ちゃん?」


「ああ。実はオカルト部に見せたいものがあって…ここへ来たのさ」


私は早速美憂ちゃんに椅子を用意した


「美優、大丈夫なの?部活、あるじゃない?」


雅先輩は言うと美憂ちゃんは笑顔で言う


「全然大丈夫っすよ。さっき先輩達に遅れるって言ったから」


なるほど。それなら大丈夫だろう


「…で、見せたいものって、何?」


「そうそう。別の高校の生徒が森で肝試しっぽいことしてそれを動画で写した映像があるんすよ」


「それはどこなの?」


私が言うと美憂ちゃんは回りを見ながら言う


「この学園の近くにある公園だよ。でかい公園なんだけどね」


美憂ちゃんは言うとスマホから動画配信サイトを開いた


「アタシブックマークしたからすぐに見れるよ…これだ」


そのタイトルは『超びっくり!心霊現象が起きてしまった!』という割とシンプルなタイトルだった


美憂ちゃんは座って、私達は回りを囲んでその動画を見ようとした


『はーいこんばんわ~。私達、今曰く付きの森へと来ています。ここで何かあるみたいですよ~』


月明かりがあるのか?登場している女性は暗くてもはっきりとわかる顔をしていた


『で、今からそこに行こうと思いまーす。何があるかな~』


「…ウチ、思ったけど本気で危険行為してるわね」


「その通りだよね妙子ちゃん」


主演してる人、撮影してる人なので恐らく2人でここにいるのか?


主演してる人は森の中を入っていく。ザッザッザッ…石があるのか枝が鳴っているのかはわからない音だ


『着いた!ここなんだよね~』


「何が着いたのかしら…あ」


そこに撮影されたのは首吊り縄のある場所だった。撮影のカメラがそれを照らし出す


『わ~怖い~。ここで自殺があったなんてびっくりだよ~。街に近いのにね~』


「…さっきから凄いお気楽な声してますね」


桃子先輩ですら突っ込みを入れながら見ている


『いや~怖いね~。じゃあさっさと帰るとしますか!』


「…え?もう終わりなの?」


「実はこっからなんだ」


私が言うと美憂ちゃんは真面目な声で言う


『一応これはかなり怖かったってことで…ん?』


『どうしたの?あっ!』


撮影してる人が後ろを向くと確かに見えた。亡霊の姿が。その亡霊は首がおかしな方向に向いており、こちらに近寄ってくる


『〇〇ちゃん!すぐ逃げよう!』


『え?何があったの?』


『後ろに着いてきた霊がいるよ!』


『え…?きゃ、きゃあああああ!?』


ぶ、ぶうううう…


画面が砂嵐になった。ここで動画撮影は終わった。そしてどうなったかもわからない


「…こういう、ことがあったんだよ」


そう言うと美憂ちゃんはスマホをスリーブ状態にした


「霊感の強い人しか、これは写せないけど…これははっきりと見えたわね」


囲んでるのを止めてそれぞれ席についた私達


「霊感の強い弱い関係ないですね。カメラで写したらきっとわかるって思います」


雅先輩、桃子先輩は言う。横にいる妙子ちゃんはうーんと言う顔をする


「妙子ちゃん…短い動画だったけど、何かわかる?」


「…まず襲ってくるのは確定ね。そしてはっきりと見えたのはカメラで写したから。…これは桃子の言ってるとおり」


そして妙子ちゃんは回りを見て言う


「…霊感の弱い人でも見えてしまう。これは強い怨念がある霊ね。良くないわこれ。どうなったのかは知らないけど」


「まあでも先輩。無事に投稿できてるってことは助かったのかもしれないっすよ」


「…ただね。ああいうのは見てしまったりすると呪われる危険性があるのよ。だからどうなったのかって話なの」


妙子ちゃんの真面目な顔で美憂ちゃんは少々怖がってしまう


「の、呪われる…」


ここまで言うと私は言う


「妙子ちゃん。ここは私達の出番だね?」


「…もちろんよ。きっとその亡霊は現れてくるわ。…だから除霊しましょう」


「ありがとうございます!先輩!」


席に座りながら美憂ちゃんはぺこりと頭を下げた


「なら行ってみましょう。除霊グッズ、あるわよね?」


「…当然よ。今回はこれを使ってみるわね」


妙子ちゃんはカバンからごそごそと取り出したものがあった。それは誰もが知ってるものだった


「お祓い棒!」


「…ええ。亡霊のいる場所にこれをさっさと振っておけば霊が弱まる。御札もいいけど、これもなかなか効くのよ…」


こんなの持ってたのか。妙子ちゃんって除霊グッズの多さは豊富である。これも全部妙子ちゃんのお母さんのおかげだろう


「先輩。そのお祓い棒って短いっすね?」


「…何言ってるの?長いお祓い棒なんてないわ。邪魔になっちゃうじゃない」


美憂ちゃんは一体何を思って言ったのだろう?


「さ、目的地は決まったしいきましょう!」


雅先輩の合図で私達は出発することにした。亡霊の待つ、曰く付きの森林へ


「悪いな愛子達。後よろしくな」


「任せてよ!」


ここで美憂ちゃんとはお別れ。4人で行くことになった



怖いもの、見ちゃったなあ


でも妙子ちゃんがいるから安心できる



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