第26話「ストーカー」
…キーンコーンカーンコーン
ふう。今日も一日勉強頑張っていたな。私はまた今日もオカルト部に行こうとした。当然、妙子ちゃんもいる
彼女、病弱だからと言ってあまり行動しないのかと思ったら意外とテキパキ動く人で驚いている
意外と入院したら体力が回復して動ける体になっているのだろうか?私はあまり風邪をひかないのでよくわからない
でも嬉しいのは妙子ちゃんのことを好きでいられたってこと。彼女も私を好きでいてくれて本当に嬉しかった
先輩なのにもうタメ口で話していた。妙子ちゃんだってそれは全く何も思っていない
なんだか下手すると雅先輩と桃子先輩にもタメ口で言ってしまいそう。それは気をつけておかないと…
学校での荷物をまとめて、私は教室から出ようとした。すると、ドアのところに誰かいたのがわかった
「…妙子ちゃん!」
そう。私の恋人の妙子ちゃん。ここまで来るのに大変だろうに。私の教室に来てくれた
「…やあ、愛子。ウチ、来たわ」
私は荷物を持って妙子ちゃんの側に行く。彼女の側に行くと、とてもきれいな顔があった
「嬉しいわ妙子ちゃん。オカルト部にいこ?」
「…うん。そのつもりなのよ」
私と妙子ちゃんは嬉しそうに手を繋いでオカルト部に行く。もう雅先輩と桃子先輩には承諾済のカップルになった
だから嬉しい。私、彼女とはずっと一緒にいたい。その気持ちでいっぱいなのだから
~
「先輩お疲れ様です」
「雅、桃子。来たわ」
オカルト部の室内に入るとすでに雅先輩と桃子先輩がいた。私は手を繋いでここへ来た
「お!熱々カップル来たわね!」
「まあお2人さん。お疲れ様です」
私と妙子ちゃんは早速椅子に座る。でも浮気じゃないけど雅先輩も桃子先輩も結構良い顔してるな~とは思った
まあもちろん私のかのぴの妙子ちゃんは凄い美しい顔してるから自慢なんだよね。えへ
「じゃあ。今日は今後のオカルトの場所を探りましょう。まず地図を広げて…」
コンコンコン
おや?ドアの音がした。それが鳴るとガラッと誰かが来た。その姿は前に会った、立花渚ちゃんであった
「渚ちゃん!?」
「せ、先輩!愛子ちゃん!また助けてください!」
室内に響き渡る声で渚ちゃんは言った。なんだ?今度はなんだ?
「…とりあえず、座って話してくれないかしら?」
そう言って渚ちゃんは椅子に座る
「どうしたの渚ちゃん。また何かあったの?」
渚ちゃんはどこか怯えた様子で言おうとしていた
「はい…実は、今回はネットの話ではなくて、私自身のことです。ストーカーっぽいのに尾行されて…」
…ストーカーか。確かに渚ちゃん結構かわいいしね
「ストーカーだったら、警察に通報するのが一番だと思いますよ?」
桃子先輩は渚ちゃんに優しくさとす。しかしそうでもなさそうな顔をしていた
「そのストーカー、おかしいんです。足音が聞こえているのに、後ろを向いてもちっとも姿を表さないんです。
おまけに、逃げようとすると余計足音の数が多くなって…家に帰ったらその足音が消えて…怖いんです…」
なんだそれは。もしかしてこれは…隣にいた妙子ちゃんはすぐにわかったような顔をしていた
「…まず、そのストーカーが出る時間は?」
「はい。夕方です。学校帰りです」
更に妙子ちゃんは言う
「…で、何か嫌な気を感じた?」
「はい…どうも冷たい雰囲気がしました…」
ふうん。と妙子ちゃんは一言つぶやき、そして言う
「それは『者』ではなく亡霊ね。多分だけどそこで死んでしまって未練を残してなおかつ悪霊になった成れの果ての亡霊だと思うわ」
成れの果ての亡霊…そんなのがいるのか…
「そういうのってどうしたらいいの?」
私が言うと妙子ちゃんは周りを見渡して言う
「その亡霊が出るのは夕方ならちょうどいい。ウチらが渚の後ろを追ってくるのを亡霊を可視化して正体を暴く」
ここまで言ってそして更に言う
「ウチが水晶玉を使って暴いた後、その亡霊を上手く成仏させる。もちろん、今回は全員で行きましょう」
なるほど。前に森林で『者』を退治したようなものなんだろう
「亡霊というのは歪な形で現れるか、案外普通な人型かはわからないわ。確認しないと」
「わかったわ。渚ちゃん、そこまでよろしく」
「はい。先輩」
私たち5人で問題の道路へ向かうことになった
~
その問題の道路まで着いた
真っ直ぐな道で、ちゃんとアスファルト舗装もされていて、曲がり角のない真っ直ぐな道であった
こんな場所に亡霊がいるのか?しかも裏通りなのか人も少ないし車が通らない。不思議に思った道だ
「ここ、なの?」
私が言うと渚ちゃんは怖そうに言う
「うん…ここ…なんだよ」
私は御札を。雅先輩と桃子先輩は清めの塩を。そして妙子ちゃんは水晶玉を用意した
「…清めの塩と御札でなんとかなるものかしらね。まあ、やってみましょう」
妙子ちゃんがちょっと心配な発言をした
「…ひっ…!足音が…聞こえる…!」
え!?もういるのか!?私たちには聞こえない音だった。妙子ちゃんはすぐに真っ直ぐ向いて水晶玉を用意した
「落ち着いてください渚ちゃん」
桃子先輩が渚ちゃんをなだめる
一方妙子ちゃんの持った水晶玉は光っていた。間違いない。亡霊がいる
「亡霊よ!姿を現しなさい!」
その言葉で亡霊は姿を表す。その亡霊は…目が大きくあり、周りが黒いもやであった。目だけとなると凄い不気味で気持ち悪い
私たちはこれと戦えと?しかし、迷っていられなかった
「…やはり成れの果ての亡霊ね。亡霊!静まりたまえ!」
水晶玉からお祓い棒にチェンジした妙子ちゃんはその亡霊に向かって払う。すると亡霊は鈍くなる
鈍っているのならこちらから攻撃のチャンスだ。私と雅先輩はすぐに行動をする
「それっ!全く気持ち悪いわね!」
まず雅先輩は清めの塩をふる。しかし、そこまで効いていない感じがした
「えっ!効いてないじゃない!?」
「私の出番ね。それええええ!」
私は迷わず亡霊に御札を貼ろうとした。御札はちょうど亡霊の目と目の間の場所でバシッと貼った
「やった!」
…だが、全く効いてない。むしろ怒ってしまったのかまず私に襲ってきそうになった
「なっ!しま…」
「しゃがんでなさい!!愛子!!」
妙子ちゃんの大きい声で私はしゃがむ。そして妙子ちゃんは何かを投げた
…それはこの前辰子さんが紹介してくれたあの水、聖水だった
「ぐあああああ!!があああああ!!」
その聖水の威力は凄まじいのか。亡霊は苦しんでいた
私は効いたの確認して妙子ちゃんの隣まで行く。亡霊はまだ苦しんでいた
やがて、声が聞かなくなったら亡霊は消えた。白いモヤが空に上っていったのがわかった。成仏したのだろうか?
「ふう…聖水を投げないだめなんて結構強い亡霊だったわね」
妙子ちゃんは冷静に勝利宣言をした
「あ、あの…ありがとう…ございます…」
桃子先輩が寄り添って私たちを見てた渚ちゃんは少し弱そうな声でお礼を言った
「ううん。これでストーカーは消えたよ。だから安心してね」
私は渚ちゃんに優しく言う
「しかし…どうしてこんな亡霊がいるのかしら…。どこ見ても花と言ったのがおかれていない…」
妙子ちゃんはどうも不思議に思ったらしい。確かにこの亡霊、どこから来たのだろうか
「でも亡霊が消えたのなら、それでいいと思うわ」
雅先輩が言う。まあそうだろう。それで一番だと思うし
私は思った。もしかしたら今後こういう強い亡霊が出てくるのかもしれない、と。私はその場で身を引き締めることにした
戦いは終わった
渚ちゃんもこれで安心でしょう
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