五時限目③(シトラス視点)
「もちろん、沈むという訳ですから、平均標高が低い島、基本的にはサンゴ礁の島ですね。よく例として取り上げられる国としては、ツバルですかね。あの国は元々は金が無さすぎて、国連にも加盟できず、
『自国が沈む』と発言したくてもできなかったんですが、じゃあ、なんで今は日本人でも知ってるのかと。それは、インターネットが普及し始めた時に、それぞれの国専用のドメインが与えられたんですよね。日本の場合『.jp』なのは周知の通りです。そしてツバルに与えられたのは『.tv』だったんですよ。でね、このドメインに目をつけたのがアメリカのテレビ会社で、このドメインの使用権の売却をツバルに持ちかけたんですよ。もちろん大金を用意してです。そしてツバルはもちろん売却し、その金で国連に加盟し、世界に向けて自国の危機をようやく訴えることができるようになったわけです。ただね、正直、ワシは思うんですよ、そろそろ金やばいんちゃうかとね。産業を発達させようにも立地が良くないし、気候を活かすにしても、狭いしで。まあ頑張って欲しいですね。そして…」
順調に授業が進む。ここ最近では1番進んでる気がするが、気のせいなのか、それとも他が遅過ぎるのか。
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