AM10:50三時限目①:国語(シトラス視点)

「えー、それでは始めます。」

「「「「「お願いします」」」」」

 国語の授業が始まる。この授業は、お絵描きをして過ごすことが多い。というのも、かつて、内職をしたのがバレた生徒がいたのだが、その際、珍しく本気でキレた挙句、それを職員会議の題材にされるという事件があったからである。しかも、担任の教師やからな。印象を下げすぎるのは良くない。今日は何を描こうか。

「えー、前回の小テストを返却する。」

 そう言って、間口は列ごとに返していく。

 生徒の様々な声が飛び交う。

「えー、今回間違いが多かったのは·····」

 何か言っているが周りが、


「どうやった?」

「俺8点」


「勝負しようぜ、お前何点や」

「9点」

「よし勝った」

「は?お前満点かよ。厨二レベルMAXか?」

「失礼な、というわけで自販機奢ってくれ」

「しゃあねぇなあ」


「二問目の答え何?」

「えーと…」


 という感じで、うるさ過ぎて聞こえない。

 ま、俺は満点やし、ええかな。

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