五時限目⑤(クシャン視点)

 現在地理の授業中だが、自分は何をしているのかというと倫理の勉強をしている。なぜなら自分は共通テストの社会で使う科目が倫理だからだ。そもそも使わない地理の授業を聞くのは時間の無駄だし、いい加減社会の選択を二年でできるようになってほしいものだ。

 ただ文部科学省が定める授業数を満たすためにはやらないといけないという訳で受けさせられているのだが、それだったら、『総合的な学習の時間』もちゃんとやれよ。勝手に芸術の時間にすり替えられてるけど。


 そんなわけで、授業には出ないといけないので、倫理の勉強をして時間をつぶす。幸い、先生が教壇からこちら側にやってくることは無いので、内職を咎められることは無い。捗るので、助かっている。ちなみに自分が倫理を選んだのは、倫理の教師が非常に面白かったからである。授業の内容から発展させた小話は含蓄に富むものから、下品なものまで全てがそろっており、聞いてて本当に楽しいのだ。その良さはまさしく『受ければ分かる』という表現がピッタリだ。この学園には、言いたい文句がたくさんあるが、唯一、倫理の教師そして校長こと開祖様と出会えたことだけは感謝している。

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