五時限目⑥(シトラス視点)
「あともうちょっと時間があるので、森林破壊もちょっと進みます。森林破壊はご存知の通り、熱帯雨林での過剰な伐採が中心ですね。実際データを見ればわかる通り、赤道に近い国での森林面積の減少が顕著になっています。それと、このデータで注目しときたいのが、中国ですね。中国は今、世界一森林面積が増加してます。これはなぜかといいますと、国が退耕還林という政策をやっておるからですね。もちろん、中国のデータなんて、どこまで本当かなんて分かりませんが……、なんかこんな言い方したら、中国のことを悪く言ってるような気がしてきますね。別にそんなつもりでは言ってませんからね、ワシは中国好きですよ。いろいろとデカいし。」
この教師は、授業で中国に関する話が出ると、ほぼ毎回『中国が好き』と言っている。
何故なのかは、よく分からない。中国に見張られてでもいるのだろうか。
「えー、もう鐘が鳴るので今日はここで終わります。」
と源が言うと、ほぼ同時にチャイムが鳴った。そして、先程まで机に突っ伏していた生徒が次々に頭を上げ始めていた。
あと一限で今日も終わりか、あともう少しだ。
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