三時限目④(シトラス視点)

 何故か校長が乱入してきたが、結構な歳だし、おかしなことを言うこともあるだろう。

 それに、あの校長がかつて国語教師の時は、授業中にさっきのように、謎なところにめちゃくちゃキレ散らかし、授業を放棄することがよくあったという伝説がまことしやかに囁かれているので、なおさらである。

特に有名なのは、先程も似たようなことを言っていたが、

『学ぶ顔をしていない、帰れ!』

といった趣旨の説教である。

これを言われたほとんどの生徒は、真面目な顔をしていたと証言しているらしく、ただの何らかの不満に対する生徒への八つ当たりだったと分析されているらしい。

しかも、この校長のさらにおかしい所は、無駄なことに長けており、歴代の天皇を全員言えたり、哲学に対する思慮がやたら深かったりすることだ。

そして、授業スタイルも伝説となっており、その最たるものが、現代文で品詞分解を行うことである。そんな授業を展開したのは、後にも先にも、校長だけらしい。まあ、現代文の問題集でも品詞分解なんて、まず載ってないし、そらそうだろうが。

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