AM8:30 上下関係(リョウ視点)(若干暴力描写あり)

「じゃあまた放課後にー」

シトラス、ショウイチと別れた俺は自クラスである二年藤組へと向かった。ちなみにシトラスは桐組、ショウイチは樺組である。この学校は一学年が四組に別れており残りの組が樫組である。創立者が何を思ったのか、この学校の校舎は険しい山の上に建っており、毎日こうやって道無き道を登っているのだ。


ようやく二年の教室が並ぶ二階にたどり着き、自教室のドアを勢いよく開けた俺の目に映ったのは、先程タクシーで登校していたはずのクシャンを殴る微高地びこうちジョウの姿であった。

「おい、どうしたんだよ」

「こいつが今日の分の同人誌を持ってくるの忘れたって言ったから今シメてんだ」

「うぅ……」

うめき声をあげるクシャン。

「あぁ……そうか、じゃあ、またな」

こういう場面には関わらないのが一番だ。

「リ…リョウ……、助けてくれ……」

聞こえなかったふりをして自分の席へと向かった。

なんとかなるだろ。見慣れた風景だし。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る