二時限目③(シトラス視点)

 謎の悲鳴こそあったものの、それ以降は何事もなく、禅が終わり、準備体操が始まる。

この学園には、学園体操というこれまた謎の体操があり、この授業では、これを準備体操として行うことが慣例となっていた。

そして、体操が終わり、とうとう竹刀を振るう時間がやってくる。まずは動かずに素振りをし、その後は足も動かしながら振るう。正直、竹刀って割と軽いと思っていたが、かなり重く、素振りだけでも、運動をしないこの身には堪える。

剣道場に、

「「「「「「メン、メン、メン」」」」」」

という声が響く。

その後、面をつけて、実際に相手に打ち込む練習が始まる。これに関しても結構しんどい。打つ側の時は何とも思わないが、打たれる側では、話は別である。下手な人が打つ時は、的外れな場所に当てることも多く、痛い目を見る。かと言って、上手い人が打つと、思いっきり当ててくるのでこれはこれで痛い。

打ち込みは面以外の場所も順に行い、そこで時間になったようである。

防具を外して、肌を見ると、打たれた所から血が滲んでいた。これはなかなか心にくるものがある。辛いもんだ。

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