放課後④
シトラスの意味不明な話を二人は10分も聞き、やっと電車がやってきた。
「やっと開放される、この苦しみから。」
とリョウがつぶやいた。
この電車は、山の中を走っている電車であるため、ある私鉄から分岐した単線として運営されており、3両編成の小さいものである。だが、車体がピンク色であるため、以外にも有名らしい。ちなみに運営会社のホームページ曰く、『ピンク色ではなく、あじさい色』との事だ。
「そういやテスト一週間前やけどみんな勉強するん?」
とクシャンが聞くと、
「俺は勉強しなくても余裕っす。」
とシトラスが、そして
「まださすがにやらんで良くね。いつも前日にやっとるし。クシャンは勉強するんか?」と返すリョウ。
「倫理だけ勉強しよっかなって思ってる。」
とクシャンが答える。
「さすが倫理ガチ勢、心構えが違うなあ。」
とリョウが言う。
「次は、終着宿河原、宿河原です。江部本線はお乗り換えです。お忘れ物をなさらないようご注意ください。」
というアナウンスが流れ、電車が停車する。
「「「それじゃあ、明日」」」
とお互い言い合って、三人はそれぞれの家の方向へと乗り換えていった。
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