六時限目②(リョウ視点)

「次は竈君か。まず君の作品は何を表してい

るのかな?」

俺の作品はダンボールに数種類の砂を敷き詰めたものだ。

「地層です。」

「地層ね、じゃあこの作品は何を意味するのかな?」

「地層の層を形成する物質が変わっている時

って、そこで気候などが変わって一つの時代が終わり、新しい時代への変遷を表しているじゃないですか。それって、人生において、何かが起こって、その前後で人生の変わり目を迎えることに似ていると思って、この作品を作りました。」

「なるほど、地層を人生の象徴するものとしたということか。よく考えられているな、合格だ、戻っていいぞ。」

「ありがとうございます。」

作品を提出し、無事に終わったことに安堵して、机に戻ると、微高地が話しかけてきた。

「どうやったん?」

「合格やってさ。」

「良かったな、俺はもう間に合わないから諦めたけど。」

「成績大丈夫なんか?」

「提出してない奴多いし、問題ないやろ。」

「そうかいな。」


そしてしばらくして、チャイムが鳴り授業が終わった。結局20人ほど未提出だったらしい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る