PM2:30六時限目:芸術①(リョウ視点)

この学園の芸術は音楽と美術から1つを選択する方式であり、俺は美術を選択している。


二学期後半の作品テーマは「変化」である。生徒はこのテーマで一つ作品を作る、というのが授業の内容だ。それだけならば非常に簡単なヌルい授業なのだが、、、


「え、これで何を表したいの?」

「え、、、」

「ほら、君は何を伝えたかったの?」

「...」


「え、これはなんでコピー用紙なの?」

「いや、そこにあったので、、、」

「そういうのもしっかり考えて」

「はい、、、」


(うわー、めんどくせー)


光陽の美術教師は藤井シメという男の教師なのが、その授業が非常にだるい。

作る作品ひとつひとつに「作者が作品を通して伝えたいこと」だの「画材を選んだ理由」だのを要求してきて、きちんと考えられていなければ拒否されてもう一度考えさせられる。


シメの授業では作品制作中に一度作品の説明をシメにすることが求められているのだが、今もシメの元へ行った生徒たちが詰問を受けて撃沈している。


中学の美術の授業がとても楽だったということだけで美術を選択したリョウにとって、シメの授業は非常に苦痛だ。


とはいえ、授業を真面目にこなさないと単位が出ないので、渋々作品の説明をシメの元へしに行くことにした。



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