一時限目②(シトラス視点)

「はいじゃあ、次の文の訳を、えー次は咳時々からかな。」


どうやらクシャンが当たるらしい。


「すいません、やってきてません。」

「次の人。」

「分かりません。」


この後も、当てられては、

「できてません。」

「分かりません。」

「ここから分かりません。」

「前回休んでて、プリントもらってません。」

「教科書持ってくるの忘れました。」

「予習したプリント忘れました。」

「やってきてません。」

「プリントなくしました。」

「プリント弟に破られました。」

「裏紙と間違って、プリント捨てちゃいました。」

「ここまで終わってません。」

「·····……………………………。」

「えーと、分かりません。」

「さっきのとこまでしか終わってません。」

「友達に貸したプリントが返ってきてなくて、できてません。」

と多彩な言い訳で先生から逃げ切っていく。


正直この授業に個人的には意味を全く感じておらず、さっき言ったように本当に面白みの欠片もないため、普通に内職をしていると、

「おい、村正何をしてる!授業に関係ないものはしまいなさい。」

「·····はい。」

こんな具合なので本当に無意味な時間である。


しばらく経ってようやく授業が終わりそうなのだが、今日も今日とて全然進んでいないようである。まあ、こんな進め方じゃ当然かもしれないが。


「はい、じゃあここまで。次回に使うプリントを配るので、予習してくるように。」


ようやく終わった。次の授業は…、なんだっけか。




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