AM9:50二時限目①:剣道(シトラス編)
そうだ、次の授業は、剣道か。これもまた、めんどくさい。この学園は、武道の時間が体育を使って設けられており、剣道もしくは柔道を選択することになる。剣道の教師は、下島マサアキという人物で、剣道界では有名らしいが、自分たち生徒にとってはただのうるさくて、年老いた体育教師にしか見えない。また下島は、去年この学年の保健の授業を担当していたのだが、怪我の応急手当の話の際に、今まで自分が負ってきた怪我を例に出して話を進めており、その話がやたらグロいということでも、少し有名である。
剣道場に着くと、
「えー、防具つけて、整列」
と下島が言う。
そして剣道の何よりめんどくさいのが、この防具である。もちろん、大事なのは分かるのだが、かなり複雑だし、授業の頻度も少ないので、覚えても、毎回あやふやになってしまうのだ。
数分かかって、防具をつけ終わり、全員が整列するまで待つ。またこの時間も地味にやることがなく、要領が悪い生徒は時間がかかるので、結構待たないといけない。
「全員終わったね、それじゃあ、正座して、礼。」
「「「「「お願いします。」」」」」
「はいじゃあ、禅をします。集中。」
正直何を考えればいいのか分からんので、外から聞こえてくる音に耳をすます。すると、隣の柔道場から何故か分からんが、悲鳴が聞こえてきた。なんかこの声聞き覚えあるけど、誰やろ。
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