四時限目③(クシャン視点)

 そう思って、特に反応せずにいると、授業が進まなくなった。しかも周りから視線が集まってるような気がしてきた。あれ、もしかして本当に当たってた?

「すいません、聞こえなかったので、もう1回言ってもらっていいですか?」

と、とりあえず言ってみる。

こう言っておけば、この授業は一度までならなんとかなる。実際何言ってるか全く分からない時もあるからだ。

「えー、この問題の方針について、君に聞いてるんです。」

と、いつもより聞き取りやすい音量で言う。

いつもこの音量で授業したらいいのに。

黒板を見てみると、どうやら四次関数の問題らしい。それも2度接する接線についての問題だ。

「接点を2個置けばいいと思います。」

と答えると、

「じゃあ、それで⋯⋯みましょう。」

と平田が黒板に書き始める。

しばらくして、手が止まり、

「咳時々が言ってくれ⋯⋯すると、この…な対称式ができますね。ですが、計算は⋯⋯厳しいですよね。というわけで、別の方法を…しょう。」

と言う平田。

接線って、接点置く以外に、解く方法あるんか、と思い珍しく興味がわいたので、久しぶりに授業を聞くことにした。

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