AM11:50 四時限目①:体育(リョウ視点)

さっきの授業が伸びてしまったことで、とにかく時間が無い。もちろん、体操服に着替えないといけないのでなおさらである。


手早に着替えを済まし、グラウンドに向かう。体育教師の名は及位のぞきチラミと言い、筋肉こそ正義と常々語る熱血教師である。

「よし、じゃあグラウンド3周」


チラミの授業では、グラウンド3周を授業前までに済まさなければ、遅刻扱いになってしまうので、急いで走った。かつて、走ったことを誤魔化した生徒がいたが、すぐにバレていたので真面目にやるしかない。


そして、授業が始まった。12月なので、競技はサッカーである。


リョウのポジションはいわゆる右サイドバックだ。サッカーは得意ではないので攻撃には参加したくないが、足が速いのでこのポジションを受け持つことになった。


(まあ、ほどほどに頑張ろう。)


試合開始の笛がなり、相手のキックオフで試合が始まった。

幸いにもこちらのチームの前線が強く、なかなかボールがやってこない。

少しぼーっとしていると、相手の蹴ったボールがこちらに転がってきてラインを割った。


(取りに行こう)


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る