特別編:シトラスの誕生日③

「この空気で俺って、キツイって。ハードル上がってまうやん。」

とミヲツクシは困り顔で言う。

「それで、ミヲツクシは何にしたん?」

とシトラスに催促され、ミヲツクシは自分が持ってきたプレゼントを取り出す。

「開けていいよな?」

と、シトラスに聞かれ、ミヲツクシは、

「いいけど、期待しすぎんといてくれ。さっきのやつと違ってめっちゃ普通やし。」

と言う。

そして包み紙を開けて中にあったのは…、


「水筒?」

とシトラスが聞くと、

「そう。水筒って案外すぐ劣化するやんか。学校で毎日使ってるしさ、新しいのをって思ったんやけど…。」

とミヲツクシは言う。

するとクシャンが、

「こいつ今年も何時間も店さまよって探したんやって、この水筒定価6000円もするらしい。」

と補足をする。

「そんなまた高いものを…、受け取りにくいやんか。」

とシトラスが受け取りを渋ろうとすると、

「セールでめっちゃ安くなってたから。そんなにしてないって。」

とミヲツクシが言うので、シトラスはありがたくもらっておくことにした。

「それでこれは…、手紙(イタリア製)か。おお、今年は一通だけか。」

とシトラスがここで読もうとしたので、

「それは、家帰ってから見てくれ!」

とミヲツクシは必死に言う。

「わかったって、いやでも、今年は一通と常識的で安心したわ。」

とシトラスは言う。

「去年贈ったあと愛が重すぎるかなあと思ってね。」

とミヲツクシが言ったことに対して、若干名恐れを感じたのは、別のお話。

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光陽の陰鬱な日常 stso @stso_

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