第11話ユズの能力

ユズはなかなか魔力操作が上手くいかず苦戦したが数日でスキルをいろいろ併用して体力、魔力、怪我等回復用の薬が作れた。

苦戦したのが病気の治療薬だ。カレンの言う事が理解できずなかなか作れなかった。


『何なの細菌って目に見えない虫?言ってる意味わかんないし』


カレンは説明せず言う通りにするように言う。


『わかんなくていいんです。とにかくそれを体の中で殺す薬を作ればいいんです。


素材はこの周りにあるので頑張って採取して抽出スキルであたいの言う通り抽出してください!』


ほんとAIのカレンは厳しいのね。文句言ったら叱られるし、ボクのスキルだよね?おかしくない?


でもなんかお姉ちゃんみたいで言う事を聞いてしまうのです。


『カレンオネエチャン・・』


カレンはボーっとしてるユズの尻をたたく


『ユズ何か言った?ほらサボってないで頑張って!あと頭痛薬、風邪薬、腹痛、下痢、胃痛、目薬、痛み止め等あるんだからね。』


『わかったよ。頑張るから・・』


『ほんとわかってるの?あたいはユズのスキルAIなんだよアドバイスはできても直接助けてあげられないんだからね。』


『うん・・』


こんなやり取りがありユズは何とか数日かけ薬草類を採取して、病気用治療薬を数種類作る。


さらにカレンにいろいろ注意されながらも直診診断治療もマスターしていった。


『これで病気怪我は大丈夫だね。一応診断の魔道具も作ったから問題なしと、じゃ次旅を快適にする魔道具と装備作るよ。』


えー-!薬関係だけで1か月もかかったのにい…

今度は旅を快適にする魔道具ってもういいじゃん。


『あのカレン病気対策できたからもういいのね。薬草とか売ってそのお金で旅の装備揃えればいいのね。早く町に買い物行くのね。』


するとカレンはユズの脳内で叫ぶ


『はぁー-!ユズはバカなの!守る手段もない今の状態で旅に出たら確実に死ぬか攫われるわよ!わかってる?』


なんなのこのAIはもう確実にボクの中に住むお姉ちゃんじゃん!


ボクのスキルなのになんでこんなに叱られるの・・


『わかったからちゃんと言う通りにするから・・』


カレンは全くわかってないユズを叱る


『あたいはユズを守りたいから言ってるのよ!このまま旅にでたら確実に大変な事になるから!』


AIカレン怖いんですけど・・


『ごめんなさい・・ちゃんと作るから教えて』


『・・・わかればいいのよ』


カレンは何とか治療薬を作れたことに満足し次のことを考える


ここまでユズの魔力量で何とか治療系のポーションや丸薬、魔道具を作ることができたから、少し本格的にレベル上げて魔力量増やさないと移動系、攻撃系、保管系の道具が作れない。


今のユズが魔物を倒すには罠を作って動けなくして止めを刺すしかないから、嫌がるだろうけどやらせるしかない。


ユズはカレンに言われ渋々安全エリアから出て罠を仕掛けていく


『カレンさんほんとに魔物来てない?こんなので大丈夫なの?』


『あたいが周りを見てるからユズは罠作りに集中する!それとも直接魔物を倒しに行く?』


『そんなの無理なの』


『だったら言われた通り罠を作る!』


ユズは怖がりながらも罠を作っていく。


その後罠に掛かった魔物を仕留めて止めを刺すように言うも、ユズは嫌だと駄々をこねる。



そんなユズをカレンが何とかやる気にさせ次々と角ウサギや牙ネズミ、スモールボア等EランクDランクの魔物を仕留める。


『嫌々ながらも上手くいってるわね。レベルも順調に上がってやっとLV.15でHP1000MP18000か・・・


これでやっと銃が作れる。


ユズの力じゃこの世界の弓使うの無理だし、当然剣も無理だったらあたいのいた世界の武器銃しかない。

できればできるだけ強力なやつこの世界の魔法と組み合わせたようなやつならユズでも一撃でAクラスの魔物を倒せるはず。』


体力と魔力量も上がったユズは、高度な魔道具を作るため認識阻害のローブを作り森の洞窟や山岳部に赴き魔道具の素材集めに奔走した。


カレンは集まった素材に満足しユズにメインの魔道具を作るからと気合を入れる


『ユズ何とか満足いく鉱石類や魔物の素材集まったから本格的に魔道具作るから、これがあればユズ自身の身も守れるし、移動も楽になるわ。』


ユズは移動が楽になると聞いてはりきる


『移動が楽になるならユズ頑張るよ。』


カレンは嬉しそうにするユズにやる気をなくさないように優しく指示をしていく。


ユズはカレンの指示に従って錬成マイスターのスキルを駆使し、数週間かけ次々と魔道具を作っていった。


ユズの錬成マイスター能力は驚くものだった。


まずユズは罠で仕留めた魔物の皮で鞄やリュックも作る。

出来上がったリュック型鞄に収納魔法を施して空間容量1000㎡重量制限100tの収納鞄が出来た。

しかも仕分けでき魔力を込めれば時間も遅くすることが出来る優れもの。


野営道具もいろいろ作った。


空間拡張魔法を施した野営テント(テント内空間100㎡高さ3m・防火・防水・耐衝撃吸収・認識阻害付与)


快眠エアーベッド(リラクゼーション効果のある素材使用)


電磁ヒーターコンロ(火を使わず魔石を使用したコンロ)


シャワーユニット(モニット樹脂構造のマッサージ機能付きシャワー)


シャワー機能付き水洗トイレ(バクテリア浄化式ユニットシステムトイレ)


ふう・・この野営道具関係作るのに、カレンの指示細かくて何度もやり直しさせられて3週間もかかった。


どんだけ凄いのこれ・・全然知らない物ばかりなの。

快適にすごせる見たいだからいいか・・


『ユズ何してるの!野営道具の次は身を守る道具だからね。これは手は抜けないからちゃんと指示通り作るのよ。


時間かかってもいいからあたいが納得するまで作り直すからね。』


えー-納得するまでって・・


ここまで薬と鞄と快適道具で2カ月以上かかってるのに…


これまた時間かかるなぁ・・はぁ・・


カレンがユズの思いを感じて注意する


『ユズ何か言いたい事あるの?』


『ないです・・言われた通りしますです。』


『よろしい!』


ユズはカレンの指導のもと何度も納得いくまで道具を作らされる。


『できたよ。』

『これじゃ威力弱いダメやり直し』


・・・ぐっ


『できたぁこれならいいでしょ。』


『・・・威力はいいでも形が大きいしブサイク』


『えー-いいじゃん形くらい・・』


『何?文句あるの?』


『・・・・いえ作り直します。』


ボクはAIカレンに何度もやり直しの指摘を受けやっと守りの魔道具が完成した。


カレンの指示で作ったのはカレンの前世の知識とこの世界の知識を組み合わせた物だった。


なんでも転生前のゲームの知識とその世界で女性が身を守るための道具の知識とこの世界の知識を組み合わせた物らしい。


対魔物スタンガン銃(人に当ると死んじゃうよ)


対人用スタンガンハンドタイプ高出力(冒険者・盗賊用確実に気絶)


対魔物遭遇時逃走用超高出力モスキート音発生防犯ベル(弱い魔物は失神して倒れる威力)


対夜間魔物用超高出力発光フラッシュライト(直視すると目が潰れます)


対魔物用催涙弾(威力は強力使用時防護ゴーグル着用必須)


対人用催涙スプレー(広範囲噴射使用時風向き確認)


ショットガン(リボルバータイプ弾数六)


リボルバー用弾薬 睡眠弾…A ランクの魔物も眠る即効性効果は1日

         閃光弾…光属性上級魔法のフラッシュと同じ効果

         催涙弾…催涙スプレーの強力版範囲は10m

         雷撃弾…雷属性上級魔法爆雷と同じ効果

         爆炎弾…炎属性上級魔法炎柱と同じ効果

         氷壁弾…氷属性上級魔法氷擊と同じ効果

         爆水弾…水属性上級魔法爆水流と同じ効果

バズーカ砲(超長距離ワールドマップ連動型)


バズーカ砲弾薬 雷撃凝縮弾…威力は半径1Kmに雷撃弾と同じ効果

        爆炎凝縮弾…威力は半径1kmに爆炎弾と同じ効果

        



出来たの見るとかなり危険な物がいっぱいある。


これ使う時注意事項気をつけて使用しないと絶対ヤバい気がするの。


乗り物も作ったけど・・構造よくわかんないけど言われるままだったし

確か・・


四輪バギー(馬車に擬態可能タイプ。全長4m4人乗り。駆動エネルギー雷属性魔石・蓄電魔石・山岳路や森林も走破可能最高速度時速100㎞。航続距離蓄電魔石8時間時速60㎞時)


これで終わりかな?


『カレンこれで準備いいのかな?』


『うんいいわね。防犯、野営、治療、移動と一応満足できるものが出来ました。これで準備OKです。』


よし!

長かったぁ・・6か月?たぶんもっとかも。夢中だったから何日たったかもわからないや・・


ここに来てから弱いけど魔物も罠で倒した後作ったショットガンでAランクの魔物数体倒したら、めちゃくちゃレベルも上がった・・・

でもなんでかMP魔力量以外あんまし上がらなかった。


カレンのおかげでスキルもかなり使いこなせるようになったし。

いろいろ作った薬や洗剤もたくさん鞄に入ってるし


そろそろ行こうかなぁ・・


カレンもユズのチート過ぎるスキルを上手く使ってユズのために作りまくった。それもユズが攻撃系のスキルが全くないからだった。


カレンはユズを守る道具はやり過ぎなくらい作った。けどユズが襲われた時攻撃手段がないのはまずいと思い考え、遠方から攻撃する武器を作った。


過剰かも知れないけどこれくらいしないと安心できない。

ユズは女神様のお気に入りだし何かあったら大変だし、でもまだいろいろできそうだけど、今のあたいじゃ無理そう…



ユズはカレンの指示通り作った物を思いだす。薬に収納用マジックバックに防犯グッズそれに遠くから攻撃できる武器も、あと乗り物か・・結構作ったよね。


全部ユズためみたいだしいいのかな。あとは王都に戻って様子見て家を処分してから離れよ・・荷物なんて何もないし


見つかって何か言われたら逃げればいいし、カレンが周り警戒してくれるし、アドバイスもしてくれるから安心なんだよね。


ユズはカレンに尋ねる


『ねぇカレン一応スキルもかなり扱えるようになったから、ここを出て王都に戻ろうかと思うんだけど、大丈夫かな』


『あたいが警戒するしユズに危害加えそうな奴はすぐ探知できるから安心していいわよ。』


『よしなら王都に戻るのね。』


カレンはユズに作った魔道具を使うように提案する


『それならユズ練習がてら四輪バギー乗って王都に戻るのがいわ。

あたいが周り警戒するしバギーにも探知レーダーつけてるから魔物来たらわかるからね。人を探知したらバギーを降りて収納して歩いたらいい。』


ボクは頷き四輪バギーを出して操縦方法を聞きながら乗り込みスロットルを回す。


ヒュィーーン


バギーは軽い独特の音を発生して走り出す。


最初は恐る恐るだったが少ししたら慣れて来てスピードを上げる。


ヒュィーーン


『うわー気持ちいい~はやいはやい・・アハハ』


ヒュィーーン


『ユズ慣れたみたいだから王都を目指して下さい。方角は・・・です。』


『わかった。』

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