第2話初めての依頼

次の日ユズが冒険者ギルドに行くと受付のパンジーがユズを見て心配してカウンターから出てきて駆け寄る。


「ユズちゃん身体大丈夫なの?なんか元気になってるみたいだけど・・・」


ユズは心配してくれたパンジーの前で飛び跳ね安心させる


「はい!寝たら治ってました。エイ!」


ピョンピョン


パンジーはその姿を見て微笑み安心し受付に戻りユズを呼ぶ


「ユズちゃんこっち来てくれるかな」


ユズはパンジーに呼ばれカウンターに行くとパンジーがユズに冒険者カードを提示する


コトン


「ユズちゃん昨日会議で話し合って、ユズちゃんの今までの貢献実績を見てギルマスがユズちゃんをFランク冒険者に認定されました。」


え?ボクが冒険者?


ボクが驚いてるとパンジーさんが優しく説明してくれる。


「はい!これがユズちゃんのカードよ。これで自分で依頼を受けれるから、もうあいつらの荷物持ちしなくていいからね。」


あっそっか…ボクが自分で依頼受けれなかったから、ゴルガさんや他の評判の悪い冒険者から助けてくれたんだ。


「ユズちゃんFランクの依頼はそんなに多くないけど、ユズちゃん一人なら生活はできるくらい貰えるから無理なく受けるのよ。

私以外の受付の子達も知ってるから何かあったら相談するようにね。」


パンジーはユズに冒険者について説明を始める


「ユズちゃんじゃ簡単に冒険者について説明するね。これは決まりだからしっかり聞いててね。」


「はい!」


パンジーは冒険者について説明を始める


冒険者ランクについて

Sランク(プラチナカード)大陸冒険者ギルド承認大陸伯爵位

Aランク(ゴールドカード)大陸冒険者ギルド承認大陸子爵位

Bランク(シルバーカード)大陸冒険者ギルド承認大陸男爵位

Cランク(ブロンズカード)国家冒険者ギルド承認国家準男爵位

Dランク(アイアンカード)地方冒険者ギルド承認一般冒険者

Eランク(アイアンカード)地方冒険者ギルド承認一般冒険者

Fランク(ストーンカード)地方冒険者ギルド承認冒険者見習い


国家冒険者以上はクエスト達成率80%以上ランク指定クエスト達成率95%

注)冒険者規約のクエスト妨害行為、暴力行為、職員への暴言等による警告カード枚数がランク昇格審査対象になる。

Dランク以上は3人以上のギルドマスターの面接承認が必要になる。


「だいたいこんなところかな?とにかくDランクまでは厳しくないけどそれ以上上のランクはかなり審査基準が厳しいと言う事だからユズちゃんの行動なら問題ないからいつも通りしてればいいからね。」


ボクはパンジーさんにお礼を言ってから依頼を受ける事にした。


「パンジーさん説明いろいろありがとうなの。頑張ります。」


ペコリ


パンジーさんはボクに微笑でいる


ボクは恥ずかしくなり依頼が張り出されてる依頼ボードの所に向かった。


依頼ボードにはランク別に依頼が張り出されていた。


【ランクF依頼ボード】

☆へルマン公爵家王都舘清掃補助業務☆

王都の公爵邸宅外部清掃ゴミ運搬雑務

時間 鐘3つ~7つまで

報酬 小銀貨15枚

注)作業前に面談あり

☆依頼主へルマン公爵家メイド長


【ヒルラナ草・ロキソール草・他採取】

☆ラプラス森林、クレアセ岩場でヒルラナ草、ロキソル草の採取(最低5束から)☆

他の薬草も買取可買取可但しギルド鑑定の低品質以下は買取不可

報酬…

ヒルラナ草低品質 大銅貨5枚

ロキソル草低品質 大銅貨10枚

アロエナ草低品質 大銅貨15枚

☆依頼主 薬師組合


【王都商業地区排水溝清掃】

☆王都商業地区のA排水溝清掃☆

廃棄物は郊外所定の処理場に運搬廃棄

清掃道具はギルドで貸出

廃棄袋、運搬車は王都環境局で貸出


報酬…銀貨5枚

☆依頼主 王都環境局


今あるFランクの依頼はこの3件か、貴族のお家の掃除補助…報酬いいけどなんか怖いなぁ…


下手すれば不敬罪で捕まるかもだから他のに…


あっ!


ボクがいろいろ考えてたら、薬草採取と排水溝清掃が取られた。


屋敷の掃除補助は人気がないのか、何かあるのか依頼日が1週間前って事は、ずっと張り出されたまま?


面談あるみたいだから一応行って見るかな

たぶん落ちるだろうけど…


ボクはへルマン公爵邸清掃補助業務の依頼を受ける事にした。


「パンジーさんこの依頼受けます。手続きお願いします。」


パンジーさんは依頼を見て処理してくれる


「ユズちゃんこれ受けてくれるんだ。OK!じゃ手続きするね。

私の方からへルマン公爵邸に連絡入れておくわね。」


「はい!よろしくお願いします。」


1時間ほどで連絡が入る


「ユズちゃん連絡来て明日朝鐘4つに貴族門に来てほしいとの事よ。」


「わかりました。」


うわー貴族の屋敷の方が決まってしまったよぉ…


気をつけなきゃ


ボクは次の日約束の時間に貴族門に向かった。

門では公爵家のメイドさんが立っていた。


「ギルドのパンジーさんから聞いています。あなたがユズね。」


凄く背の高い綺麗な人だ。なんか厳しそう・・ちゃんと答えないと。


「はい!Fランク冒険者のユズです。一生懸命頑張りますのでよろしくお願いします。」


ボクは深々と頭を下げた。するとメイド長さんは門番に何か話をしてボクに門から入るように言われる


「話はしたからユズこっちに来なさい。」


ボクは言われたまま門番さんに挨拶してから貴族街側で待っていたメイドさんの所に行った。


「ユズです。門番ご苦労さまです。入ります。」


メイドさんはずっとボクの事を見ていた。一応パンジーさんからはアドバイスはもらっていた。


『ユズちゃんはいつも通りにしていれば大丈夫だから、公爵家のメイド長は絶対ユズちゃんの事気に入るはずだから頑張るのよ。』


パンジーさんのいつも通りやればいいってこと信じるだけ


ボクは馬車で来ていたメイドさんに移動するから馬車に乗るように言われた。

でもボクは服もボロボロで凄く汚れてたし靴も履いてないし、匂いも酷いから断って走ってついて行くからと言った。


「ではユズ馬車に乗って下さい。」


「あのボク凄く汚れてるので、それに身体も汚いから匂いも酷いし靴も履いてないから馬車が汚くなります。だから走って追いかけます。」


「・・・ナルホドネ わかりましたではゆっくり走りますのでついて来なさい」


馬車がゆっくり走り出しボクは走ってついて行く。暫く走って王城の近くにある大きな公爵邸の前に馬車が止まる。


うわー凄い大きな屋敷だ・・ここがへルマン公爵様の屋敷・・


馬車は門の前で止まりメイドさんが門番さんに何かを告げそのまま馬車で中に入って行った。


ボクは屋敷の門の前にいる門番さんに裏口に回るように言われ、裏口に回る


そこにはさっきの背の高いメイドさんが待っていた。

メイドさんはニコニコしながらボクに一言


「ユズあなたは合格よ。凄くいいわ。」


ボクは面談がまだなのに驚いていた


メイドさんは驚いてるボクを見て微笑みながら教えてくれる


「へルマン公爵家の総メイド長シーリアよ。ユズちゃん面談がないのに驚いてるのかしら?

貴方は門での態度とここまで行動で十分合格よ。ホントは馬車の中でいろいろ話したかったけど、たぶん言うう通りにした方がいいと判断したのよ。」


ボクはお礼をシーリアさんに言った。


「ありがとうなの。シーリアさんみたいな綺麗な人と一緒に馬車に乗るなんてダメです。ボクの汚い匂いがうつるから・・走ってよかったです。」


シーリアはユズを見て嬉しそうに答える


「ありがとうユズはいい子ね。じゃユズさっそく説明するわね。掃除雑務についてはいろいろとルールがありますから、ちゃんと教えるので覚えてくださいね。

後働きがよかったら定期的にお願いすると思いますので、頑張って覚えてください。」


ボクは緊張しながら深々とお辞儀をする。


その態度を見たシーリアは感心して、いろいろ考える。


『ほんとこの子良いわ。顔は汚れてて髪もボサボサでハッキリわからないけど、たぶん可愛いらしいと思う。

それに凄く真面目そうだし、お嬢様が気に入るかもしれないわね。


定期的に来てくれるなら服とか身なりを整えてもらった方がいいわね。それ私が直接してあげてもいいかも・・

この子お風呂入れて綺麗にすれば、めちゃくちゃ可愛いくなるかもしれないわね。』


シーリアは屋敷の裏に案内し、今日の雑務について説明する。


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