貧民少年ユズとAIスキルに転生したカレンの異世界のんびりびより

クロミnov25

貧民少年ユズとAIカレン

第1話貧民のユズ

クルーガ王国の王都冒険者ギルドでは小さな子供がギルドの受付のパンジーに尋ねるいつもの光景があった。


「パンジーさんおはようございます。」


「ユズちゃんおはよう」


「ユズにお手伝いできるお仕事ないですか?」


小さな少年にパンジーが優しく微笑み答える


「あるわよ。確かDランク冒険者パーティーが荷物持ちの探してるみたいよ。」


少年ユズが躊躇い考える

『Dランクパーティー?誰だろこの前いじめられた人達なら嫌だなぁ…』


「パンジーさんパーティーの名前とかありますか?」


パンジーはユズにメモを見せる。


「これよ。早番の子が受けたみたいで鐘2つに東門前に来て欲しいって書いてあるだけね。」


ユズは少し考えパンジーに行く事を伝える


「パンジーさんいつもありがとうございます。お金ほしいので行って来ます。」


パンジーはまだ身体の小さいユズを心配して声をかける


「ユズちゃん気をつけて行くのよ。嫌な人だったら遠慮しないで断るのよ。心配しなくても受付した時に冒険者以外への依頼条件はお手伝い程度の事しか受け付けない事を伝えてるから問題ないからね。」


ユズはパンジーにお礼を言って冒険者ギルドを出て東門に向かった。


☆☆☆☆☆☆☆ 


貧民少年ユズ


ボクはクルーガー王国の王都の貧民街に住んでいるユズ8歳です。


ユズの住んでるクルーガー王国はオストレイト大陸西部にあり、人族の王様が治める国で、大陸でも大きな国の一つなのです。


クルーガー王国は、大小40の貴族の治める領地からなり、王都はシトラストです。人口は沢山で凄く大きな都です。


王都シトラストは王様たちの城を中心に貴族街、お金持ちの平民が住む上級平民街、普通の平民が暮らす平民街、貧乏人が暮らす貧民街に別れています。


貴族街と平民街の境には壁があり入るには南北の門で入る者達をチェックしています。

勿論平民が貴族街に行くには許可証がいります。出入りするのはほとんどお金持ちの平民だけです。

普通の平民やボクのような貧民は近づくと門兵に警告されます。


王都に住む平民は全員5歳になると教会で神官の人から洗礼を受け市民メダルが渡されます。

これがないと王都で何かあった時に都民でない不法侵入者として捕らえられます。


ボクの住む貧民街は城壁に近いところにあり凄く汚い所です。

平民街は汚物とかは捨てる場所があってそこに捨てられていて匂いもなく綺麗です。

上級平民街、貴族街は自分たちの家に捨てる場所があってちゃんと処理してるみたいです。


汚物の処理は魔物がしてるって教えてもらいました。


ボクのお父さんは冒険者だったけど、3年前にクエストに行って戻って来てません。

お母さんは元々身体が弱く、お父さんが帰って来なくなってから、急に体調が悪くなり2年前に病気で死にました。


お母さんは亡くなる前に言われました。


『ユズは見た目は凄く可愛いから人攫いに合うと思わ。だから身体も顔も汚く汚しなさい』って言われた。


ボクは身体も服も汚し顔も炭を塗って汚くして髪も泥つけたりして汚くしました。


だから汚く身体の小さいユズは今まで人攫いにあわずに暮らせました。


ユズは、お父さんの残してくれた貧民街にある小さなボロボロの家に住んでいます。大雨の時は家の中にいてもずぶ濡れになるくらいボロの小さな家です。


普段ボクは冒険者ギルドや商業ギルドの雑用の仕事を手伝いながら何とかお金を稼いで生活しています。

でも毎日お手伝いできるほど仕事はありません。お金がないときは平民街の露店の人から売れないものや捨てる物をもらったりしています。


食べれない時もあります。ユズは貧乏な平民いつかおなか一杯ご飯を食べれるようになりたいです・・・


☆・☆・☆・☆・


今日は、冒険者ギルドの仕事で冒険者の荷物持ちで、Dランク冒険者のゴルガさんパーティーに同行してEランクダンジョンに来ています。


「ユズ早くこの魔石をリュックに詰めろ!ぼーっとするなこのグズが!」


「ごめんなさい・・・」


はぁはぁ…


この人達の手伝いするの嫌なんだよなぁ


今日の雇い主のDランク冒険者のゴルガさん達乱暴だし無茶苦茶するから…


『何もされなければいいけど…』


ボクがボアの魔石をリュックに入れゴルガさん達の後を急いで追いかける。

ゴルガさん達は次の獲物を見つけて動いていた。


ボクは薄暗いダンジョンの中を走る。


ゴルガさん達に追い付く手前で何かにつまづき倒れる。


ズサー


『痛っ…』


倒れた時にリュックの中の魔石が出て散らばる


『あっこれヤバいかも…』


ユズは慌てて起き上がり散らばった魔石をリュックに入れて行く。


それを見ていたパーティーメンバーが喚きながら近づいて来てユズを蹴りあげる。



「ユズてめえー!何してやがる!」


ドカッ!


ぐぅ…


ユズは蹴られて壁まで飛ばされうずくまる


ぅぅ・・・


すぐに謝罪をするユズ


「ごめんなさい・・・」


場所がダンジョンの中だったので、ゴルガ達もいっぱい荷物を持っていたため、酷い事はされずユズは安心していた。


ゴルガ達はダンジョンから出て王都の城門が見えて来た場所まで来た時、ゴルガはユズからリュックを取り上げユズを殴る。



「ユズ!てめえはここまでだ!おら!」


ドス!


ぐぅ…


「大事な魔石をぶちまけやがって!傷ついてたらどうするんだよ!ぐずが!今日の依頼料は払わねえからな!反省しろ!おら!」


ドカッ!

 

ゴホッゴホッ…


『何も蹴らなくても…この人達また難癖つけてお金払ってくれない…』


「じゃあな!ちび助!」

「荷物もまともに運べないガキめ!」

「ほんと役に立たなかったわね。」


魔石なんか傷なんてつかないのに酷い…


前同じ事あったからゴルガさん達の依頼断ったら、受付の人は今回Dランクパーティーからの荷物運びとしか教えてくれなかった。


ほんとあの人達ずるい…


ゴホゴホ…


あ!これヤバい骨は折れてないけどなんか息が上手くできない…


『くるしい・・・』


ユズは何とか立ち上がり時間をかけて何とか王都の町に戻り、今日の事をギルドに報告した。


受付の女性のパンジーさんはボクにいつも優しくしてくれる人で今日の事を報告したら無茶苦茶怒っていた。


「ユズちゃんの報告は上に伝えておくね。今日ゴルガからの依頼を受けた者に厳重注意しておきます。ユズちゃんちょっと身体見せてくれる?」


パンジーは他の職員も呼びユズの身体を触診する。


「パンジーユズちゃん内臓にかなりダメージ受けてるみたい治療院に連れて行った方がいいみたいね。」


パンジーも頷きユズが苦しそうにしてる見て心配そうに話しかける。


「ユズちゃんこのまま治療院に行こうか多分内臓相当傷ついてるから治療費はゴルガ達に払ってもらうから心配いらないから」


ユズはそれを聞き慌てる。

ユズは蹴られた時かなりダメージがあり苦しいながらも我慢しながら断る。


「ハァハァあっ大丈夫だから・・・・ゴルガさんには何も言わなくていいです。ハァハァ・・・今日は帰ります。また明日来ます・・・」


パンジーと一緒にユズを診た職員もユズを治療院に行くように説得するがユズはゴルガ達の報復を恐れ断り立ち上がり心配そうに見ていたパンジーたちにユズは心配させないように頭を下げふらつかないように我慢しギルドを出る。


『なんとか我慢できた。治療院なんか行ったら後が怖いよ。あの人たちに何されるか・・・やばい意識が・・・早く家に帰らないと』


ユズはふらつきながら何とか貧民街にある家までなんとかたどり着くと、ユズは口から血を吐きそのまま倒れ眠ってしまった。



☆・☆・☆・・・・・・・・



暫くしてユズは目を覚ます…


ん?ここは・・夢の中?


白いふわふわした空間だ・・


何も出てこないの?


暫くして優しい女の人の声が聞こえてくる


『幼き者よよく聞きなさい。私はこの世界を創った女神アマテラスです。幼き者よ貴方の生命は尽きようとしています。


普通ならその記憶も消し輪廻転生の渦に入れます。しかし貴方は私の神力を受ける事が出来る希少な者だからこうして話しています。


理由は貴方の魂が美しく私の神力を与えても耐えれえるからです。本来人族は生まれた時点で魂は清らかでも齢を重ねると穢れていきます。獣人や他の種族も同様多種族と交わることで魂が汚れます。


やがて成長するにつれ汚れが増し成人する頃には黒くよどんでいます。

人族の貧民街で育ったあなたがここまで汚れない魂を持ってるのは驚きました。


ユズあなたはこのアマテラスの特別な力ユニークスキルを与えても受け入れることが出来ると判断し選ばせて頂きました。』


ユズは語りかけてくる女の人に話しかける


『凄く綺麗な女神アマテラス様。ボクみたいな貧民に女神様のスキルなんてもったいないです。』


アマテラスは輝きが増し嬉しそうに語る


『このような神界の空間で綺麗な女神と言われたのは初めてですね。

この空間は、あなたに私の姿はおぼろげにしか見えないはずなのに嬉しいわ…』


『何言ってるんですか?綺麗な優しい声も聞こえます。ボクにはその姿もハッキリ見えます。女神様の綺麗な優しい光がその綺麗な姿です。ユズには綺麗な方だとわかるのです。』


『・・・・・・・ウレシイ』


あれ?女神様の様子が・・


『女神様ボクはどうなるのでしょうか?』


『・・・キメタ』



『女神様?』


『アマテラス・・・』


『え?』


『アマテラスと呼びなさい!』


ユズはアマテラスの発言に驚き謝罪する


『うわーなんか怒らせちゃったのかな・・・

アマテラス様ユズが気分を悪くさせたみたいなのごめんなさい・・』


女神アマテラスは嬉しそうにユズを見つめる


『気にしてないわ。ウレシカッタカラ・・ゴホン ユズあなたにはユニークでも更に特別なスキルを授けます。

他にもスキルを習得しやすいようにしてあげる。全て特別になるようにもね。

種族もドワーフと人族のハーフで珍しいけどさらに特別にしてあげる。ウフフ…』


ユズは女神の発言に驚き恐る恐る尋ねる


『え? 女神様の神託の特別なスキルは何かしないといけないって聞いたことがあります・・・ユズこんなだしできないかも・・・』


アマテラスは微笑み優しく伝える


『フフフ・・・ユズは特別よ必要ないわ。自由に生きなさい。

あなたが好きな植物のスキルと物を作るスキルを特別にしてあるからね。

それと普通のスキルも習得しやすくしてあるから、使う時はイメージをしっかりすればその通りになるようにしてあるから・・

詠唱の必要もないから…


それとユズは私が守護してあげる。


簡単に死なないから安心して、ユズには私の世界のいろいろな情報も与えた者もサポートするから、私の世界を自由に楽しく生きて・・・マッテルカラ』


・・・・・・・・・・





あれさっきのは夢?


違う身体の怪我ほとんど治ってる


じゃ女神様が回復させてくれたのかな?


身体もなんかかるくなった?でもあんまし変わってないような・・・


夢でないなら何か女神様からスキルを託されたはずだけど・・

どうやったらわかるんだろー


まあそのうちわかるかなぁ…

とにかくいっぱい貰ったみたいだし目立たないように気をつけなきゃ

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