第3話ユズの魔法

ユズの態度を見たシーリアは感心して、いろいろ考える。


『ほんとこの子良いわ。顔は汚れてて髪もボサボサでハッキリわからないけど、たぶん可愛いらしいと思う。

それに凄く真面目そうだし、お嬢様が気に入るかもしれないわね。


定期的に来てくれるなら服とか身なりを整えてもらった方がいいわね。それ私が直接してあげてもいいかも・・

この子お風呂入れて綺麗にすれば、めちゃくちゃ可愛いくなるかもしれないわね。』


シーリアは屋敷の裏に案内し、今日の雑務について説明する。


「今日ユズちゃんにやっていただくのは、屋敷北面の窓ガラスの掃除です。

2階3階については、長梯子がありますので使って頂いて構いません。

かなり汚れているので何度も洗って貰わないと綺麗にならないのでよろしくね。いつまでにとかの制限ないから安心して。

今日一日で出来るところまででいいから確実に綺麗にしてください。

時間になったら誰かに私を呼ぶように言ってくれるといいわ。」


シーリアはいつも外周りの掃除している庭師を呼ぶ


「トムス来なさい!」


大柄な庭師が呼ばれてユズの前に来る


「何でございますか?」


シーリアはユズを紹介し窓の掃除道具と梯子の場所と今日の掃除範囲を説明するように言う


「トムスこの子は冒険者ギルドから来てくれたユズさんです。

今日は屋敷の北面の窓全部掃除して貰うつもりです。

必要道具と梯子と場所を教えてあげてください。」


トムスは頷き返事をする。


「わかりました。」


シーリアさんはボクにお願いしますね。と言って屋敷の中に入って行く。


トムスは小汚いユズを見ると態度を変え命令する。


「おいガキこっちだ!ついて来い。」


ユズは思った

『うわーこの人ダメな人だ。ゴルガさん達と一緒だ。』


ユズは返事をして後をついて行く。


掃除する場所に着くとトムスはゆびを指して道具の場所を説明する。


「桶はあそこ!雑巾はあそこの納屋にある。梯子はあそこだ!井戸はあそこだ!必要な物以外勝手に触るな!終わったら外にいる誰かに声をかけろ。なんでこんな貧民のガキを合格にしたんだ。クソ」


「わかりました。」


うわー凄く雑な説明だし完全に嫌がってる。返事するとすぐどっか行っちゃたし…


あの人庭師だよね。いくら庭が広いとはいえ綺麗とは思えないんだけど、屋敷の表はよく手入れできてるけど、裏側はあまりだね。

サボってるのかな?見える所はちゃんとやって、見えないところは適当とか…


ユズは屋敷の裏側の納屋に桶や雑巾等を取りに行き準備を始める。

ユズは納屋の近くの植物を見て思う


『あれ?この花・・・元気ない気がする。 

あっ!何となくわかる…原因もどうしたらいいかも、早く土壌変えて植え替えてやらないと枯れちゃう。』


ユズはなんだか不思議な感じに戸惑う


『何か不思議…どうして花や木から情報が伝わって来たんだろ…これってアマテラス様から貰ったスキルのせいかな?』


この土も合ってないし・・あっちこっちからボクが来てから声が聞こえるような・・


『ボクが気になる所見つめると気持ちが伝わって、情報を花や木が教えてくれる…すごぉーい』


あ!この植木もあっちの植木もみんな辛そう…


ぅぅ…何とかしてあげたいなぁ…


ユズは小さな声で庭の花と植木達に呟く


『ごめんなのね。仕事早く終わったら、何とかしてあげるから待っててね。』


ユズの言葉に反応するようにユズの周りに小さなキラキラが飛び始める


『え?何これ… まぁいいや、早く掃除しないと終わらない…』


ユズは桶に水を入れ踏み台に乗り、試しに1階部分の窓をふいてみる。


ゴシゴシ…


ダメだ全然綺麗にならない苔がくっついて取れない…


『汚れ酷いから・・・だから何日もかかるように言ってたんだ・・・』


どうすればとれるんだろ…


ユズは考える


『そっか!ユズはアマテラス様にいろいろスキル特別にしてくれたって言ってたけよね。しっかりイメージすればいいみたいな…』




ユズは窓を綺麗にする方法についていろいろ考えてると、不思議とどうすればいいかが頭の中に入ってくる。


これもスキルなの?


ユズが考えてると誰かが情報をくれてるみたいな…

不思議な感じなの…


『情報が入って来た… 生活に関する事が魔法でいろいろできるって感じなんだ…』


☆使うには思いをしっかり浮かべる。

☆どうしたいかをイメージする・・


『とりあえず頭の中に入って来たイメージ通りやってみるのね』


まず窓ガラスを身体だと思って綺麗にするイメージして・・

窓を覆うように大きなお湯の球を作る・・


うわー手からお湯が出て行く・・


あれ窓にお湯の球がくっついてる・・


よし!お湯の球ををぐるぐるかき回す。そこに洗剤入れかき混ぜる。


あれ?何か聞こえたような・・洗剤って言っただけでほんとに出て来た。


これをかき混ぜる


グルグル・・


『え?もっと早く?』


ユズはかき混ぜるイメージを早くする


グルルルルルルル・・・・


これでいいかな?

うわー凄く汚れて来たぁ・・


グルルルルルルル・・・


これくらいでいいかも


後は新しい水の球で綺麗に洗い流せば・・


おお凄いできた。あとはここにある雑巾で拭き取れば…


おおー!凄い綺麗になるぅ


やったぁピカピカだぁー


『アマテラス様ありがとうございます。こんな素敵な魔法使えるようにしてくれて、ユズがんばるから』


これ次から覚えていて使えるようにしたいなぁ・・


名前洗浄魔法がいいかもうんそうしよう。


ん?また声が聞こえた?


まぁいいか。なんか名前唱えただけでさっきの魔法使えるようになったかも


さっきスキルの事考えてたら少し情報流れて来た気がする…

女神様が言ってたサポートする特別なスキルがやってくれたのかな?


そうだよね。でないとユズのイメージじゃここまでならないよね。

だって洗剤なんて今まで使った事も見た事もないから、洗剤使うとこんなに早く綺麗になるんだ…魔法って凄い


でも嬉しいユズが洗浄する魔法使えたのね。この魔法で北面の窓全部終わらせるのね。

やるぞぉー!




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