第4話ユズは植木を元気にする

ユズは気合を入れ掃除する窓を見上げる


何とか窓ガラスを綺麗にするメドついたけど、問題は3階の窓だよね・・・

どうしよう魔法は届きそうだけどふき取りがボクじゃ梯子使っても届かないのね。どうする…


サポートスキルの使い方がまだはっきりわからないし、やってたら勝手にサポートしてくれそうだけど・・・


ユズは周りをいろいろ見てみた。


するとユズはいくつか長い棒を見つけアイデアが浮かぶ。


『そうだ!この長い棒を継ぎ足せば3階まで届くじゃん。

この先に30cmくらいの短い棒をT字に縛りつけて雑巾を継ぎ足して巻き付ければ…』


よしできたぁー!


これならふき取りできるのね。


掃除するならまず上から下だから、3階から始めるのね。


『3階の窓全部に洗浄魔法!…』


クリンクリン・・・


いい感じで汚れ取れてるのぉ。うわー1階より汚い・・・


汚れ落ちて勝手に綺麗な水球に変わって洗い流してるの。すごぉーい


よし綺麗になったのね。


『解除』


バシャ


汚れた水が流れ落ちてくる


後はこの棒を継ぎ足して拭いていくだけなの


キュッキュッ・・


よし!これでいいのね。


やったぁー!

めちゃくちゃ綺麗になってるのぉー!


ボクはこの調子で3階2階と窓ガラスを綺麗にしていく。

そして6の鐘が鳴る頃に全ての窓ガラスの掃除が終わる。


『洗浄魔法のおかげでめちゃくちゃ早く終わったあー 頑張ったからお腹すいたなぁ…

お金ないから昨日も食べてないし、ここの依頼終わったらお金沢山貰えるから、干し肉沢山買いたいなぁ…』


ユズは作業が終わり、約束の時間までまだ余裕あり誰も来そうになかったので、ユズは見える範囲の気になってた花や木を何とかする事にした。


『特に辛そうな花や植木さん何とかしてあげたい…』


ユズは植木に近づき植木を見つめる。


『あ!なんか頭に入って来たぁー。何かよくわかんないけど土の成分が違うらしい…』


あとはサポートスキルさんが上手く働いてくれたら魔法が発動するのかな?


うーんとにかくやるしかないのね。



さすがに木を植え替えたら目立つからダメだよね。

元気になるように根元の土をいじって成分?を変えてあげれば何とかなるような気がする…



ユズは木の根元にふれてイメージする。

すると勝手に魔力が流れだし植木の根元の土が変化していく。


ユズはなんとなくよくなったのがわかり、そのまま魔力を流し続ける。


『よし!なんかわかんないけどサポートさんがよくしてくれてる。』


ユズは作業を続けていくと元気がなく枯れそうだった植木が見た目で生き生きしてるのがわかるくらい変化する。


『うわー凄ぉーい。やっぱ土がわるくてこの木が元気なかったのね・・』


よし!これでよくなったと思うの。


後はこのお花だ。うーんどうしょう…


ユズは花を触る。花からは情報が流れて来る。


何かよくわからないけど光合成が足りないって…この場所がダメなんだ…


うーんどうする?


植かえたら怒られるよね。でもこのまじゃ枯れそうだし…この花さんもかわいそうだしやるのね。


ユズは植え替える決意をし庭を見渡す。


すると庭の数ヵ所が明るく光る。


『何あれ?あそこに植え替えればいいのかな?』


ユズはすぐに花の根元を持ち魔力を流して花の根元の土ごと引き離す。


ユズは土を落とさないようにゆっくり運び光ってた場所の地面に手を当て花を植え替えるイメージをする。


すると適度な穴があきそこに持って来た花を植え替える。

穴の土はボール状になってユズの手に収まる。


ユズはその土ボールを抜いて穴のあいた所に持って行ってもどす。


おおこれでいいのね。わからなくなったのね。


でもこのままじゃ枯れちゃうからこの子たちが元気になる水をあげないといけないの・・

これは生活魔法で木や花に美味しい水のイメージイメージ…


うーん雨は目立つからダメ…地面から少し上に小さい水玉をいくつか浮かべて破裂・・


バシャ


うんいい感じだぁ。如雨露で水をあげた感じになってるの


ユズはこうして木は根元の地面を、花は話しかけてあまり大きく動かさないようにし、できるだけ目立たないように植え替え土壌を変えて行く。


植え替えられた花や植木は元気になる場所で優しい水を与えて行く。


『よしこの辺はこれでいいのです。後は離れた場所は時間ギリギリまでやってあげれば…』


ユズは時間ギリギリまで作業を続ける。


ふぅ…少し残ってるけどもう少ししたら時間だから見つかるとヤバいのね。まだ少し残ってる子達は悪いけどまたなのね・・


後やってて気づいたけどあの木・・できたら動かしてあげたいなぁ…


何となくわかるの。あの木も後この家のあの部屋の…


誰か来た・・


ユズは庭の植木と花に話しかける


『みんな時間だからここまでなのごめんね。我慢してくれる…

隅っこの子達ごめんね。たぶんばれてないと思うけど…ばれてたらもう来れないかも』



するとユズの思いに答えるように周りにキラキラが集まりさっきよりも眩しく光ってる。


『これって喜んでくれてるのかな…よかった…みんな人が来たら光るのやめてね。』


なんかわかったって言ってるみたいでピカピカと合図している


ユズは時間が来て道具をかたずけ掃除が終った事を確認に来たメイドさんに伝える。


「あの北面の窓掃除終わりましたの。シーリアさん呼んでほしいのです。」


するとメイドは驚き窓口を見る


「はぁ?おわった?」


『嘘でしょ…ほんと苔がない…それになんとなく綺麗になってる気がする…

どうやったらこうなるのよ!まぁいいわとにかく報告しなきゃ』


メイドは窓を見て確認した。と言って屋敷の中に入って行く。


暫く待ってると報告に行ったメイドが出て来て、シーリアは今手が離せないから自分が最終確認するとユズに伝える。


「メイド長は忙しく手が離せません。私が代わりに確認させて頂きます。

随分早く終わったみたいですが、本当に北面の3階までの窓全部洗い終わってるようですが、どうやったのですか!

かなり酷い汚れのはずです。特に3階部分はやりにくい上苔も生えて酷かったはずです。それにこの面積です!

こんなに早く終わるはずないのです!手抜きしたんでしょ!」


ユズはメイドの話しを聞いてダメだと諦める。


『メイド長さんは汚れが酷いし面積も広いから時間かかると思ってたんだ。だからできるところまでって・・

この人の態度から完全に疑ってるからダメかなぁ…もう薄暗いし2階3階なんてよく見えてないし、はぁーもう少し考えればよかったのね。

たぶん評価悪くて依頼未達成でお金も貰えないのかなぁ…』


メイドさんんは確認してボクに言って来る


「薄暗くなってるので2階3階はよく見えません。若干くすんでるように見えます。きちんとされてないと判断します。

綺麗になってるように見えるのは1回部分だけのようです。

よって報酬は減額して払います。


一応依頼は達成と言う事でギルドに報告します。評価はメイド長にしてギルドに伝えます。

ご苦労さま。帰って頂いて結構です。報酬は明日以降ギルドで受け取ってください。」


ユズはよく見て下さいと言おうとしたがやめた。


この感じだとたぶんもう来れないと思った。


でもあの隅っこの花や木たちも気になるし、特にあの木が気になるからまた来れるか念のため聞いてみた。


「わかりましたの。あのお姉さんの評価はどうですか?シーリアさんは評価よかったらまた依頼するって言ってくれましたの。また来れそうですの?」


メイドは周りをチェックして発言する。


「庭師のトムスの評判も良くないですし、何やら余計な事してたみたいなので私の評価は不可です。」


『え?庭師の人って最初だけしかいなかったのに…酷い…』


ボクはその言葉を聞いてがっくり項垂れお礼を言って家に帰った。


「そうですか… ありがとうなの」


はぁ…ごめんね。


隅っこの方はできなかった…


お花さん植木さん・・

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