第5話ユズは町を出て森に行く

ボクは家に帰って今日あったことをいろいろ思い出していた。


ボクって植物の声?気持ちがわかる?これってアマテラス様のスキルの影響かなぁ・・


どうやって確認したらいいんだろう…


でももしそうなら、いろいろ試してみて上手くいけばお金沢山稼げるかもです。


そしたらそしたら旅の装備揃えてお母さんが生まれた町やいろんなところ行ってみたいなぁ・・・


お母さんが死ぬ前にボクに話してくれたこと・・・


『お母さんが死ぬ前に言った通り、できるだけ汚くして、お母さんの残してくれたフードコートを被り容姿を隠して、この町を離れる。

旅の装備を整えたら王都を離れて平民にやさしい北のノースライナの町に行きなさいって言ってた。』


王都は貴族が多く貧民のユズは暮らしにくいから、できるだけ早く町を離れなさいって…

ノースライナの町かぁどんなところなんだろう・・・

お母さんに言われた通り汚なくして町を離れるための旅の装備買うお金も頑張って稼がなくていいかも・・・


アマテラス様がスキルとかいろいろくれたから、王都から離れてもやっていけるかも…


早く離れないとお貴族様に何かされるかもしれないし、悪い人に攫われるかも…


あのお貴族様に庭をいじったのわかったら怒られる?処罰されるかもだから早く離れた方がいいかも…

あのお屋敷のお庭のことは気になるけど・・・


このまま王都の町にいたらたぶん悪いことがおこる気がする・・・


貴族の人にユズはいろいろ酷いことされたし、汚い近寄るなとかいっぱい言われたし…


大人の冒険者の人も酷い扱いされた。

王都の町は拐われそうになったり辛いこといっぱいあって何もいい事なかったなぁ・・・


この町はお母さんの言う通りユズには暮らしにくい町だったの。


今まで生きてこれたの奇跡かも…


お母さんの言う通りこの町離れよう、アマテラス様から貰ったスキルも確認したいし、町を離れてどこかで確認しよ。


スキルのこと確認してからどうするか考えよ。

お母さんの言ってた大陸の北にあるノースライナかぁ・・・


できたらそこに行って見たいなぁ・・


アマテラス様に助けてもらわなければ死んでたし、アマテラス様も好きに生きなさいって言ってくれたし、もっといろいろな所に行って、大陸の北の町ノースライナに行ってみたい。


そのためにどうするかないろいろ準備するのにお金もいるよね。旅の準備も着替えも靴もナイフとか、あと乗り合い馬車のお金もいる。


お金稼ぐためにもアマテラス様が与えてくれたスキルをもいろいろ試しさないと何も進まないよね。


今日使った生活魔法?を使い続けてたらスキルレベル上がってサポートしてくれるスキルも使えるようになるのかな?


明日ギルドに行って報酬受け取ってから、町の外に行って魔物があまりでない森に行っていろいろ試したいなぁ…


・・・・・・・・・


次の日ユズは冒険者ギルドに行った。


ユズは受付で冒険者カードを渡し昨日の依頼報告をした。カウンターの中を見ると昨日親切にしてくれたパンジーはいなかった。


受付女性はユズのカードを見て少し機嫌悪そうに結果を教える。


「ユズさんヘルマン公爵家から昨日の報告が来ています。結果はやや悪い☆3です。

その他不可で次回は依頼しないとのことです。報酬は減額で小銀貨10枚10000ジェルです。」


はぁ・・

でも昨日の庭木のことばれてないのかな?


まぁいいやお貴族様のお家はボクには無理。あの子達には悪いけど…


ごめんね。


もうやらない・・



「わかったの。昨日頑張ったけどダメだったのね。ならもういいのです。ユズには貴族様の依頼は無理だったから次はやらないです。」


それを聞いて今日の担当受付女性がユズを叱責する。


「ユズさんあなたFランクでしょ!そんな態度でどうするの!

Fランク冒険者なんか選ぶほど依頼ないですからね。

冒険者心得よく読みなさい!」


え?何言ってるのこの人・・


全面的に向こうの言って来た事信用してるんだ・・

あっそっか相手貴族様だから…


ユズは貧民だから


ユズの話も聞かないんだ・・・少しも庇ってくれないんだ・・


相手お貴族様だから…


でもちゃんと言わなきゃ!


「あの!昨日ボク頑張って綺麗にしました!日が落ちて薄暗くなって確認して評価されたの。だからわからなかったの。

明るくなって見てもらったらわかるの!

それでもダメなら報酬も返す!あれだけ綺麗にしたのにダメって納得できないのです!ユズはきれいにしたの!」


バン!


「これ返すのね。バイバイなの」



ユズはもらった報酬をそのまま受付カウンターに置いたままギルドを出た。


カウンターの女性職員は出て行くユズに向かって叫ぶもユズは無視して出て行ってしまう。



ユズはそのまま門に向かって歩いて行った。


はぁーなんか王都って貴族様多いし、ギルドの人もお貴族様の言いなりみたいだし、ユズみたいな貧民はこの町じゃ無理みたい。


やっぱし早く王都から出て違う町に行った方がいいのかなぁ・・・ 


でもお金ないから旅する準備できない・・・


今のユズの全財産小銅貨5枚50ジェルだけ…


報酬の小銀貨10枚あれば10000ジェルか…一昨日から何も食べてないからお腹すいたなぁ…


あ!冒険者カード置いて来ちゃった。


もういいや。どうせ貧民のボクの評価なんか何やってもダメそうだし・・


貧民街に家あるけど最近誰かに見られてる気がするから、もう戻らない方がいいかも、人拐いかも知れないし…


お母さんも言ってたのね。


ユズのような小さな子供は人の少ない路地に行ったら人拐いに会うからダメって…


だからいつも周りに人がいるの確認して動くようにしてるけど...


でも最近よく見られてるような気がしたからもう戻らない方がいいかも・・・


この格好もダメなのかも、汚いし貧乏人だから攫っても捜す奴いないと思ってるのかな・・・


だったら王都の近くの森で素材とか採取して、王都の町で売ってそのお金で装備揃えたらいいかも…


旅するならこの格好はダメかも、服もズボンも下着も靴も揃えて、あと夜営する道具とリュックも欲しい。


先に靴買わないと、ずっと裸足だから町の外の街道はゴツゴツして足痛い。


ぐっ!

痛っ…

また足切った…


今王都の町から出てるし丁度いいや。


このまま近くの森に行っていろいろ試して素材集めるの。


この辺の森は深いところに行かなければ魔物でないって聞いてるし…


『よし!行くのおー!』


ユズは元気よく森に入って行った。







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