第28話ユズとルルラン

ユズは盗賊達を全て集め運搬用台車に乗せる。

120人はさすがに多い…


台車に30人乗せ台車を連結させる。


『ユズこのゴミが起きる事ないと思うけど、台車に雷撃仕込んでるから、もしゴミが騒ぎだしたらバギーに雷撃ボタンあるから指示したら押してね。』


『わかった!バンバン押してやる!』


ユズは助手席に大きくなった伯狐族の女の子を乗せてバギーを走らせる


カレンはまさか銀狐族の女の子が魔力が回復しただけで大人の女性の姿に戻るとは思ってなかったので、戻って来たときに姿を見て驚いていた。



ユズも盗賊を運搬車に運んび終わり戻って助けた女の子を見て固まる


『……誰れこの人!ねぇカレンお姉ちゃんこの女の人誰なの。あの子どこに行ったの?』


『その子はユズが助けた女の子だよ。銀狐族は魔力が異常に多いから魔力枯渇まで魔力がなくなると身体が幼女になるのよ。』


そうなんだ…


『たぶんこの子はまだ目覚めそうにないから、さっさとこのゴミをデパルスト大森林を抜けた先にあるコルトレイアの町に捨てに行くわよ。』



『えっ!王都に行くんじゃないの?』


『さすがにここまで来て王都に戻るのは遠いし、道もバギーで通れないところあるしゴミが起きたら面倒だし、それにユズいろいろ絡まれてるでしょ。

だからコルトレイアの方がいいでしょ。』


ユズは王都での出来事を思いだす。


『確かにあの貴族いるし、もうあそこの気になってる事も終わらせたし、もう王都はいいかな…』


『なら決まり!ここからならバギーであの運搬車を引っ張っても1日あれば着くから、町の門に捨てたらすぐにこの子を送って行くわよ。』


えー-!町の門って入り口だよねそんなとこに放置して素直に帰れるの?

何考えてるの!


ユズはカレンに尋ねる


『カレンお姉ちゃん町の門に捨てるってそんなの絶対止められるよ。何か考えてるの?』


カレンは襲撃されてた乗合馬車を思い出させる。


『ユズあの盗賊が襲ってた馬車覚えてる?あの馬車の行き先がコルトレイアだから、恐らく身分を隠して乗っていた回復魔法の使い手聖女様がほっといても何とかするでしょう。』


ユズはカレンの人任せのいい加減さに呆れる


えー-!そんな人任せな・・・絶対考えるのめんどくさかったんだ。


『カレンお姉ちゃんそんな人任せで上手くいくわけないじゃん。

だって捕まえた盗賊運んでる時点で目立つから!それを降ろして、はい。さよならなんてできるわけないじゃん!』


カレンは自信満々に任せなさいとユズに言う


『大丈夫だって!お姉ちゃんに任せなさい。ユズはお姉ちゃんの言う通りに話せばいいから信じなさい!』


えー-

何考えてるか知らないけど絶対上手くいかないのね。

カレンお姉ちゃん凄いのかポンコツなのかわからなくなったの

ほんと大丈夫かな・・・


ユズはバギーの後ろに運搬車を3台連ねてコルトレイアの町に到着し、門から少し離れたところにバギーを止める


すると町の門兵がユズに向かって数人走って来る。


「その馬車ちょっと待てぇー―!」


 え?馬車?バギーなのに?ほぇ?


『カレンお姉ちゃん来たよどうするの』


『ユズはあたいの言う通りに答えればいいから』


ユズはドキドキするもカレンのアドバイス通り受け答えしていく


門兵は剣を抜いてユズに迫り尋ねて来る


「おい!馬車の御者後ろの車に乗ってるのは何だ!」


ユズはフードをとりハッキリ顔を見せ答える


「はい!後ろの男の人達は指名手配されてる盗賊団レッドストーンです。」


門兵たちは驚きの声をあげる


「「はぁーー!」」


門兵の一人は応援を呼びに町に向かい残りの二人は運搬車に乗っている男たちを確認していく


兵士から盗賊の幹部の名前が聞こえて来る


「おい!こいつマークグランだぞ!」

「こっちにギリスがいる」

「こっちは赤い稲妻のサザンビーズがいる!」


兵士たちは確認をしてユズの前に再び来て問いかけて来る


「これは誰が倒したんだ!まさかお嬢さんが倒したんじゃないよね。」


え?お嬢さん… 何で

ユズはお嬢さんと言われショックを受けるがすぐに返事をする


「違います。この盗賊は今お忍びで王都から各町を巡察に出てる聖女アメリア・コルトラン様と護衛の方で捕らえました。ユ… あたいは聖女様の命令で商人の方にこの馬車と運搬車を借りて運んだだけです。」


『ユズあんたバカなの!何自分の名前を言おうとするのよ!』


『ごめんなさい・・・でもカレンお姉ちゃん何で聖女様の名前知ってるの?それに護衛何ていなかったよ。大丈夫なの?』


『心配ないわよ。たぶんまだいろいろ聞いて来るからちゃんと言う通り答えるのよ。』


兵士が100人を超える盗賊団をどうやって倒したか尋ねて来る


『お嬢さんはこの盗賊たちを倒すところを見たのかな?見てたら教えてくれるかな?』


ユズは知らないと答えるつもりだったがカレンは違った。


『カレンあの質問知らないって答えたらいいよね。』


『バカ!そんなこと言ったら離れられなくなるわよ!盗賊がどうやって捕らえたかわかれば兵士はそれを聖女様に確認するだけだし、運搬を頼まれただけと言えば離れられるわよ。任せなさい。』


ユズがカレント話し込んでると兵士が何度も聞いて来る


「お嬢さん!聞こえてるか?倒すの見たんだよね。」


ユズはカレンの言う通りに答えていく


「はい!あたい達は聖女様だと知らずに乗合馬車でここに向かってました。

そしたら森の中に入ってすぐ盗賊に投擲で馬車が止められさっきの大勢の盗賊が現れました。


聖女様はあたい達に今から見ることは言わないようにと言って馬車の外に出て魔法を唱えました。

そしたら盗賊団の周りに見たこともない大きな膜が現れました。


盗賊は攻撃してましたが膜は割れませんでした。そしたら多分護衛の人が立ち上がって、魔法を唱えて膜の中に白い煙が出て盗賊たちのほとんどが寝ちゃいました。

でも起きてる人が何人かいたのでもう一人の人が魔法で膜の中に雷を放ちました。以上です。」


兵士たちは納得したように頷きユズに話しかける


「さすが近くで見てただけあるね。男たちの様子とさっきの話しで納得したよ。

確かに眠らされてるね。後幹部達は完全に雷魔法で気絶してるね。

ありがとうお嬢ちゃん。とりあえず聖女様が来るまで待っててくれるかな。もうすぐ応援の兵士も来るから」


ユズは慌ててカレンに聞く


『カレンお姉ちゃんどうするの!聖女様来るまで待ってろだよ!』


カレンは想定通りだとユズに言って安心させる


『大丈夫兵士の言う事は想定通りよ。ユズはこう言いなさい』


ユズはカレンのアドバイス通りに兵士に話しかける


『あの… 後30分もしないうちに聖女様の馬車が到着しますよ。あたいは聖女様に冒険者ギルドに報告に行くように手紙を預かってます。兵士さんここ任せて行っていいですか?』


兵士は暫く考え了承する


「わかった。馬車を切り離して行ってくれ。このプレートを入り口の兵士に見せてゼラートからもらったと答えればいい。」


ユズは礼を言って運搬車を切り離して馬車だけで町に向かう


『ねぇカレンお姉ちゃん兵士さん達に何でこのバギーが馬車に見えてるの?』


『ああ。それはバギーを擬態魔法で馬車に見えるようにしてるのよ。触られたら擬態解けるからドキドキだったけどね。

この事ユズ言うと兵士が怪しんですぐにばれたと思うから言わなかった。』


ユズは関心していた。


『でもほんとこんなに上手くいくとは思わなかった。カレンお姉ちゃん凄いよ!尊敬するよ。』


『フフフ…当然の結果ね。あ!そんなことより早く冒険者ギルドに向かうよ。聖女様の乗った馬車見えて来たから急いで!』


ユズはうなずきスピードをあげ門に到着して貰ったプレートを見せる


「あそこのゼラートさんに貰いました。急いでるならこれを見せて通して貰えと言われました。」


門兵はゼラートをチラッとみてからユズを通す


「よし!行っていいぞ!冒険者ギルドは噴水広場を目指せばすぐにわかる」


おお親切に教えてくれた。


ユズは急ぎバギーを走らせる


カレンがこの後のことを伝える


『ユズよく聞いて!このまま冒険者ギルドに向かって途中路地に入って、そこでローブをバックにしまって、公爵家で頂いた服に着替えて依頼ボードに行きそのまま何もせず出て来たらいいわ。』


えーー!


公爵家の服って女の子のドレスだよ!


『ちょっと待って!ユズ女の子のドレス着るの?嫌だよ恥ずかしい!』


カレンはユズを叱る


『はぁー!ユズ今の状況わかってるの!この場を切り抜けるのはこれしかないの!バギーにはあの女性も乗ってるのよ!

この町の反対側の門を出ると暫く身を隠す場所のない平原が続くのよ!どうやって身を隠すの!

当然連絡が行って反対側の町からも捜索隊がでるわよ!』


ユズは素直に謝る


『ごめんなさい…カレンお姉ちゃん…』


カレンは言葉に詰まるもこらえこれからの行動をどうするかこたえた


『ぐっ…謝る姿。カワイイ…ユズこれからの事指示するわね』


『うん。』


『まずギルドに行って依頼ボードを一通り見てすぐに出て来てバギーを路地に隠しユズは公爵家で頂いた服に着替えてから宿に向かいます。

周りの様子を見て数日泊まってもいいでしょう。

周りが落ち着いてから町を出てこの子を元の場所に戻しに行きます。

ただこの子に協力して貰う必要ありますが…』

 

えーー!そんなの無理だよ


『カレンお姉ちゃんこの子人間に酷い目にあってるのに無理だと思うけど…』


カレンは同じ希少種族だから大丈夫だと答える


『この子はユズと同じ希少種族だし、助けたのユズだから大丈夫だと思うけど』

 

『カレンお姉ちゃんが言うのなら大丈夫なのかな?』


ユズが町に入ってギルドに向かい何事も起こらず予定通り出て来た。

その後カレンは探知魔法で周りを警戒して誰もいない路地を指示する


『ユズこの先左に曲がって次右に曲がったら人は誰もいない路地だから、入ったらすぐに着替えて!

着替え終わったらこの子が目覚めるの待って事情話して協力して貰うから…』


ユズはカレンの指示通り路地に入りすぐに着替える。それから待つこと鐘一つやっと女の子が目覚める


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