第27話銀狐族のルルラン
妾はセルレティアの森の奥の神域と呼ばれるところのすぐ近くの泉の回りで過ごしておった。
住まいは結界で守られてるから魔物や人間は入って来れない。
いつものように泉に水を汲みに行くために住まいを出て泉に近づいた時、人間の男達が突然現れた。
「おい!いたぞ!銀狐族しかもレア種族だ!捕まえろ!」
妾は完全に油断していた。ここに人間が来るなんて思わなかった。
『なんでここに人間が入ってこれる?幻惑の霧はどうなってるのじゃ・・・』
妾が慌てて絶対領域を張ろうとしたが間に合わず麻痺針を撃ち込まれて妾は人間に捕まってしもうた。
気がついたらどこかの洞窟の中で魔力を封じる手枷を嵌められ吊るされ逃げれないように脚の腱を切られた。
妾の足元には魔力を吸収する大きな魔石が置かれ、魔力を吸収するための魔法陣が書かれていた。
妾達銀狐族はこの世界に数か所ある女神様の神域の場所、女神の泉を守る役目がある。
妾たちは結界で守られた神域に自由に入ることができるが、神域内の神力の影響で長く留まることはできない。
そのため泉の近くで住処を作り幻惑の霧を発生させ魔物や人間が結界に近寄れないようにしていた。
女神様は神域の結界は周りの魔素が濁ったり薄くなると人間の高ランクの魔導士や強い魔物なら破壊できるらしい。
だから妾達泉の守護者がそういった魔物や人間を近づけさせないために泉を守っていた。
なのに・・・油断した
『アマテラス様申し訳ございません・・・』
神域を守るために女神さまから加護を与えられ神獣種と言われているのに・・・
人間め馬鹿なことをしよる!
地上の神域は女神様や神徒様が数十年に一度地上に降りて来て世界の魔素を調査調整するための場所なのじゃぞ!
魔力の元の魔素が少なくなったり濁ったりしたらこの地上から精霊がいなくなり植物は枯れ強力な魔物が溢れるのじゃぞ!
馬鹿な人間じゃ欲のために妾を捕らえるか・・・
この国も終いじゃのやがて泉の付近は魔素が濁り泉も枯れるじゃろ。
そしたら濁った魔素を得た魔物が成長し強力になり氾濫が起るじゃろ
妾が管理していた泉以外の場所も心配じゃの・・・
妾達銀狐は守りに特化した種族じゃからせめて攻撃に特化した種族でもいてくれたら・・・
金狐族の九尾種でもいてくれたら・・・
あやつも人間に追い詰められ行方がわかっておらんのじゃった。
人間なんて滅べばいいのじゃ忌々しい!
しかしどうやって幻惑の霧を抜けてきたんじゃ・・・まぁ油断した妾が悪いか・・
人間の目的は妾の魔力じゃろ。妾の魔力は特殊じゃし多いからそれが狙いじゃろ
本当に人間はどうしようもない種族じゃ…妾達希少種族が減れば女神アマテラス様の世界が荒れるのがわからぬのか…
人間にも女神さま言葉が伝わっておるはずじゃが・・・
馬鹿な人間…
・・・・・・・・・・・・・・
妾は気がつけば洞窟の壁に魔力を封じる手枷を嵌められ吊るされ逃げれないように脚の腱を切られていた。
妾の足元には魔力を吸収する大きな魔石が置かれ、魔力を吸収するための魔法陣が書かれていた。
妾を捕らえた人間が毎日入って来て鞭で打たれ、妾の感情を乱しその度魔力が抜け、魔石の色も変化している。
あれから何日たったのでしようか…
また誰かが入って来ました
「おい!魔石がいい感じで変わってるな。魔石を替えろ!こいつかなり魔力多いみたいだから今回はかなりの魔石が満タンになるぞ。」
男達はニヤニヤ笑い魔石の話をする
「レア種族の魔力は純度が高いから魔石の色が全然違うから高く売れる。この魔石だとかなりの金額になるぞフハハ」
「こいつ何か小さくなってません?」
男達は妾の状態を見て笑い出す。
「やっぱレア種は変わってるぜ!魔力奪いとったら大人の女がガキになった?笑えるぜ!
ハハハ」
「もっと奪いとったらどうなるんでしょうね。」
「どうせ絞り取るんだやれ!」
「わかりやした。」
男達は魔石を替えてから妾を鞭打ちます。
妾はできるだけ感情を殺し無表情で男達を見つめますが、それでも痛みに耐えれず魔力がでていきます。
男達は妾から溢れ出る魔力で魔石の色が変化するのを面白がって強く鞭打ちます。
妾は耐えれなくなり意識を失くしました。
あれから何度も意識を失いとうとう妾の魔力も残りわずかで長く生きれないのがわかります。
『アマテラス様… 泉を守る妾が油断してこんな事になってしまいました。申し訳ございません。できるなら最後に一目お会いしたかったです…』
ボン!
ボン!
あらどうしたのかしら?何か破裂するような音が聞こえましたけど…
何か静かになりましたね。
何が起こってるのでしようか?
でも助けがきても妾は人間では回復ができない…せめて魔力がもう少し残っていれば…
ガク…
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