第14話王国A級薬師ミレリアル・ベルーナ
ここか・・呼吸を整えて扉を開ける
「お邪魔しまーす。」
バタン
奥から声がする
「おやこれは可愛いお客さんだね。」
奥から出て来たのは美人の耳の尖った女性だった。
『わーエルフの綺麗な女性だぁー』
『ユズ少し落ち着いて貴方の魔力が溢れてるから外の探索者に気づかれるわよ。』
え?それヤバイじゃん
ユズは高ぶる気持ちを鎮める
ふぅーーーすぅーー
エルフの女性がボクに聞いて来る
「どうしたんだい珍しい小人族のお嬢さん」
え?この人ボクが人族じゃないのわかってるの?
カレンが教えてくれる
『ユズこの人はA級薬師よ。当然人物鑑定は持ってるわ。種族も希少なハイエルフだしかなり高レベルの人物よ。なんでこんなところで薬師なんてしてるのか不思議なくらいね。』
そうなんだ。でもこの人になら薬草売れるんじゃない?いい人そうだし・・
カレンに聞いてみよ。
『ねぇカレンこの人に薬草売ってお金稼ぐのはどうかな?』
カレンはあっさり答える
『うん。いいかも!この人も特殊な事情ありそうだから黙っててくれるかもね。』
ボクは薬師のお姉さんにいろいろ聞いてみた。
「ボクユズって言います。何でボクが人族じゃないってわかったですか?」
お姉さんは少し微笑んで答えてくれる
「あたしはミレリアル・ベルーナよ。見ての通りエルフだから薬草の扱い慣れてるから薬師をしてるわ。
その影響で鑑定のスキルを持ってるからわかったのよ。ごめんなさい。
でもお嬢さんはただただのドワーフじゃなさそうね。」
「アハハハ・・」
『ユズこの人は話してても魔力の揺らぎないから信用出来ると思うから薬草売ってもいいわよ。』
カレンはその人の性格も見抜くんだ・・とにかくお金稼いでパンとか食糧買わないとね。
「ボクの種族なんかどうでもいいじゃないですか!それよりミレリアルさんここって薬草とか買ってもらえますか?」
ミレリアルは意外な反応に驚き答える
「おや薬草を売りに来たのかい。そりゃたすかるよ。冒険者ギルドに依頼してるんだけどねぇなかなか手に入らなくてね。
困ってたんだよ、お嬢さん持ってるなら低品質でも買い取るよ。」
やったぁー
ボクはバックから取り出そうとしてカレンに止められる
『ユズっちょっと待って!あんた今手にしたのヒルシル草上級薬草よ。しかも高品質そんなのいきなり出したらまた問題になるわよ。ギルドの依頼よく思い出してみなさい!』
ギルドの依頼は確か・・
ヒルラナ草(低品質も可) 大銅貨5枚
ロキソル草(低品質も可) 大銅貨10枚
アロエナ草(低品質も可) 大銅貨15枚
だったような・・
ボクのマジックバックの中にあるのは・・
ヒルラナ草高品質100束 レア度★★★★☆☆☆
(傷、消耗HP回復薬の材料)
ロキニソ草高品質50束 レア度★★★★☆☆☆
(状態異常、頭痛等痛み止め薬の材料)
アロエナ草高品質30束 レア度★★★★☆☆☆
(裂傷、火傷、皮膚腐敗等回復薬の材料)
ヒルシル草高品質50束 レア度★★★★★★☆
(重傷、消耗HP回復薬の材料)
キシルア草高品質30束 レア度★★★★★★☆
(石化、硬化、回復薬の材料)
ショコナ草高品質30束 レア度★★★★★★☆
(精神力MP回復薬の材料)
HP回復低ポーション Aランク 回復力70% 裂傷軽度100%
HP回復高ハイポーション Sランク 回復力100% 裂傷重度、骨折重度100%
MP回復高エックスシール Sランク 回復力100% 軽度状態異常、混乱 回復
うーんこれは…ギルドに依頼ない上級のヒルシル草は出したらダメぽいよね…
でもこのお姉さんなら高品質ヒルラナ草だしても大丈夫かなぁ…
「あの薬草あるんですけど…だしていいですか?」
お姉さんはボクが持ってる事に驚いていた。
「え?嬉しいわ薬草このテーブルの上にだしてくれるかしら」
ボクは言われた通りテーブルの上に薬草を出した。
「わかりました。」
ドサ
お姉さんは薬草を見て驚く
「え?魔力が溢れてる…鑑定するまでもない高品質素晴らしいわ。是非買い取らせてほしいわ。」
ユズは意外な反応に驚いている
え?いいの?騒がないんだ…
カレンも予想に反した反応が気になりユズに聞いて貰った。
『ユズ意外ですね。あたいももっとも騒ぐと思ってましたから、理由を聞いて見て下さい。』
ユズはその他の薬草の事も気になったので聞いて見た。
「あのボクの薬草問題なかったですか?後他の薬草の事もいろいろ教えてほしいです。」
ミレリアルは微笑みながら答える
「フフフその感じだと私が何も言わず高品質のヒルラナ草を買い取る事に驚いたのかしら、確かに高品質のヒルナラ草はかなりレアよ。
お嬢さんはドワーフしかも素性を隠してるわよね。
だから最初は驚いたけど、お嬢さんのこと特別な感じがしてたから…だからどんな薬草でもいいわよ。」
それを聞いたカレンはユズに上級のヒルシル草を出すように指示する
『ユズこの方なら大丈夫です。上級ヒルシル草出して見て下さい。』
ユズは言われた通り上級ヒルシル草を出して見る
「ミレリアルさんじゃこれも買取できますか?他の薬草出していいですか?」
ドサッ
「………」
あれ?黙っちゃった…
「あの…ミレリアルさん?」
ミレリアルは魔力が溢れ葉が生き生きしてるヒルシル草を見て言葉を失う
『嘘でしょ!超希少なヒルシル草しかも高品質…こんなのエルフの里の奥地でも無いわよ。
この子一体何者なの…まだ他にも持ってるって言ってたけど…とんでもない子ね。』
ミレリアルは希少な薬草を持ち込んだユズの機嫌を損ねないように冷静に対処する。
「ユズちゃん希少な薬草見せてくれてありがとう。これも先ほどのヒルナラ草も全て買い取らせて貰うわ。
他にもあるなら買い取るわよ。ただし私の店だけにした方がいいわよ。
冒険者ギルドや商業ギルドに持ち込んだら、大騒ぎになって大変な事になると思うから気をつけなさい。」
ボクは素直にお礼を言った
「ありがとなのです。じゃ今持ってるのだします。」
ユズはヒルラナ草を10束だして買取して貰った。
「これで全部です。」
お姉さんはニコニコしながら確認してお金を渡してくれた。
「ヒルラナ草高品質30束金貨30枚ヒルシル草高品質10束金貨100枚で買取わよ。」
おお!凄い資金ができた。
ユズが喜んでるとカレンが話しかけてくる
『ユズどうして残りの薬草も買い取って貰わなかったのですか?この人なら大丈夫だと言ったよね。』
そうなんだけど…ちょっと考える事あって…
カレンは何かブッブツ言ってたけどお金もできたから何も言わなかった。
ユズはお金を受けとり店を出て、街で服と下着や靴、小麦粉や塩砂糖を手に入れ後小さいフライパン等必要な物を揃えて回った。
『ユズ必要な物だいたい揃ったからそろそろ町をでましょう。
先ほどユズをつけて来てた者に見つかります。
悪い方々ではなさそうですが、のんびりできなくなりそうなので早く出ましょう。』
ユズはカレンに言われ急いで離れる。
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