第15話ユズ争奪戦

『ユズ必要な物だいたい揃ったからそろそろ町をでましょう。

先ほどユズをつけて来てた者に見つかります。

悪い方々ではなさそうですが、のんびりできなくなりそうなので早く出ましょう。』


ユズはカレンに言われ急いで離れる



『ユズこのまま行けば出くわします。次の角を右に曲がって!』


『わかった』


はぁはぁ…


『次をよ早く!急いで!追いつかれるわ!』


はぁはぁ…


『だめもう…はぁ…』


言われた角をまがると向こうから二人の女性が叫びながら走ってくる。


「ユズちゃん待ってー!」


「話を聞いてえー!」


ヤバいヤバい


逃げなきゃ


『ユズそっちはダメー…』


あそこの路地に逃げ込めば…


結局ユズはギルド職員達によって捕まり冒険者ギルドに連行されて行く。


『人の言う事きかないから…ユズのバカ!』



ギルド職員のナナシーはユズを抱きしめた状態でギルドの建物まで歩いて行く


ユズは恥ずかしく何度もおろして貰うようにお願いする


「お姉さん恥ずかしいからおろしてなの。ねぇおろしてぇ」


ナナシーはユズを見つめにっこり微笑み


「ダメよ。ユズちゃん逃げようとするじゃない。」


追いついた他の職員がナナシーに文句を言う


「ナナシー何よその抱きかた!顔くついてるじゃない!ずるい!普通にしなさいよ!」


「そうよ!羨ましい…私にも抱かせてよ。」


えーー!何言ってるのこの人達…


「お姉さんユズ身体も服も汚いし臭いからおろしてなの。」


ナナシーは顔をすりすりさせてユズを見る


「フフフほら問題ないわ。ユズちゃん柔らかくて気持ちいいからナナシーは好きよ。」


ついて来てる二人がギャーギャーと騒ぐ


「ナナシーずるいわ!交代しなさいよ。」

「そうよ私にも抱かせてよ!」


なんなのこの人達…


カレンは文句をいいながらユズに話しかける


『ほんとさっさとおろしてほしいわ。羨ましい。ユズ心配しなくても大丈夫よ。この人達に悪意は感じないからこのまま流れに任せましよう』


『わかったの。でも恥ずかしい…』



ユズはギルド職員のナナシー達に連れられ冒険者ギルドに向かった。


その途中商業ギルド職員に道を阻まれる


「ちょっとお待ち下さい。その方をどうされるのでしょうか?

あ!失礼しました。私商業ギルド人材発掘官ベルメルアと申します。」


ユズ達の前に立ちふさがったのは商業ギルド職員達だった。


ナナシーも警戒してユズを隠すように抱きしめ、二人の職員ルチアとヘルシスはユズを隠すように、ナナシーの前に立ちベルメラに尋ねる


「私冒険者ギルド受付主任のルチアと申します。ユズちゃんに何か御用でしょうか?

ユズちゃんは冒険者ギルドでも重要な方なのです。

要件があるのなら冒険者ギルドまでお越しください。」


えーー!

何これ!


商業ギルドの人まで出てきたじゃん。

それに何ユズが重要な方って…


ユズはややこしい問題になった事にカレンに文句を言う


『商業ギルドってカレンのせいじゃん!どうするんだよぉー!』


カレンもユズに怒る


『何言ってるの冒険者ギルドはユズじゃん!どうせ考えなしに魔法使ったんでしょ!』


『だってあの時カレンの使い方わからなかったし、こんな事になるなんて思わなかったから…

ん?ちょっと待ってあの時たぶんカレン何かしたよね。全部カレンじゃん!』


『言い訳しない!ユズはこれから私の事はカレンお姉ちゃんって呼びなさい!わかった。』


『えーー!商業ギルドも冒険者ギルドも全部カレンのせいじゃん!』


『何!あの時目覚めてすぐだったから上手く能力使えなかったのよ、文句あるの!

これから助けてあげないよ。それでもいいの!』


えーー!そんなぁー


カレンってボクのスキルだよね。無茶苦茶だぁ


『何黙ってるの!返事は?』


ボクが主人なのに…


『…ぅぅわかったの』


『これからユズはあたいの事カレンお姉ちゃんって呼びなさい!』


『えーー!何でよ…ボクが主人なのに…』


『何文句あるの!』



『わかったのカレンお姉ちゃん…』


『ぐっ…そ・それでいいわ。』


はぁ…何このAIスキル人格出過ぎじゃん。

なんかほんとのお姉ちゃんがいるみたい…

はぁ…


まぁいいかボクのためにいろいろサポートしてくれるんだから…


「……ちゃん。ユズちゃん!聞いてる?」


あ!カレンとの話しに夢中で聞こえなかった…


「はい!聞こえてます」


ナナシーが話しがついて商業ギルドの人も一緒に冒険者ギルドについて来る事になった事を教えてくれた。


「ユズちゃんなんか寝てたみたいだから一応言っておくね。

前にいる商業ギルドの人達も一緒に冒険者ギルドに行く事になったから」


ボクはどうしようもないのわかってたから頷いた。


「わかったの」


もうこれからどうなるんだろ…


はぁー不安だぁ…



その頃冒険者ギルドでは、パンジーが商業ギルドの人間が来るのを聞いて、ユズが重要人物なのをアピールするために、ほとんどの職員を集め出迎える。


「いいわね。ユズちゃんは公爵家当主に謝罪したいと言わせる事をした人物だ!


冒険者ギルドにとっても大きな益をもたらしてくれる人物になるだろう。

今ナナシーが保護しもうすぐ着く、ただし商業ギルド職員も一緒にだ。


ユズちゃんを商業ギルドに取られる訳にはいかないわ!公爵家の依頼のギルドの不手際は絶対に漏らしてはダメよ!

ユズちゃんにも喋らせたらダメよ!」


「「「わかりました。」」」

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