第30話ルルランの決意

ユズは路地に入った後カレンに、女の子が目を覚ますからと告げられ、驚かせないようにさっさと服を着替える


しかし何で女の子の格好しないといけないのかまだ納得できないでいた。


『ねえカレンお姉ちゃん。ギルドに行くのもこの子が目覚めた時も何で女の子の格好しないとダメなの?」


カレンが何度も言ってると叱りつける


『ユズいい加減諦めなさい!何度も言ってるでしょ!警備局の人が調べに来ても、御者の時と容姿が変わってれば調べられなくて済むでしよ。

それに汚ならしい格好だとその子が目覚めた時警戒するでしよ!』


『わかったから怒らないでよ…』


はぁードレスかぁ…


恥ずかしいのに…


ユズは仕方なく着替える


ヘルマン公爵家のドレスは完全に貴族の女の子用でユズが着るとかなりの目立つ容姿になる。それでもカレンは容赦なく髪まで指示する


『ユズそのお嬢様ドレスに似合うように髪もあたいの言う通りにセットしてバックの中に入れてる髪飾りをつけなさい!』


ユズは何を言っても無駄だと悟り言われるまま髪をセットして髪飾りをつける。


『わかったの…』


靴も公爵家のメイド長がユズのためにとわざわざ作らせた物を履かせる


カレンは綺麗に整ったユズの容姿を見て悶える


『か・可愛い~ユズこれからそれがいいわ。』


ユズはカレンの発言に全力で拒否する


『えーー!絶対嫌!今回だけなの!恥ずかしくて死んじゃう!』


カレンは全力拒否のユズを見てボソリ呟く


『フフフ…作戦通りよ。この先ユズは王都の件があるから男の子の姿では町に入れないわ。だから当分女装確定ね。いくつか令嬢以外の服も必要になるわね。上手く言って買わせないといけないわね。』


いろいろ考えてると眠ってた女の子が目覚める


「うう…ここはどこ…」


ユズが女の子に話しかける


「よかった。どこか痛いところない?」


ルルランは自分の姿が完全に元に戻り魔力も回復してることに驚く


『え?妾の魔力が回復してる…絶対ありえぬはずなのじゃが…何で?この子は人族の女の子でしよ?この子が助けてくれたのか?』


ルルランは目に魔力を込めユズを見つめる


『え?この子人族じゃない!初めて見たのじゃエンシントドワーフ…妾と同じ希少な古代種族…この子が助けてくれたのか。なら納得じゃの。』


ルルランはユズの手を握りお礼を言う


「ユズ様此度は妾を助けて頂きありがとうございます。」


ユズは名前を言われた事に驚く


「えーー!何でわかったのおー!」


カレンは上手くいったことに喜ぶ


『ユズその子も希少種族よ鑑定のスキルくらい持ってるわよ。そんなに驚かない!その子警戒してないから今からその子にいろいろ協力して貰って、後で森に送る事伝えなさい!』


ユズは頷きルルラン話しかける


「はい!お姉さんを助けたのはユズです。お姉さんを捕まえてた悪いゴミは、全員ユズが捕まえてこの町の入り口に捨てて来たの。」


「え?」


ルルランはユズの捨ててきたの言葉に驚く


『この子何を言ってるのじゃ?妾を捕まえたあの狡猾な男達を全員捕まえた?確かあの時の魔力の数からかなりの人数いたはずじゃが…』



ユズはルルランに見つめられて下を向きながら話を続ける


「それであの…お姉さんにお願いが…」


ルルランはあわてて答える


「すまぬ。名乗ってなかったの。妾は銀狐族のルルランと申す。何でも協力するから安心してたもれ。」



その言葉にユズはほっとする。


「ありがとうなの。ルルランさんユズのことは呼び捨てでいの。ユズまだ8歳だから様は嫌なの。」


ルルランは頷きユズに優しく話しかける


「わかった。ユズちゃん妾に何をしてほしいのじゃ?ユズちゃんいろいろやらかしてそうじゃしの… 妾は母のふりすればいいのかのうフフフ…」


ユズはルルランの言葉に恥ずかしくなり下を向き黙りこむ


ルルランはそんなユズを見て微笑み抱き寄せる


ギュー


はぅー


「フフフこれでいいかしら…ユズちゃんルルランを助けてくれてありがう。

あのままだとあと数日で死んでいたわ。だから決めました。

妾はユズちゃんの手助けするわ。これからずっと一緒に…だからお母さんのふりでも何でもするわよウフフ…」


カレンは黙り込むユズに話しかける



『ユズやったわね。これでお姉ちゃんも安心だわ。ユズがずっと一人だったから心配だったの。

ルルランは信頼できるからユズのこと全部話していいかもよ。

たぶんあたいの事も気づいてるわ。だから全て話した方がいいわ。』


『わかった。』


ルルランを助けてここまで来た出来事を全て話した。



盗賊団が聖女様達も襲撃しょうととしてたので隠れ家を調べて盗賊団を全員倒した事。


その時ルルランが捕らえてたので助けて治療したこと。

その時自分で作った回復ポーションと、魔力も回復するポーションを飲ませた事。


倒した盗賊団をスキルを使って作った車でここまで一人で運んで来た事。


運んで来た盗賊団を入り口に運搬車ごと置いて、盗賊団を倒したのを聖女様達が倒した事にして逃げて来た事


王都でも公爵家でいろいろやってしまった事も伝える


それを聞いてルルランは呆れる


「ユズちゃんは随分いろいろやらかしてるんじゃの。ユズちゃんの中にいる精霊様も苦労してそうじゃのぉちゃんと言う通りにしてるのかなフフフ…」


ユズはカレンのことを言われ驚く


カレンは自分の存在がわかった事に予想通りだったので納得する


『やっぱりこの人知ってたか…』


驚くユズにルルランはユズを安心させるために提案をする


「ユズちゃんそんなに驚かないで、心配しなくても貴方の中にいる精霊様の事誰にも言わぬ。

もし信用出来ぬのなら妾を隷属してもよい。

うん是非そうしてたもれ!そしたら妾も精霊様の声聞こえるのじゃ。」


えーー!


「何言ってるですか!そんな事しないです。」


するとルルランが剥れる



「ぶぅぶぅ!何でじゃ!妾ユズちゃんの奴隷でいいから…ねぇお願いなのじゃ。」


えーー!何言ってるのこの人!

奴隷でいいって無茶苦茶だ!


「奴隷ダメなら眷属として契約して妾を従えて!お願いじゃユズちゃん。」


嫌嫌ダメに決まってるでしょ!

何なのこの人…


「そんな事できません!」


するとルルランは泣きだし口調も変わる


「グス…やっぱり妾全然信用されてないのね…グス

わかった…  一人でまたあの誰もいない森に戻るから…ゥゥ 

ユズちゃんありがとう無理言ってごめんなさい…ゥゥ」


カレンはルルランの行動はわかってたが何も言わず黙ってユズの行動を見てる


ユズはずっと下を向いたままぶつぶつ言っている


「わかった…する…」


カレンは予想通りだと思い


『まぁこうなるわね。』


ルルランは心の中で雄叫びをあげている


『やったわー!勝ったのじゃー!』


ユズはルルランにお願いをする


「ルルランさん契約は待ってなの。カレン…あ!ユズの中の精霊さんの名前です。

契約しなくてもカレンと話せるように出来ないか聞いて見ます。

それまで待って貰えますか?」


ルルランは聞いて見るの言葉に反応する



「ユズちゃん聞くって誰に?精霊さん?」


「違うのママに…でもここじゃお話しできないからできる場所に行かないとダメなの」


カレンもユズがママに聞くと聞いて驚き問いただす


『ちょっとユズママって誰よ!ここじゃ話せないってどう言うことよ!』


「ユズちゃんどう言うことじゃ妾にわかるように説明してくれぬか」


ユズが恥ずかしそうに二人に答える


「・・・女神アマテラスママなの」


さすがにこの発言にカレンもルルランも驚く


『はぁーーー!』

「えーー!」




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