第37話チェスラル商業ギルド
次の日ユズたちはチェスラル冒険者ギルドに向かう前に商業ギルドに向かった。
カレンはルルランに話しかける
『ルルラン冒険者ギルドに向かう前に先に商業ギルドに向かってください。ユズは商業ギルドについたらギルドが喜ぶ商品を卸してあげましょう。多分この町でのあたい達の行動に協力してくれるはずです。』
『妾は手紙を渡して依頼をすればいいのじゃな。』
『そうです。』
ユズは商業ギルドに入る前にドキドキしていた。
また何か起こるんじゃないかと・・・
『カレンお姉ちゃん大丈夫かなぁこの町の冒険者ギルドがだめだから商業ギルドもダメかもしれないよ』
カレンは事前に情報をつかんでいたため何も言わなかった
『とにかく中に入ってみればわかるわよ。』
ユズは商業ギルドの前に来て躊躇する
『なんかなぁ・・・大丈夫かなぁ』
そんなユズにカレンは喝を入れ
『はぁ・・・ユズあんた男でしょ!何をごちゃごちゃ言ってるのよ!大丈夫だと言ってるんだからさっさと入りなさい!ルルランよろしく』
ルルランは頷きユズの手を握り扉を開け中に入っていく。
ユズの容姿はギルドに来る前に宿で男の子の格好に戻しルルランは獣人ではなく人族の姿に変えていた。
中に入ると朝も早いこともあり職員以外の人は見えず、ユズたちは何事もなく受付までたどり着くと受付の女性は挨拶をしてくる
「おはようございます。チェスラル商業ギルド一般受付ナナシーです。どういった御用でしょうか?」
受付カウンターでユズはルルランに抱っこされた状態でギルド証を見せる。
「今日はユズの作ったリンシャーとソフトソープと胡椒と塩と砂糖を買取してもらいに来ました。」
ユズがリンシャーとソフトソープと言ったのでナナシーは驚く
「え?リンシャーってちょっと待ってください。申し訳ないのですがギルドカード提出願いますか?」
ユズはすぐにギルドカードを提出する。
するとナナシーはブツブツ言って横にいた同僚にカードを渡し合図をする
同僚の女性はすぐに頷き奥に消える
「ユズ様少しあちらの打合せ室に来ていただけますか。」
ユズは不安になりルルランを見る。ルルランは大丈夫だと言ってユズの手を握り安心させる
カレンも予想通りだからとユズに安心するように言う
「ユズ大丈夫じゃ。カレンも言ってるじゃろ予定通りだって、たぶん責任者が出てくるはずじゃ」
『ユズ商業ギルドは恐らくユズに全面協力してくると思うから、その時に手紙のことお願いして、もし何か言ってきたらこの前作った女性の肌のための化粧水と乳液、ファンデーションを渡してあげたらいいわ。』
『わかった。』
しばらく待っているとすぐに責任者と他数名が入ってくる
「あなたがユズ様ですか?私この商業ギルドのギルドマスターキャロルです。この度は貴重なリンシャーとソフトソープを納入していただけると聞いてご挨拶に伺いました。」
補佐の女性も挨拶してくる
「マスターの補佐ウミレです。王都の商業ギルドから通達があり、商業ギルドにユズ様がいらっしゃったら失礼のないよう対応するように言われています。
今回は今や入手が困難になっている貴重なリンシャーとソフトソープの納品ありがとうございます。
それでどれくらい卸していただけるのでしょうか?」
ユズはギルマスと補佐の女性それにほかの女性からの圧に圧倒される
『え?なにこれ・・・そんなにリンシャー人気なの?』
カレンも予想以上の反応に驚く
『この反応はちょっと驚きだけど彼女たちはユズに好意てきだから問題ないかな・・・この人達なら収納鞄から出しても問題ないでしょう』
ルルランはギルマス達の圧にユズが驚いてるので落ち着くように言う
「皆ちょっと落ち着くのじゃ。ユズが驚いておる。」
「ごめんなさいユズちゃん」
ユズもそんなギルマス達にお願いをする
「リンシャーは今持ってるだけ渡します。でもお願いがあります。」
そう言ってユズは手紙をテーブルの上に置き事情を話す
「この手紙を王都の冒険者ギルドのギルドマスターに届けてほしいのです。実はさっき町で孤児院の子供が冒険者に・・・・・なんです。」
「なるほどまたあいつらか・・・私たち商業ギルドの方でもクレームを入れているが一向に改善されず逆に我々に嫌がらせをしてくる。なるほど王都のギルマス宛・・・しかもユズちゃんからなら効果あるかもしれませんね。」
「そうですね。これならいけるかもしれません。責任をもって配達します。」
「よろしくお願いします。」
ギルマス達は商品のことを尋ねる
「それでユズ様リンシャーとソフトソープはどれくらい納入していただけるのでしょうか?」
ユズはカレンに聞くとカレンは今持ってる半分を渡すように言う
ユズは頷き見本の数本をテーブルの上に置き残りを応接室の床に100本入りの木箱を10箱づつ置いていく
ニュードン!
ニュードン!
ニュードン!
ニュードン!
「全部でリンシャーが1000本ソフトソープが1000本です。」
これがその見本です。
コト!
コト!
コト!
ギルマス達は初めて見るリンシャーに目を輝かせる
「こ・これがリンシャーとソフトソープ・・・」
リンシャーを見てウミレが尋ねる
「ユズ様は近々王都には戻られますか?」
ウミレの質問にルルランが尋ねる
「ウミレよどう言う意味じゃ?」
「実はリンシャーとソフトソープに関しては王都でも生産が追い付かず入手困難な超人気の商品です。ですから、これ程の数があると知られたら運んでる道中で盗賊などの襲撃が十分考えられます。」
ギルマスは目の前に置かれたリンシャーとソフトソープを見て呟く
『開発者の現品は妖精の作ったリンシャーとして噂が広まり1本10倍以上の値段が付くほどの人気になってるなんて言えない・・・
恐らくオークションに出すととんでもない値段が付く・・・一応品質を鑑定してみるか・・・』
「リオン一応ユズ様のリンシャーとソフトソープを鑑定してみてくれ」
「わかりました。ユズ様商品を念のため鑑定させていただきます。」
☆リンシャー 最高品質
髪専用洗剤
髪のダメージケアA・保湿潤いA・香りA
頭皮からの癒しリラックス効果
製作者ユズ
☆ソフトソープ 最高品質
身体・洗顔専用洗剤
汚れ除去99%・保湿A・香りA
洗剤の効果で体全体のリラックス効果
製作者ユズ
☆リンシャー 低品質
髪専用洗剤
髪のダメージC・保湿潤いC・香りC
頭皮からの癒しリラックス効果認められず
製作者商業ギルド
☆ソフトソープ 低品質
身体・洗顔専用洗剤
汚れ除去70%・保湿C・香りC
洗剤の効果で体全体のリラックス効果認められず
製作者商業ギルド
☆固形石鹸 低品質
ダメージ・香り共F以下
オイルを塗り髪を整える必要あり
リオンは鑑定結果を紙に写しギルマスにわたしユズ達な結果を伝える
「やはり製作者ユズ様のリンシャーとソフトソープは素晴らしいですね。運搬に関しては王都本部と相談してみます。おそらくこちらで販売する形になると思います。」
ウミレがユズにさらにお願いをしてくる
「ユズ様何か新しい商品はございませんか?なんでもいいです。」
ユズはこの町の孤児院の子供たちを何かあったら保護してもらう条件をつけて新しい商品を出す
「あります。でもお願いがあるの。この町の子供たちが冒険者の人たちから暴力を振るわれたり、何かされたら助けてくれるなら新商品見せます。金貨1枚くらいで売れるかな?」
それを聞いてキャロルとウミレは頷く
「わかった。任せてくれ!商業ギルドの方で巡回を増やして対処する。」
「私たちギルドで定期的に孤児院訪問して確認するわ。」
それを聞いてユズはルルランを見る。
ルルランは頷きバックを開ける
コトッ
「これが化粧水です。お肌を保湿してくれます。」
コトッ
「これが乳液です。お肌がプルプルになります」
コトッ
「洗顔用ソープです。」
「今から説明します。まずこの洗顔専用ソープで顔を洗ってタオルで優しくふき取り、次に化粧水を掌にこれくらい載せて顔全体になじませます。
次に乳液を全体になじませます。多分お肌が若返ると思います。一度試してくださいなの」
「!」
「!」
肌が若返ると聞いてギルマス達は驚き、すぐにウミレがテーブルの商品を持ち部屋を出ていく。
しばらくしてウミレが数人の職員に連行されて入ってくる。
「やメローー離してえー!」
ユズも連行されてきたウミレを見て驚く
『えーー!若返ってる?あそこまで綺麗な肌になるの?えーー!』
「失礼します。ユズ様!これはとんでもない商品ですよ!ギルマス見て下さい!
ウミレのカサカサの肌がプルプル艶々何ですよ!完全に若返ってます!しかもつける量は少しでいいなんてこれはダメです!金貨10枚でもお金を貯めて買いますよ!」
「ユズ様こんな素晴らしい商品は金貨1枚なんかで売らないで下さい!暴動が起き奪い合いになります。」
えーーーー!
そんなに…
ユズもルルランも長命種族でまだ若いので驚いてるのがわからない。
固まるユズにキャロルがお願いをする
「ユズ様はよくわかってないようなのではっきりと言わせて貰います。この商品は貴族女性なら金貨10枚でも奪い合いになると思います。」
そんなに…
『ユズこれでハッキリしたわ。ユズが作った商品は全てギルドに任せた方がいいわね。』
はぁー?何言ってるの全部カレンお姉ちゃんじゃん!
まぁ騒がれるの商業ギルドだしユズに被害ないからいいけど
ユズはギルマスに頼み込まれ商品をそれぞれ100づつ納品した。
キャロル職員を集めユズを紹介し何かあれば商業ギルドが全面的にバックアップするように指示をする。
「皆商業ギルドはこの可愛いユズ様を全面的にバックアップする。ユズ様何かあったら遠慮なく商業ギルドを頼ってください。」
カレンが戸惑うユズに捕捉する。
『ユズこれから冒険者ギルドにいくんだからちょうどいいじゃない。』
ユズは頷き整列してる職員達に挨拶をしてギルドを出る
「ありがとうなの。何かあったらお願いなの。」
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