第36話チェスラルの冒険者
カレンは男たちの状態を確認し上着を脱がせ後ろ手に縛り上げユズを呼ぶ。
『ユズ子供達はどんな感じじゃ。』
『かなり酷い怪我だけどカレンお姉ちゃんに言われて今からヒールポーション飲ませる。』
ルルランは頷き脱がせた男達の背中にカレンが作ったペンで落書きしていく
カキカキ
《ボクたちは何もしてない孤児院の子供二人に暴行をして大怪我をさせた屑冒険者です。罰を与えて下さい。》
「まぁこんなもんじゃろ」
ユズはルルランが男達を縛り上げてる間にカレンの指示通りに子供達をチェックしてヒールポーションを飲ませて行く
「ごめんね。助けるの遅くなって、これ飲んで怪我治るから心配いらないから」
二人の子供はポーションを飲み怪我が完全に回復する
ゴクゴク
「凄いの...こんな薬高いんじゃ。ありがとうお姉ちゃん・・・」
ゴクゴク
「なんか凄いの...これホワホワして気持ちいいの。あれ?痛いの消えたの」
ユズは子供たちを回復させた後場所を移動してこの町について尋ねる
「ここなら大丈夫じゃろ。君たち少しこの町のことで教えてほしいことあるんじゃがいいかな?妾はルルランでこの子は娘のユズじゃ。」
「うん」
子供たちによるとこのチェスラルはルックナー男爵が治めていて孤児にはすごく優しく悪いことする人には厳しいらしい。でも町で悪いことする冒険者には何も言えないらしい。
冒険者ギルドに孤児院の先生と男爵とで冒険者のことで怒ってもらうように言ったけどダメだったらしい
「なるほどのぉ。子たちは前にも同じようなことがあって院長先生と男爵先生と一緒にギルドに行ったのじゃな。」
「ミユラー先生もルックナーのおじさんもケリーが冒険者さんに蹴られて大けがしたので一緒にギルドに行ったけど、偉い人がなんかすごく馬鹿にしてて注意しますって言ったけど何も変わらないの」
カレンが町の大人たちの会話からも情報を集めユズたちに話す
『ユズ、ルルラン聞いてください。この町のルックナー男爵は凄く子供が好きみたいですね。町の孤児院には国からの補助金以外にも個人的に援助寄付してるみたいです。
街で子供たちに会った時も優しく振舞い子供たちからも好かれています。』
『そんないい人なら何とかしてあげたいなぁ』
『要するにこの町の冒険者に屑が多いと・・・ギルド組織全体も屑なのかわからんが注意してたほうがいいじゃろ』
ユズたちは男達をその場に放置し、子供たちを孤児院に送っていくことにした。
「ユズちゃん子供達を孤児院に送って行くぞ。」
ユズは縛り上げられてる冒険者をどうするか訪ねるとルルランはニヤリとしながら答える
「この冒険者の人どうするの?」
「こやつらは見せしめのためにこの大通りに放置じゃ。そのうち警備の者が来て連行していくじゃろ。フフ」
ユズ達が孤児院に着くと
そこにはルックナー男爵と数人の護衛が訪れていて子供たちと楽しそうに話していた。
「ルーおじさん今日は何持ってきてくれたの?」
「キャロルお姉ちゃんホタルに剣教えてなの」
「ボストお兄ちゃん今日何して遊ぶ?」
なんかすごくいいなぁ・・
子供たちがすごく楽しそうにしてる
『こんな貴族の人もいるんだ...』
「ユズお姉ちゃんルーおじさんに紹介したげるね」
ベル達ははそう言って孤児院の中に入っていく
カレンがユズに話す
『この町の男爵ルックナーは孤児のためにいろいろしてるみたいですね。ほんと貴重な貴族です。それに比べこの町の冒険者ギルドの責任者は屑ですね。』
『どうするのカレンお姉ちゃんギルドに行くの?』
『少し考えるわ。ユズ向こうで男爵が呼んでるわよ』
『ほんとだ行かなきゃ』
ユズは孤児院の中に入っていく
ミュラー院長がユズとルルランに頭をさげお礼を述べる
「子供たちを助けてくれてありがとうございます。何か貴重な薬で治療までしていただいてほんとにありがとうございます」
男爵も子供たちの頭をなでながらお礼を言ってくる
「ユズ君ルルラン殿この度は3人の子供を助けていただきありがとう」
ユズは男爵が自分に頭を下げたことに驚く
何この人貴族の子供でもないのに頭を下げてくるなんてすごいの・・・
ルルランも貴族が平民の子供に頭を下げたことに驚く
『うそでしょ!こんな貴族もいるんだ。助けたの孤児院の子供なのに・・・』
「いえ妾たちは当然のことをしただけじゃ。悪いのは冒険者じゃから気にしないでください。」
ユズも子供たちに囲まれて一緒に遊ぼうと手を引かれ嬉しそうに答えている
カレンはその様子を見て冒険者ギルドに向かうことを決める
『こんな子供に好かれてる町の責任者はそうそういない。ユズも子供に囲まれて嬉しそうだし、子供たちも楽しそう...その子供を大切にする町長ルックナー男爵の悩みの冒険者ギルド何とかするかぁ』
カレンはルルランに王都冒険者ギルドのパンジー宛に手紙を書かせそれを商業ギルドの王都定期便に出すように指示する
『ユズ明日冒険者ギルドに行くわよ。そこで私たちの実力を見せつけ実績を作るわよ。ルルランは明日私の言うとおりに手紙を書いて王都冒険者ギルドに商業ギルドの定期便で送ってもらうわ。』
『冒険者ギルド・・・わかった。ユズ頑張る』
『手紙はわかった。じゃがなんで商業ギルドの定期便なんじゃ?』
カレンはチェスラ冒険者ギルドの現状を暴露しギルマス処分計画を伝える
『なるほどのぉ。確かにその内容だと冒険者ギルドの定期便は使えないのぉ。でも商業ギルドも同じじゃろ?』
『それは問題ないわ。商業ギルドは日々魔道具で情報を伝えてるらしいから、王都でのユズの情報は伝わってるはずよ。だからここの商業ギルドでユズが新しい商品を売ればたちまち協力してくれるわ。』
ルルランはカレンの考えがわかり納得する
『なるほど、この町の商業ギルドを巻き込んで冒険者ギルドの屑を処分に持っていくのじゃな。』
『それにユズからの手紙だと分かれば王都の商業ギルドは喜んで協力してくれるし、すぐに冒険者ギルドに伝えてくれるわ。』
ユズはカレンに不安に思ってることを伝える
『カレンお姉ちゃん手紙なんか送ったらユズたちがここにいるのばれるよ。大丈夫なの?』
『ユズの言う通り私たちがここにいることはバレるけどでもユズが思ってるようなことにはならないわよ。今まで以上に協力してくれるかもよ。』
ルルランはユズを抱きしめ安心させるように話しかける
『ユズ心配しなくても大丈夫じゃ。カレンはユズのこと一番に考えてるからユズが不安に思ってるような事にはならないのじゃ。』
『だったら明日は冒険者ギルドでたくさんクエスト受けてびっくりさせてやるの』
『そうじゃのそれもええじゃろ。』
ユズたちは孤児院で子供たちとしばらく遊んで近くの宿に向かった。
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