第10話AIカレンはユズに好意を持つ


ユズはスキル検証についていろいろカレンから教えてもらっている


『ユズ何聞いてたの!イメージしないと魔法が発動しないと何度も言ってるでしょ。何でしないの。』


わっかってるけど、なんかわかんなくなったからだけど、カレン厳しいの。

怖いお姉ちゃんだよぉ。。


でもカレンって前世の記憶持ってるって・・どんな世界に住んでたのか聞いたけど教えてくれなかった。ユズも嫌われたくないから聞くのやめたの


とにかく今はカレンに手伝ってもらって、スキルを使いこなす事、成長する事だって言われたから頑張ってる。


ボクはカレンにアドバイスをもらいながらスキルを検証しているのです。


ユズがいる場所はかなり深い森の奥のような気がするけど、カレンに言われるまま魔法を使って魔力量を増やして、いろいろスキルの検証して生活を続けてる。


でも不思議です。こんなに深い森なのに魔物が襲って来ない。

ボクよくこんな奥まで来れたよね。あの時なんとなく歩いて来たけど…


ユズは不思議に思ってカレンに聞いた。


『カレン。この泉の場所ってユズが来てから何週間も経つのに魔物が来ないんだけどどうしてなの?』


カレンはこの場所の状況をわかりやすく説明してくれた。


『それは泉から500mの所に魔物が凄く嫌う実があるからです。その実は1年中実を実らせ熟すと落下し魔物にとって悪臭を放ちます。

実が落ちて悪臭が薄くなるころにまた別の実が落ち悪臭を放つそれの繰り返し1年中効果が続くわけです。

それに女神様の神力も溢れてますから魔物も普通の人間も入って来れない女神の泉と言う場所です。』


『女神の泉…凄いそんな場所だったんだ…

え?普通の人間が入って来れない?』


ユズはカレンに尋ねる


『カレンさん普通の人間入って来れないのに何でユズは入れたの?』



『はぁ?あんたは特別でしょ!女神アマテラス様の守護があるんだから、あんた以外ならこの泉の守護者しか入れないわよ』



『そうなんだ…』




AIカレンがユズにいろいろと尋ね提案してくる。


『ユズはこれからどうするのですか?王都から離れるつもりでいるみたいですが、世界にはいろいろな国がありますから、旅をしながら、ユズが住みやすい町を探すのもいいかも知れませんよ。』


ユズはカレンに言われて少し考え答える。


『ユズはお母さんの進められた町に行って見たかったけど、いろいろなところ行くのもいいかも…』


カレンはユズの悩む様子を見て記憶を見る


『ユズちょっと記憶見るね。… 』


ユズのお母様はギレナ高地出身か場所は…… ここか…少し遠いわね。

今持ってる情報だと・・・町は5年前に魔物に襲われ壊滅で今は廃墟か・・・

それでお母様は途中にあるユズでも安心して生活できる町を教えてたのか…


『ユズのお母さんのお勧めの町もいいと思うけど、かなり遠いからいろいろな町を旅しながら考えてみたらどうかしら?』


ユズはカレンの提案に頷く


『うん。それでいいの。』


カレンはユズに世界の情報を教える


『ユズあたいの持ってる知識では、今ユズのいる国が一番安全でいい国なの。

ほかの国は戦争を起こしいろいろ不安定で町の治安もすごく悪いわ。


だから他国に行くのはお勧め出来ないわ。この国のいろいろなところを回って気に入った町があればそこに住んでもいんじゃない。

今のユズなら王都を離れてほかの町に行ったほうがトラブルに巻き込まれなくていいと思う。

王都は貴族も多いし人口も多いしユズのその容姿だとトラブルに巻き込まれると思うから』


ユズはカレンに改めて言われ決意する。


王都には小さくてぼろいけど両親の残してくれた家はある。でもカレンの言うように沢山の貴族様がいる。

人も多いし今までもユズが酷い目にあったし、これからトラブルに巻き込まれないで暮らしていくのは難しいと思ってた。


特に女神様の与えてくれたスキルがあるから、ばれるとヤバい気がするがするのね。


下手すれば奴隷にされてしまうかも、スキルはいろいろ凄いみたいだけど、自分で守ること出来ないし・・・


身体も小さいしステータス見ても攻撃も守りもダメだし・・


それならカレンの言うように、旅に出て目立たないように作った物売ってお金を稼ぎながらこの王国のどこか静かなところに行ったほうがいいかも。


冒険者ギルドでも少し意地悪されたしね。


これ以上王都で行動してたらほんと騙されて奴隷にされそう。それに小さい見た目可愛い子供はよく攫われるって言われた。


だからユズはずっと汚い格好してきたけどいつも周り気にしてるのももういいや


ここはカレンさんの提案を受け入れてどうしたらいいかアドバイス貰うのね。


『カレンさんの提案通り王都から出ることにする。

どうしたらいいですの?準備とかいろいろ教えてほしいのです』


カレンはユズの言葉に喜びいろいろ提案をする


カレンは自分の最愛の弟と母がこの世界に転生してきてるのを知り、そのために記憶を残してもらってAIに転生した。

その弟と母を捜す方法はまだ考えていないが、この世界に転生してユズの記憶から何となく自分の捜す二人がこの国の何処かにいる気がしていた。あの女神様が転生させたのなら情勢の悪い他国ではなく女神様が気にしてるこの国にしてるはず。だから移動して他の町に行けば何かわかるような気がしていた。

カレンは何とかユズを王都から出て旅をさせたかった。最愛の二人がいれば転生した姿でもなんとなく感じることができると思っていたからだ。


『あたいなら絶対わかる。たとえ姿が違っても大好きな二人を感じとれるはずだ。』


ユズが自分の提案に乗ってくれて喜ぶカレンだった。


やったね。ユズ旅に出てくれる嬉しい・・ならユズは絶対守らないとね。よし。


『ユズはまだ幼いしレベルも低いから、ここを拠点にしてレベルを上げて、魔力量を増やすわよ。

それからユズのスキルを使っていろいろ道具を作るわよ。』



ユズはレベルを上げると聞いて震えだす


『カレンさんレベルってどうやって上げるの?ユズ怖いの嫌だしそんなに力ないの』


カレンはレベル上げについて説明する


『ユズの今のレベルは魔力量以外はゴミレベルだから、魔物や盗賊に会えば簡単に死んじゃうわ。

でもあたいが今のユズの魔力量で最低限戦える武器や道具を作る。それで魔物を狩ってレベルを上げるの』


『えーーそんなの無理なの怖いのぉ』


カレンはユズを叱る


『ユズ何が怖いよ!ユズはいつまでも身体も顔も汚して暮らすつもりなの?

そんなの嫌でしょ!なら最低限の自分を守る力が必要よ。何も強くなれなんて言ってないから最低限でいいのわかった?』


ユズは最低限と聞いて頷く


『わかった。頑張る』


カレンはまず魔物を狩るための武器を作ることを提案する


『じゃ安心して活動できるように、弱い魔物を狩るための武器を作ろうか、作り方はあたいが教えるからその通りに作って。』


『わかった。』


カレンは不安そうにするユズにこれからの事を説明する。


『ユズは身体を綺麗にしたらかなり可愛い容姿だから大きな町に行くと攫われると思うし、街道でも盗賊とかに攫われると思うわ。だからここで自分を守れる武器を作る。

あと旅をするからその移動手段と病気とかの対策もここでする。』


ユズはいつ王都に戻るのか尋ねる


『カレンさんこのままずっとここでレベル上げて道具作るの?王都にいつ戻るの?』


『ユズここの泉の周りは安全なのだからここでユズのレベルを上げて魔力量を上げてユズのスキルをいろいろ使えるようにしたいの。


今のユズは弱いから、旅に出たら確実に悪い奴に捕まるか、魔物に殺されてしまいます。


だから持ってる錬成マイスターを試していろいろ検証して、守りの魔道具とか、攻撃の魔道具作りましょう。


あと旅に必要な魔道具も作って快適な旅になるようにしましょう。』



ユズはカレンの攻撃と守りの魔道具の言葉に目を輝かせる


おお!このボクが攻撃できる道具フフ弱いボクが守れる魔道具やったのぉー!


『うん!攻撃、守りの道具頑張って作るよ。カレン早く教えて!早く!』


カレンはユズの食い付きに驚くも絶対に死なせてはいけないから、丁寧にアドバイスをしていく


『ユズ慌てない時間はあります。ここの場所は魔物も来ない素材も手に入るからゆくり検証して作って行きましょう。』


『わかったの』


カレンはユズに必要な物を順番に教えて行く。


『ではまず旅に出て困るのは病気や怪我です。だからその対策ですね。


それから装備です。沢山の荷物を運ぶのは身体も疲れます。その対策も必要です。


その次に自分の身を守る道具です。


それができたら攻撃できる道具です。


でもユズは体力的にも攻撃は不向きです。ですからあくまで相手を足止めする程度で十分です。その間に逃げればいいのです。』


ユズはふんふんと頷き真剣に聞いている。


『今のユズの魔力量でできる回復治療の薬、病気等の治療薬、を作っていきましょう。あとできれば薬以外で身体をマッサージして回復させる方法も覚えた方がいいですね。』


ユズは早速カレン指導のもといろいろスキルを併用して病気や傷体力回復等の薬作りを始めた。


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