第25話盗賊と遭遇する

ユズは目覚めた後カレンに状況を教えられ反省する。

自分でも何であなんな魔力操作ができたのかわからなかった。


カレンもユズが倒れてる間何もできない歯がゆさに、自分自身ももう少し能力を身に付けなきゃいけないと、でないとこの先ユズを守れないと思うのだった。


ユズはその後は相変わらずで魔物と遭遇したら騒いでカレンに頼っていた。


『カレンあそこ灰色熊がいるよ。どうするの?逃げる?どうするの』


『ユズ何度も言ってるでしょ!あんな崖下にいるのは何もしない。ちゃんと対策あるからって!』


『でも登って来たら怖いから早く逃げようよ。』


はぁーこの子の怖がり方酷くなってるわ。

何とかしないと…


ユズはこんな調子で魔物と遭遇したら、戦わず逃走する行動を取りながら森を抜けて来た。



『ユズこの先やっと森の外れ馬車道に出るわ』


ユズは魔物に怯えずにすむからかほっとしている。


カレンはユズに四輪バギーを出すように指示する。


『ユズここからは道が広いからバギーを出して町に向かいましょう。』


ユズはカレンに言われたとおりバギーを出して走らせる。


何事もなく快適にバギーを走らせるユズは森の出来事を忘れ嬉しそうに運転している。


そんなユズにカレンは話しかける


『ユズ楽しそうね。気持ちいい?』


ユズも嬉しそうに答える


『うん。さっきまで暗い森の中だったから、怖かったし今は凄く風が気持ちいいの』


楽しそうにバギーを走らせるユズ。


しばらく何事もなく進み途中昼食を取り、バギーは山岳路に差し掛かったところで周りを警戒するカレンがユズに速度を落とすように指示する


『ユズこの山岳路を抜けたら町が見えてくるんだけど、この先にちょっと厄介な連中がいるからあそこの木の裏でバギーを止めてちょっと様子みようか?』


ユズは不安になり尋ねる


『この先に何がいるの?逃げなくていいの?』


カレンは今後も旅していく上で遭遇すると思う盗賊の事を話す


『ユズこの先にいるのは盗賊です。国から指名手配されてる連中ですね。

ゴミですね。遠慮なくバン!してやりましょう。』


『えーー!嫌なの逃げようよ。』



カレンはユズの逃げる発言を諌める


『ユズいいですか!ユズにはあのゴミを処理できる道具があります。

ここで逃げれば、あいつらはユズのような小さい子供や女の子を拐い奴隷商人売り渡します。


それに男の人達は殺されてしまいます。

それでも逃げるの!

ユズにはお姉ちゃんがいる!絶対ユズを傷つけさせないから!

ユズはお姉ちゃんを信じて言う通りに動いて!


ユズのような一人ぼっちの子供作ってはダメ!

お姉ちゃんと一緒にゴミを処理しよ。』


ユズは両親がいなくて寂しい思いをして来たから、カレンの言う事はわかる。

ユズは自分に暗示をかけるように言葉を繰り返す


『カレンを信じて盗賊をやっつける!盗賊はゴミ!ゴミはユズが掃除するの!』


カレンはユズが逃げない選択をしたことにほっとしている。


『とりあえず逃げない選択してくれてよかったわ。後はユズが怖がらず盗賊を倒してくれたらいいんだけど…』


ユズの怖がりなのわかって急いでバギーを改造していろいろ組み込んだから問題ないと思う。


『ユズ右にある黄色のボタン押して見て!』


ユズはカレンの指示通りボタンを押す


『これなのね。』


ポチ


ユズがボタンを押すと運転席の左前にモニター画面が出てくる


ユズは初めて見る丸い画面に驚く


『うわー何これ凄いのです。』


カレンはいろいろ説明していく。


『これはモニター画面っと言ってマップを表示したり、知りたい情報表示したりします。


マップを表示したままサーチ町の名前で現在位置から町までのルート距離が表示されるから、後サーチ魔物、サーチ敵で魔物やユズに害意を持ってる者が表示されるからね。



後サーチ魔物で表示された魔物を指でタッチしてアタック、逃走、と言うだけで最適な魔道具で攻撃したり、逃走に適した弾がでます。』



ユズはその性能に驚く


『凄いのです。カレンお姉ちゃんユズのためにこんなの作ってくれたんだ。

嬉しいの。カレンお姉ちゃんありがとなの。』


カレンは嬉しそうに答える


『フフフ可愛い弟みたいなユズを怖がらず守れるように考えたの。

まだ他にもいろいろ機能あるから、その都度説明するから今は目の前の盗賊をやっつけよ。』


ユズは嬉しそうに画面を見てる


『カレンお姉ちゃんこれなら怖くないのね。悪い盗賊バン!しょう。早く!早く!』



カレンは興奮するユズを落ち着かせる


『ユズちょっと落ち着きなさい!盗賊がいるだけで何もしてないからね。』


『あ!ごめんなさい。どうするの』


『盗賊はたぶん待ち伏せしてるみたいね。

盗賊が動いたら状況を見てすぐに攻撃!面倒な相手だったら、盗賊を倒したら逃走するからね。』



『わかった。カレンお姉ちゃんの言う通りするのね。』


カレンはユズが落ち着いたのを見て、盗賊の様子を見る。


暫く様子を見ていると盗賊達が動き出した。


カレンは広範囲で探査していると、2頭だての馬車が盗賊の待ち伏せしてる所に向かって走ってくる。


『ユズどうやら盗賊は定期運行する乗り合い馬車を狙ってるみたいです。でもなんかおかしいなあ、定期運行する馬車は高ランクの護衛が数人ついてるのになんでそんなリスク犯す?


普通商人馬車を狙うはずなのに何故?

馬車に魅力ある者がいる?運ばれてる?でないとほとんどがDランク崩れの盗賊にはリスクが多すぎる』


ユズに説明しておいた方がいいわね


カレンはユズに考えを伝える


『ユズ盗賊達は、もう少ししたら目の前を通る定期運行されてる乗り合い馬車を襲撃するつもりです。

でも心配いらないわよ。馬車には高ランクの護衛がついてるから普通に襲うなら馬車に被害はないわ。

だから少し様子を見てましょう。』


『わかったの』


乗り合い馬車が待ち伏せポイントに近づくと盗賊達は多数の煙玉を投げ込む


たちまち馬車の周りは煙に包まれ馬車は停止する。


カレンは即座に分析する


『これはただの煙ね。冒険者の視界を奪うために使ったようね。でもこんなので何とかなると思ってるのかしら?』


盗賊達は煙の中に投石をしていく。

馬は暴れ馬車の中はパニックになる。


しかし乗り合い馬車の護衛は3人は落ち着いて投石を排除し冷静に周囲を警戒する。


カレンはその対応に安堵する


『さすがね。彼らは恐らくCランク冒険者ってところね。ならこんな三流盗賊問題ないでしょ。』


盗賊達は投石や弓を射るだけで襲う気配はなかった。


盗賊の放った投石と矢はほとんどが冒険者によって排除され一部が馬車の中に入り数人が軽傷を負ったくらいだった。


盗賊は一人を残し逃走していく。


冒険者は盗賊が全て逃走したと認識し周りを警戒しながらけが人の治療にあたる。

けが人の治療は中に乗っていた一人の女性が投石が当たった3人を回復魔法で治療する。



カレンはそれを見て盗賊の目的を察した。


『あんなでたらめな攻撃はこの確認のためかな?それで一人気配を消して残ってたのね。この世界の回復魔法を使えるのは希少な存在のはず。教会の関係者か聖女?だから目立たたないように乗合馬車で移動してたのね。』


一方襲撃された馬車の方は


冒険者が乗客たちに説明をする。


「皆襲撃者の攻撃は全て退けた。恐らく護衛のレベルを確かめるための攻撃だと思う。攻撃は全て我々が退けたため襲撃者は逃走したから安心してくれ、けが人は今少し我慢してくれ、次の町で治療は出来る。」


すると一人の女性が手をあげる


「こちらの二人は次の町で治療で問題なさそうですが、こちらの方は出血がひどいので早急に治療する必要があります。私少し回復魔法が使えますので、治療いたしましょうか?」


怪我をした身なりのいい青年は是非お願いしたいと懇願する


「治療費は支払うのでお願いする。止血だけでもいいので頼む。」


女性は頷き男性の頭部に手をかざし詠唱を始める


「聖なる力の根源女神アマテラスの聖なる力を我マテリアの魔力を用いかの者を癒せ・・・・ヒール!」


女性の身体が光り手から魔力が放たれ青年の額の裂傷がふさがっていく。


周りの者達も初めて見る治癒魔法に驚いている


その様子を見ていたカレンは一人盗残っていた盗賊が消えたのを確認する


『ユズ盗賊が本腰入れて襲って来るわ。馬車には護衛いるから油断しなければ、大丈夫だとおもうけど、ユズはゴミの処理に向って!』


ユズはしぶしぶ返事をする


『怖いけど頑張るの』










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