第18話公爵家の庭園

ユズはレイチェルに案内され裏庭に着くと。


ユズはレイチェルとスミレ、パンジー、チェリーに少しだけ離れてくれるようにお願いする


ユズは庭園の中に入って植木の状態を確認するために目をつむり呟くように語りかける


『庭の木さんお花さんユズ戻って来たよ。問題ない?今日はちゃんと許可貰ったから何でもするから言ってね。』


すると精霊達が嬉しそうに動き回る。


パンジー達にはユズの回りに異常な光景が見られ唖然として見つめる


『何あの小さいいろいろな色の光は?もしかして精霊なの… 嘘でしょ…精霊がはっきりと見える形で現れるなんて… 』


チェリーも唖然として見つめる


『綺麗… 光の玉がユズちゃんに触れ喜んでるように見える… 凄い 』


メイドの二人はあまりの光景に膝をつき祈るようにユズを見つめる


『ユズ様…凄い はぁー 』

『ユズ様… 公爵家の者の無礼をお許し下さい。』


ユズは周りが皆祈るように見つめているのに気がつかず、残ってた庭園の問題をかたずけるために隅っこの場所に移動する



『遅くなってごめんね。今から元気になるようにしてあげるからね。』


カレンが周りの状態を見てユズに指示をする


『ユズこの辺りにある花と木は水捌けが悪いから根腐れ起こしてる状態だから、土壌を大きく変える必要ある。

今から指示通り魔力操作する事わかった?今回は魔力操作難しいから注意しなさい。』


『わかったの』


ユズはカレンの指示通り地面に手をついて魔力を注ぎ数センチ下の粘土質の土壌を変えていく。


『ユズその粘土層はこの屋敷の塀の下の土壌と入れ替えます。あたいの言う通り操作してね。』


『うん。でもこれってちょっと辛いの…


はぁはぁ…


まだなのカレンお姉ちゃん…


ユズ倒れそうなの…』



カレンはユズに20mほどの範囲の土壌を入れ替えていく指示をしている。


『ユズいい感じよ後少しだから頑張って…』


ぅぅ…


ユズはカレンの指示通りに土壌を錬成して完全に入れ替えに成功する。


カレンは土壌が植木や花にいい土壌に変わったのを確認してユズに伝える。


『ユズもういいわ。ご苦労様完璧よ。さすが可愛い弟ね。』


土壌の入れ替えが終わり栄養分の含んだ水を与えると枯れかけてた植木と花は元気になり、ユズの周りに新たな妖精が集まる。



『うわー沢山集まってきたあ…みんなぁこのお家の人達にちゃんとお世話するようにお願いするから、みんなはこのお家の人達癒してあげてね。』


妖精達はユズのお願いに応えるように輝く


ユズの周りに沢山の妖精達が集まる幻想的な現状を見てパンジー達は手を組み瞬きもせず見とれていた。


ユズは集まった妖精達が何か伝えようとしてるのを感じ応える


『うん。みんなわかってるから。あのポプラの木でしょ。今から行って助けてあげるから見ててね。』


ユズはポプラの木の場所まで行きカレンの指示通り木に触れる。


カレンはポプラの木が吐く魔素の原因をユズに教える


『ユズ木に触れたら情報が伝わってくるでしょ。』



『うん。わかるよ。ポプラの木さんの少し離れたところにあるこの岩が一番大きな根っこが削れて痛くて悪い魔素がでてるんだ。』


でも何でこんな所にこんな大岩置いたんだろ?


カレンは岩を置いたのは庭師が美観がいいから置いた事をユズに伝えこの岩を処分する許可を貰うように伝える


『ユズ原因わかったでしょ。この岩が原因でこの屋敷のポプラの木に近い部屋の人が苦しんでるはずだから処分していいか許可もらって!』


『わかった』


ユズは側で見てるメイドに伝える


「レイチェルさん今からこの岩砕いて処分していいですか?この岩処分しないとこのお家で辛い思いしてる人良くならないの。」


レイチェルはユズの行動に見とれ意味がわからないまま許可を出す。


「ユズ様どうぞ好きになさって下さい。何も問題ありません。よろしくお願いいたします。」


ユズは簡単に許可が出たのに驚くもすぐに作業に取り掛かる。


『え?そんな簡単に許可いいのかなぁ?まぁいいや。早くやってあげなきゃ』


ユズはポプラの木に話しかける


『ポプラさんこの岩痛いよね。ユズが取り除いてポプラの木の根子をちゃんと治してあげるからね。

治ったら魔素を出して訴えてた人を許してあげてほしいの。』


カレンは許可がでたのでユズに気合いを入れる


『ユズこの岩は手強いから気合いを入れてかかりなさい!』


ユズ頷き地面に手をついて魔力を注いでいく。


『カレンお姉ちゃん指示お願いなの。』


ユズはカレンの指示通りに動きながら魔力操作を続けていく。


周りからは、ユズが座ったり時々岩に触れたりしてるようにしか見えていない。


『ユズもう少し右手の方に多く魔力流して水の針を作るイメージ!そうそう!

もっと高速で動かして!そうそう!』


カレンの指示は続く


『今度は左手よ。水で洗うイメージ強くして魔力多めに流して…そうその感じよ。いいわ次もう一度右手ね。』


『わかった。これでいい?… うん。もう少し洗う水ね。わかったの。』


『よし良いわよ。これであのポプラを傷つけてた岩は、土中で深く沈んで砕いたから、もう大丈夫ね。よく頑張ったわユズ』


ユズが全て終わらせるとポプラの木が感謝するように枝葉が大きく揺れ、ユズの周りに大きな光の玉が激しく光ながら飛び回る


『アハハ喜んでる。ポプラの木の精霊さんかな?よかった喜んでくれて。じゃユズ行くね。』


ユズは唖然として見つめる四人の元に行き報告した


「レイチェルさん全て終わりましたの。これでユズが気になってた問題全て解決したのね。ありがとうございましたなの」


レイチェルはユズのおかしな報告に疑問を思いつつもお礼を言ってユズを屋敷の中に案内する。


パンジーとチェリーはあまりの素晴らしい光景にただただ見つめるだけだった。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る