概要
芋虫を潰して、蝶が割れた
第43回横溝ホラーミステリー大賞一次選考突破作品
朝、足元に気付かずに、蛾を踏み潰してしまった。
白く丸々と肥えた、雌の蛾だった。
それからというもの、女子大生の樹(いつき)の周囲では蟲が湧くようになる。
耳穴から這い出る芋虫、爪先の紙魚、足を這い上がる百足――――
潰しても潰しても湧きだす蟲は、次第に樹の過去と血の因縁を露呈させていく。
朝、足元に気付かずに、蛾を踏み潰してしまった。
白く丸々と肥えた、雌の蛾だった。
それからというもの、女子大生の樹(いつき)の周囲では蟲が湧くようになる。
耳穴から這い出る芋虫、爪先の紙魚、足を這い上がる百足――――
潰しても潰しても湧きだす蟲は、次第に樹の過去と血の因縁を露呈させていく。
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